
2025シーズンにおけるJFLからJ3リーグへの入会(昇格)条件をまとめました。
Jリーグ入会規定
2025年版のJリーグ入会に関する規定はJリーグ規約(2025年1月1日改正)の第17条[入会]に定められています。
第17条では(1)~(6)の6つの規定が定められており、この6つを簡単にまとめると次のようになります。
ポイント
(1)JリーグはJFLに所属し毎年9月30日までにJリーグに対し所定の入会申請を行ったクラブを審査し、J3に入会させることができる
(2)Jリーグ入会を希望するクラブはJ3クラブライセンスに関わる審査および調査を受けなければならない
(3)Jリーグ入会を希望するクラブは10項目の入会要件を全て充足しなければならない
(4)Jリーグは10月または11月開催の理事会でJ3入会申請を審査する(但し停止条件付きの認定となる場合あり[※後述])
(5)JリーグはJ3入会申請結果を当該クラブに書面または電磁的方法により通知する
(6)入会は理事会承認の翌年1月1日にその効力を生じる
(3)・(4)を除く4項目は主に手続き上の規定なので特に分かりにくい点は無いかと思います。
そこで以下(3)・(4)について順に詳しく見ていくことにします。
Jリーグ入会要件
まず(3)の10項目の入会要件について解説します。
Jリーグ規約 第17条 第3項に規定された10項目の入会要件は次のような内容です。
入会要件
① J3クラブライセンス審査に合格している
② クラブとしての活動実績がJ3会員として相応しいと理事会から認められている
③第16条[J3クラブの資格要件]を満たしている
即ち
・J1、J2またはJ3クラブライセンスの交付を受け、それが取り消されていない
・日本の法律に基づき設立された株式会社または公益社団法人である
④ 入会直前年度までに、安定的な支援組織の整備に向け取り組んでいる
⑤ 入会直前年度のJFLのリーグ戦におけるホームゲームにおいて1試合平均入場者数(JFLの公式記録に基づく)が2,000 人に到達している
⑥ 入会直前年度の年間入場料収入が1,000万円に到達している(※注)
⑦ 短期的に資金難に陥る可能性が極めて低いとJリーグが評価できる状態にある
⑧ 入会直前年度のJFLのリーグ戦最終順位が2位以内
⑨ クラブが株式会社の場合、大株主(議決権比率3分の1を超える株主、またはその時点での筆頭株主)とJリーグとの面談機会を設定し、別途Jリーグが定める宣言書に署名させ、Jリーグに提出している
⑩ 入会直前年度のJFLのリーグ戦最終順位が2位の場合、J3・JFL入れ替え戦に勝利している
(※注)但し入会審議の時点で全てのホームゲームが開催されていない場合、以下の算定式で算出された金額に到達していれば要件充足とする
[算定式]1,000万円 × 当該時点の開催済みホームゲーム数 ÷ 当該年度の開催予定ホームゲーム数
まず①J3クラブライセンスの取得がJ3入会への大前提であり、その他に重要な要件としては⑤ホームゲーム入場者数、⑥入場料収入、⑧JFLでの最終順位、⑩J3・JFL入れ替え戦での勝利が挙げられます。
また、これ以外の②活動実績・③国内法人・④支援組織・⑦財務状況・⑨株主の要件が充足できずにJ3入会が承認されなかった、という例は過去にありません。
以上のことから、Jリーグ(J3)入会要件について、まずは次のポイントに着目すれば良いことになります。
ポイント
・J3クラブライセンスを取得している
・ホームゲーム1試合平均入場者数が2,000 人に到達している
・年間入場料収入が1,000万円に到達している
・JFLのリーグ戦最終順位が2位以内である
・JFLのリーグ戦最終順位が2位の場合、J3・JFL入れ替え戦に勝利している
なお、⑩J3・JFL入れ替え戦での勝利に関連する「J3・JFL入れ替え方式」ついての詳細はこちらの記事をご参照ください。
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参考【2025】J3・JFL入れ替え方式
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J3入会申請の審査
続いて(4)に規定されているJ3入会申請の審査について解説します。
審査は10月または11月に開催される理事会で行われますが、審査時点では⑤ホームゲーム入場者数、⑧JFLでの最終順位、⑩J3・JFL入れ替え戦での勝利の入会要件充足状況が確定しておらず、これらを審査できないケースがあります。この場合は審査可能な要件のみ審査を行って入会可否を判断し、入会を「可」とするときは審査できない要件についてJFLのリーグ戦終了時までに充足することを停止条件として付加します。
もしJFLのリーグ戦終了時点において上記停止条件のいずれかが未達成であるときは、J3への入会が認められません。
J3入会候補
さてJFLに所属するクラブのうちJ3入会候補となるクラブはどれだけあるのでしょうか。
下記の表は2025シーズンのJFL参加チームとJリーグ入会意思有無、前年におけるJ3入会申請審査状況を示したものです。

JFLは将来のJリーグ入りを目指すクラブと、アマチュアクラブのまま活動を続けるクラブが混在しているリーグです。上の表で「J3入会意思」欄が「あり」のチームがJリーグ参入を目指しているクラブになります。
「J3ライセンス」欄が「〇」のクラブは2024年に2025シーズンのJ3クラブライセンスが交付されたクラブ、「入会審査」欄が「承認」のクラブはJ3への入会が条件付きで承認されたクラブです。入会承認を得たレイラック滋賀とヴィアティン三重はJFLでの最終順位が2位以内でなかったため2025シーズンのJ3入会は果たせませんでした。
「平均観客数」欄は2025シーズンにおけるホームゲーム1試合あたりの平均観客数(小数点以下切り捨て)を記しています。観客数の基準である平均2,000人以上に到達しているクラブはレイラック滋賀・ヴィアティン三重・クリアソン新宿の3クラブで、昨季J3に所属していたY.S.C.C.横浜といわてグルージャ盛岡は2,000人に到達していません。J3復帰にあたっては成績に加えて観客動員数の増加も課題のひとつと言えるでしょう。
なお2025年6月30日には2026シーズンのJ3クラブライセンス申請が締め切られ、申請したクラブが明らかになる予定です。当該クラブが判明次第、一覧表に追記してまいります。