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2020 JFL 第22節 松江シティFC vs ホンダロックSC

2020年9月29日

プロモーションを含みます

敗戦

2020 JFL 第22節
松江シティFC 1 - 3 ホンダロックSC
2020年 9月27日(日) 13:00 Kick off
松江市営陸上競技場
観客 971人

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スターティングメンバー

松江シティFC

松江スタメン

リザーブメンバー:
GK 池藤聖仁(#30)、DF 佐々木健人(#2)・筒井俊(#13)・畝本諭(#15)、MF 泉宗太郎(18)・那須甚有(#20)、FW 中井栞吏(#14)

スタメンの変更点は前節テゲバジャーロ宮崎戦で那須が務めたインサイドハーフのポジションに、今節は髙畑智也(#16)が起用された事です。
また第20節ヴィアティン三重戦で後半開始直後に負傷退場した佐々木がリザーブメンバーとして戻ってきました。

ホンダロックSC

ホンダロックスタメン

リザーブメンバー:
GK 天本幹士郎(#21)、DF 玉木嵐士(#3)・鈴木健(#3)、MF 坂本翔(#6)、FW 米良知記(#9)・日野友貴(#15)

ホンダロックは4-4-2の布陣です。

試合経過

前半

試合開始早々の2分、松江シティ陣内から馬場将大(#5)が相手ディフェンスの裏を狙ったロングフィード。前線の酒井達磨(#19)が上手くそのスペースに走り込んでボールを収め、相手GKと1対1。しかし酒井のシュートはゴールの右に外れてしまいます。

直後の3分、今度はホンダロックのチャンス。
松江の右サイドでスローインを受けた當瀬選手が逆サイドにクロス。これを大山選手が頭で合わせていきなりロックが先制。スローインの際は西村光司(#9)が大山選手をマークしていましたが、當瀬選手がボールを受けてからボールウォッチャーになって完全にマークを外してしまいました。GKの井上亮太(#1)も、まずシュートに備えたポジショニングをしていたため、ファーサイドにクロスを上げてくることは全くの想定外だったようです。

早くも追いかける展開となった松江は10分、相手ペナルティエリア手前で酒井がファウルを受け、絶好の位置でフリーキックを獲得。酒井が右足でゴールを狙いますが、枠に飛んだボールはGK中山選手に弾き出されてしまいます。
さらにこれで得たコーナーキック。川中健太(#7)が蹴って酒井が頭で合わせたボールは大きく枠外に外れます。

するとロックに追加点。
14分、松江のクリアボールを佐々木選手がダイレクトで前に蹴り返し、これを加藤秀典(#39)が胸に当てて収めようとした際に詰めてきた大山選手がボール奪取。そのまま持ち上がりフリーで駆け上がってきた田中選手にラストパス。田中選手は難なくこれを決めてスコアは松江0-2ロック。試合開始から僅か14分で松江は2点のビハインドを負うことになります。

ここからの時間は得点を取らなければならない松江が攻め、ロックは慎重に守りながらカウンターを狙うという展開が続きます。
ロックは4-4-2のブロックを作って守りながら、松江のボールホルダーに果敢にプレッシャーをかけて攻撃を寸断しようと試みます。
それでも松江はほとんどボールを失うことなく攻撃を続けていましたので「ロックの守備に手こずって攻めあぐねている」という印象はあまり受けませんでした。シュートの場面やフリーキック・コーナーキックのチャンスもそれなりに作っていましたので、1点返せば流れが変わりそうな雰囲気も十分感じられました。

しかし30分を過ぎたあたりから徐々にロックが押し返して来るようになります。
この時間帯はロックの方にセットプレーのチャンスがいくつかありシュートも打たれてしまいますが、松江の選手が身体を張ってブロックしたりシュートが枠を外れたりで何とか失点は免れました。

松江は前半アディショナルタイム、ペナルティエリア手前でフリーキックのチャンス。
川中の蹴ったボールは枠を捉えますが、またもGK中山選手がパンチングでコーナーキックに逃げます。さらにこのコーナーキックのこぼれ球に松江の選手が詰めて行きますが、ここも中山選手が僅かに早くキャッチし松江はどうしてもゴールを奪えません。

この直後に前半終了の笛。前半は松江0-2ロックで折り返します。

後半

得点が必要な松江が後半スタートから選手交代。髙畑に代えて那須を投入します。

後半開始早々の48分、ロックのカウンターの際に相手選手を掴んでしまったという事で菅本にイエローカード。

49分、ロックのコーナーキック。ゴール前の混戦でロックにシュートチャンスがありましたが、ここは松江が得点を許さず。

57分には危険なタックルをしたということで下村尚文(#3)にイエローカード。
さらにこのプレーで与えたフリーキックの流れから決定的なシュートチャンスがロックにありましたが、シュートが枠を外れてゴールには至らず。

ここまでなかなか攻撃のリズムが出なかった松江でしたが60分辺りからパスがスムーズにつながるようになっていきます。
しかし最後のところでパスやクロスの精度を欠いたり、人数をかけて守るロックの壁を崩せなかったりで得点には至りません。

何とか状況を打開しようと実信監督は69分に菅本に代えて佐々木を投入。
菅本は疲れが見え始めていましたし、イエローカードをもらっているという事情もあったのでしょう。

73分にはロックが初めての選手交代。
センターバックの中島選手に代えて玉城選手が投入されます。

試合がやや膠着状態になったところでロックは立て続けに選手交代。2トップを2枚替えします。
77分、大山選手に代えて米良選手、當瀬選手に代えて日野選手を投入。

79分、コーナーキックの流れから西村がペナルティエリア内でシュートを放ちますが惜しくもポストを叩いてゴールキックに。

すると直後に松江は勝敗を決する得点をロックに奪われてしまいます。
80分、左サイドでボールを受けた髙橋選手が対応に出た馬場将大(#5)を交わしてゴール前にグラウンダーのクロス。これに山道選手が下村と競り合いながら飛び込み、そこから流れてきたボールを最後は日野選手が押し込んで松江0-3ロック

このタイミングで実信監督は2枚替え。
西村に代えて川中に代えて中井を投入します。
この交代を機に松江は前への推進力が強まり、相手ゴール前のシーンをまた作れるようになってきました。

そこでロックの宮路監督は最後の選手交代。
センターバックの牧野選手に代えて鈴木選手、左サイドハーフの田中選手に代えて坂本選手を投入。

そして86分、中井がピッチ内を駆け回り相手ボールホルダーに執拗にプレッシャーをかけ続けたことが奏功し松江に待望のゴールが生まれます。
中井のプレスで相手ボールが酒井のところに流れ、これを酒井→田平→佐々木とつないで佐々木がゴール前に絶妙なクロス。ここに酒井が再び顔を出し、ダイレクトに左足で合わせてゴール。スコアは松江1-3ロックとなります。

その後も松江はロックのゴール前に再三迫り会場を沸かせますが、89分に不自然な選手交代。
実信監督は後半のスタートから途中出場した那須を下げ、畝本を投入します。
現地で観戦していた方からの情報によれば、どうやら那須は怪我による交代だったようです。

ここからアディショナルタイムも入れて6分強、松江は戦う姿勢を失わず最後まで得点を取りに行きますがスコアは動かず。
結局、松江1-3ロックで試合終了
松江シティは今季ホームで初黒星リーグ戦初の連敗を喫しました。

戦評

失点について

松江シティの3失点はいずれもちょっとした隙やミスを突かれたものでした。そこを決めきるホンダロックの決定力も見事だったと思います。
ここまでリーグ戦8試合を消化しましたが、松江シティは未だに無失点試合がありません。しかも先制点を許した試合では必ず複数失点し敗戦しています。
昨シーズンに比べ得点は取れるようになりましたが、守備の課題は完全には解消されていないようです。

失点を減らすためにどうするか。

昨シーズン、リーグの前半戦で大量失点を繰り返したことで、松江シティ・田中前監督はリーグ中断期間を利用しシステムを4バックから3バックに変えています。その結果、中断明けからは守備の安定にある程度の成果は見られました。
今シーズンは3バックを継続したことでシステムが熟成し、序盤戦では昨季以上に守備が安定したように見えていたのですが、ここ最近はあまりにも失点が多い。しかもミスが絡んでいることが大半です。何かを変えなければいけない時期でしょう。

修正にあてる時間が短いのでシステムを変えるのはリスクが高い。現実的には選手を変えることになろうかと思います。
3バックの両サイド、馬場将大下村は今季リーグ戦でスタメン出場を続けています。疲労からパフォーマンスが落ちているのであれば迷わず休ませて控え選手をスタメン起用するべきです。またGKについても一度池藤を試すというのも十分ありでしょう。
もしくはウイングバックに守備力の高い選手を起用するのも解決策のひとつかもしれません。

次節の対戦相手、MIOびわこ滋賀は昨シーズンとは打って変わって得点力の高いチームに変貌しています。
このまま何の手も打たずに試合に臨めばおそらく大量失点を喫してしまうでしょう。
実信監督の修正力に期待したいです。

選手交代

80分に中井・泉が投入されてから松江の前に出る迫力が目に見えて変わり、この勢いで得点もできました。
しかし3失点目を喫した直後の残り10分+アディショナルタイムの投入ではあまりにも遅い。
もう少し早く、スコア0-2のタイミングで二人を投入していたら、あるいは同点に追いつくチャンスもあったのではないかと思わずにはいられません。

今シーズンはコロナ禍の特例として選手交代は5人までできることになっています。
しかし実信監督はリーグ戦過去7試合、ずっと3人しか交代枠を使って来なかったのです。今回8試合目にして初めて5人を交代出場させました(但し5人目の那須→畝本はアクシデントによる予定外の交代だったようです)。

実信監督が毎試合頑固に3人しか交代させなかった理由は今もってわからないのですが

①スタメンのバランスが良いのでできるだけ代えたくない
②来季は交代枠が3人に戻るだろうから、自分のポリシーとして今季も3人枠にこだわりたい

このどちらかなのかな、というのが私の想像でした。
②は勝負事の中ではありえない理由ですが、ここまで拘られると割と真面目にそうなんじゃないかと思ったりもしたわけです。

結局、今節で4人目・5人目の起用をしたので②はなかったわけですが、そうなると実信監督に対して「選手交代枠を有効に使いこなせていない」というネガティブな評価しか残らなくなってしまいます。

昨シーズンのことを思えば、これだけ得点を取って勝てるチームを作り上げた実信監督の手腕にまず感謝の想いしかないのですが、欲を言えば試合中の采配面でも我々をさらに唸らせる場面を見せてくれたらな、と。
これは批判ではなく希望であり期待です。
実信監督ならきっと上手くチームマネジメントをしてくれるはず。私はそう信じています。

10月3日(土)のMIOびわこ滋賀戦。超厳戒態勢が解かれ他府県からの来場が可となれば、是非とも現地に駆けつけて甦った松江シティをこの目にしっかり焼き付けたいと考えております。そして必ずや連敗を止めてもらいたい。それこそが切なる願いです。

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