マッチリポート

【2021 JFL】第16節 松江シティFC vs 高知ユナイテッドSC

2021年7月13日

プロモーションを含みます

松江vs高知試合前

2021 JFL 第16節
松江シティFC 4-0 高知ユナイテッドSC
2021年 7月11日(日) 15:00 Kick off
松江市営陸上競技場
観客 1,023人

前日までは雨の予報が出ていた松江市でしたが、良い方に予報が外れてこの日は好天に恵まれました。

この試合のマッチスポンサーはユニフォームの胸スポンサーである島根電工様。

また試合前にはキッズダンスチーム「SPEARKLES」のダンスパフォーマンスや、開星高校吹奏楽部の島根県歌演奏などのイベントもあり、スポンサー企業やイベントの関係者で観客席は大いに賑わいました。 1,023人は今季最多のホームゲーム観客数です。

キックインセレモニーは島根電工の社員さん。

壁を作り、その上をフリーキックで越してボールをレフリーに渡すという前代未聞のキックインで会場を湧かせてくださいました。

キックインセレモニー

スターティングメンバー

松江シティFC

松江シティスタメン

前節のHonda FC戦で警告を受けた垣根拓也が今節は累積警告で出場停止です。

代わりにアンカーの位置に入ったのが田平謙。第10節のF.C.大阪戦以来となる久しぶりの出場です。

他の先発メンバーは前節と同じ。

リザーブメンバーもDF辻川祐介がMF山本蓮に代わった以外は前節と同じです。

高知ユナイテッドSC

高知Uスタメン

高知ユナイテッドの基本フォーメーションは3-4-3

守備時には左右サイドハーフのどちらかが下がって4バックになりますし、インサイドハーフの2枚も横並びではなくルーカス選手がワンボランチのような位置でプレーすることが多かったように見えました。

従って実際の試合映像を見ると、上記のフォーメーション図とは少し違った印象を受けます。

なお、昨季まで松江シティでプレーしていた西村光司選手が左のウィングとして先発出場しています。

試合経過

前半

前節4失点、前々節5失点と2試合連続で大量失点している高知は守備を意識した非常に慎重な立ち上がり。

あまり前に人数をかけず、松江ボールになると前線の選手も素早く自陣に戻ってバイタルエリアのスペースを消しにかかります。

ゲームは開始からしばらくは主導権争いで膠着していましたが時間経過と共に松江のボール支配率が上がっていき、徐々に「攻める松江」「凌ぐ高知」という展開に傾いていきました。

そして前半35分。

左サイドでボールを持ち上がった菅本岳がゴール前にクロスボール。

これに合わせた遊馬将也のヘディングシュートは一度はクロスバーに弾かれますが、再び遊馬が体を投げ出すように頭で押し込み松江シティに先制点。松江1-0高知

松江のケーブルTV局(マーブル)の番組に出演し、この日の試合の告知を務めた遊馬の面目躍如となるゴールでした。

その後は再び両者が膠着状態となり、前半はこのまま松江の1点リードで折り返すかと思われた43分。

自陣から髙畑智也が前方にロングボールを供給。川中健太と相手DFの競り合いで、一度は相手が収めたボールを川中が奪取。そのままゴール前に持ち込んでゴールを決め、松江2-0高知

前節Honda戦の決勝ゴールに続き、今節も川中がゴールを決めて今季2得点目。

いい時間に追加点を上げた松江が2点をリードして後半へと折り返します。

後半

後半は開始早々にスコアが動きます。

48分、ペナルティエリア手前ほぼゴール正面の位置で遊馬がファウルを受け、松江はフリーキックのチャンス。

キッカーは川中。

川中の蹴ったボールは壁を超えるとゴール左隅の絶妙な位置に落ち、松江シティに追加点。松江3-0高知

3点のリードで松江はダイレクトパスの交換やロングパスなど思い切ったパス回しを試みる余裕も生まれ、高知を翻弄し続けます。

一方の高知は攻め手がなく遠目からのロングシュートを放つのが精一杯で、結局シュート数はこの試合僅かに後半の2本のみ。

74分、飲水タイム明けに松江は得点を挙げたFW2人を交代。

川中に代えて堀田佳佑、遊馬に代えて伊能玲生を投入します。

するとその直後の75分でした。

高知陣内で菅本→堀田→髙畑→佐藤と見事にボールをつなぎ、最後はゴール前に抜け出した佐藤がゴールを決めて4点目。

松江4ー0高知

その後、79分に髙畑を山本蓮、菅本を澤島輝に交代し、87分には佐藤を那須甚有に代えて5人の交代枠をフルに使った松江シティは、終了前に高知の反撃を受けやや危ない場面はあったもののDF下村尚文を中心に守り切り、結局松江4ー0高知のスコアでタイムアップ。

攻撃では1試合4得点とJFL参入後の最多得点。守っては2試合連続のクリーンシートと、攻守両面で良いところを見せた松江シティがJFLでは初の3連勝

得失点差がマイナスからプラスに転じ、順位も8位に上げることができました。

戦評

気温30℃の中での対戦でしたが、松江シティの選手たちは非常によく走り運動量が最後まで落ちませんでした。

相手ボールへのアプローチの速さや球際の粘りも前節Honda戦同様に光るものを感じました。

コンビネーションやパスワークの正確さは試合ごとに良くなっており、4-0と大差がついたことは予想外でしたが勝利については妥当な結果だったように思われます。

何より垣根拓也不在の中で完勝できたことは、松江シティにとってまたひとつ貴重な財産になったことでしょう。

怪我で離脱していた田平謙が、このタイミングでチームに復帰し垣根の代役ができたことは実に幸運でした。

危険なスペースを埋める、あるいは味方がパスを出したいところに顔を出すと言った田平のバランサーとしての役割は十分機能していましたし、こうしたベテランがピッチに居ることは若手の、特に大卒ルーキーたちにとって非常に頼もしかったに違いありません。

またこの日、1,000人を超える観客の中に初観戦の人が居たならば「松江シティの試合は面白い。また来よう!」と感じさせることができ、きっと次の集客につながったことと思います。

そういう意味でも、今節の結果は全く非の打ちどころがないものだったと言えるでしょう。

次節の対戦相手

次節7月18日(日)はアウェイで昨年のチャンピオンチーム・ヴェルスパ大分との対戦。

この対戦をもってJFLの前半戦が終了となります。

ヴェルスパは現在勝ち点26で5位。松江シティとの勝ち点差は2。松江シティがこの試合で勝利すればヴェルスパよりも上の順位に行くことができます。

過去の対戦成績は松江シティの2敗1分と、まだ勝利がありません

とは言え今季は過去未勝利だったF.C.大阪・MIOびわこ滋賀にアウェイで勝利し、ホームでは王者・Honda FCからも初勝利を挙げた松江シティ。強敵・ヴェルスパ大分からの初勝利にも期待がかかります。

前半戦締めくくりの試合、好結果を残して後半戦に折り返せるよう強く願っています。

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