松江シティFC 0-1 FCマルヤス岡崎
2021年 6月20日(日) 13:00 Kick off
松江市営陸上競技場
観客 717人
好天に恵まれた松江市営陸上競技場。
この日は明治安田生命松江支社様のサポーティングマッチということで、スポンサー席を含め観客席は大変な賑わいでした。
ここ2試合、観客数が200人台という寂しいホームゲームが続いていましたが、今節は700人以上の観客を集めての開催です。
スターティングメンバー
松江シティFC
左CBに宮内真輝が4試合ぶりにスタメン復帰。
宮内が左CBの際は右CBに筒井俊を配置するケースが多く、過去2試合はボランチで出場していた筒井がこの日は右CBでの起用となりました。
代わってボランチを務めたのは佐藤啓志郎。佐藤は第3節・奈良クラブ戦以来のスタメン出場です。
1トップには松江市陸で2ゴールを挙げ、この競技場と相性の良い遊馬将也が4試合ぶりにスタメン起用されています。
FCマルヤス岡崎
岡崎は前節Honda FC戦、4-4-2の布陣で戦ったようですが、今節は3-3-2-2と3バックの布陣にしています。
このフォーメーションは松江シティの開幕時の布陣と全く同じです。
松江シティは前節のいわきFCに続いて、今節も3バックのチームを相手にすることになりました。
試合経過
前半
今季、松江市陸のホームゲームでは早い時間に先制点を取ることが多い松江シティ。
この試合も開始から圧力をかけて攻めたかった松江ですが、岡崎は立ち上がりから左右両ウィングバックがDFラインまで下がって5バックを形成し、松江が攻撃で使いたいスペースを消しにかかります。
また松江がDFラインからビルドアップする際は、岡崎の前線の選手が常にプレッシャーをかけてボールを前へ運ばせないようにするため、序盤は松江の選手が非常にやり難そうにしているという印象を受けました。
先制点が欲しかった松江でしたが、逆に岡崎に早々に先制を許してしまいます。
前半8分、船谷選手のコーナーキックに多々良選手がフリーでヘディングシュート。これをGK井上亮太が一度はよくストップしましたが、こぼれ球を大塚選手に押し込まれ、松江0-1岡崎。
松江の各選手がどうにもゲームに入り切れていない中で、セットプレーから手痛い失点を喫してしまうことになりました。
その後は徐々に松江がボールを支配する時間もできてきましたが、前線の選手にはなかなかボールが収まらず、また岡崎も効果的な攻撃を仕掛けるに至らずでやや膠着した状態が続きます。
結局、双方共にゴール前のシーンが乏しいまま前半が終了。岡崎1点リードで後半へと折り返します。
後半
後半も前半同様、互いに決め手を欠く攻撃に終始していた両者。
ただ時間経過と共に次第に松江が岡崎陣内に攻め入る時間が増えてきます。
コーナーキックの機会も何度か獲得し、松江に得点が生まれる気配も生じていた68分。思いもかけない事態が起こります。
コーナーキックをペナルティエリア手前で受けた筒井俊がゴール前にクロスボールを供給しようとしますが、これを岡崎の選手が足を上げてカットに行くと綺麗に足裏にボールが当たり、センターサークル付近まで大きく跳ね返ってしまいます。
松江の選手たちは全員が岡崎陣内に攻め入っていたため、このボールを回収するフィールドプレイヤーが一人もいません。
このボールにいち早く反応した岡崎の寺尾選手が自陣から快足を飛ばしてボールに追いつくと、対応に飛び出してきたGK井上亮太を交わし、後は無人のゴールに蹴り込むだけの状況に。
すると追走してきた筒井が最後は寺尾選手を倒してしまい、決定機阻止ということでレッドカードを呈示されてしまいます。
松江シティは1点ビハインドの中、1人少ない人数で残り時間戦わなければならないという苦しい状況に追い込まれました。
すかさず実信憲明監督は選手を2人交代させます。
遊馬将也に代えて堀田佳祐、髙畑智也に代えて松下大祐を投入。
松下は筒井が務めていた右CBの位置に入り、1トップ2シャドーだった前線を川中健太・堀田の2トップにして攻撃の枚数を1枚減らしました。
攻撃の枚数は減ったものの、松江が攻撃にかける時間は筒井の退場前と遜色ないくらい多く、10人で1点を奪うこともあるいは可能ではないかと思わせるクォリティは十分保っていました。
そこで実信監督は攻撃の質を更に高めるため79分に再び2枚替え。
川中健太に代えて伊能玲生、そして佐藤啓志郎に代えて山本蓮を投入します。
山本はボランチよりは前目の位置でプレーし、攻撃のサポート役を担当しました。
さらに84分には左ウィングバックの澤島輝を馬場将大に代えて5人の交代枠を使い切った松江。
最後まで攻撃の手を緩めなかった松江でしたが、結局得点は奪えず。開始早々の失点に泣き松江0-1岡崎で敗戦。
松江は今季初の連敗を喫してしまいました。
戦評
ポイントになってしまったのは筒井俊の退場。
ファウルで止めずに松江0-2岡崎となってしまえば、現在の松江の得点力から考えて追いつくのは難しい。
しかし退場覚悟でシュートを阻止し、1人少ない状況になったとしても1点差なら追いつける可能性もある。
筒井が瞬時にそう判断して後者を選択したのは、やむを得ない決断だったのかもしれません
退場に至るまでのプロセスも非常に不運で、たまたま相手がカットに行った際に当たり所が良くてあそこまでボールが跳ね返ることは誰も予測すらできなかったでしょう。
失点の方に話を移すと、前節のいわきFC戦に続いてセットプレーからの失点が続いています。
JFL参戦元年よりセットプレーからの失点が多かった松江シティも、今季序盤はセットプレーの守備が上手くいっているという印象を持っていました。
しかしここ数試合はセットプレーも含めて守備全般に集中力を欠いて失点するケースが見られるようになり少々心配です。
鈴鹿戦の失点しかり、いわき戦の1失点目しかり、そしてこの日の岡崎戦の失点しかり。
今季は守備の粘りで勝ち点を積み上げてきた松江シティですから、その守備に綻びが出ると当然ながら勝ち点は伸びません。
もう一度原点に立ち返り、守備の粘りを取り戻して次節は何としても連敗ストップを果たして欲しいものです。
次節の対戦相手
次節は6月26日(土)、アウェイでMIOびわこ滋賀との対戦です。
過去の対戦成績は松江の1分2敗で、まだ勝ちがありません。それどころかMIOからはまだ1点も取れていません。
過去3試合は、0-1、0-0、0-1といずれもロースコアの結果に終わっています。
毎回、紙一重のところで勝ち点を落とし続けている松江シティ。今回は絶対に同じ轍は踏まないようにしたいところです。
とにかく今季リーグ戦3連敗だけは絶対に喫してはなりません。
選手たちの奮起に期待します。