実家の物置で一冊の本を発見しました。
2013年に発行された「俺たちの地域リーグ」という書籍です。
松江シティFCが取り上げられているということで購入しましたが、その他にも知名度のある地域サッカークラブが色々取り上げられています。
この書籍について紹介します。
取り上げられてるサッカークラブ
本書で取り上げられているのは次の23クラブです。
クラブ名 | 2013年当時 | 2021年現在 | クラブの変遷 |
FC KAGOSHIMA | 九州 | J3 | 2014年~ 鹿児島ユナイテッドFC |
ヴォルカ鹿児島 | 九州 | J3 | 2014年~ 鹿児島ユナイテッドFC |
南国高知FC | 四国 | JFL | 2014年~ アイゴッソ高知 2016年~ 高知ユナイテッドSC |
llamas高知FC | 四国 | 四国 | |
FC今治 | 四国 | J3 | |
レノファ山口 | 中国 | J2 | |
FC宇部ヤーマン | 山口県1部 | ー | 2019年をもって活動休止 |
松江シティFC | 中国 | JFL | |
バンディオンセ加古川 | 関西1部 | 関西1部 | 2020年~ Cento Cuore HARIMA |
アミティエSC | 関西1部 | 関西1部 | 2018年~ おこしやす京都AC |
FC大阪 | 関西1部 | JFL | 2021年~ F.C.大阪 |
アルテリーヴォ和歌山 | 関西1部 | 関西1部 | |
奈良クラブ | 関西1部 | JFL | |
ディアブロッサ奈良 | 関西2部 | 奈良県1部 | 2018年~ ディアブロッサ高田 |
FC鈴鹿ランポーレ | 東海1部 | JFL | 2016年~ 鈴鹿アンリミテッド 2020年~ 鈴鹿ポイントゲッターズ |
サウルコス福井 | 北信越1部 | 北信越1部 | 2019年~ 福井ユナイテッド |
東京23FC | 関東1部 | 関東1部 | |
tonan前橋 | 関東1部 | 関東2部 | |
ヴェルフェたかはら那須 | 関東1部 | 関東1部 | 2019年~ ヴェルフェ矢板 |
グルージャ盛岡 | 東北1部 | J3 | 2019年~ いわてグルージャ盛岡 |
FCガンジュ岩手 | 東北1部 | 東北1部 | |
ヴァンラーレ八戸 | 東北1部 | J3 | |
ノルブリッツ北海道 | 北海道 | 北海道 |
記事はクラブスタッフや監督へのインタビューで構成されています。インタビューは2013年1月~5月に行われたものです。
2013年当時と2021年現在の各クラブの所属カテゴリおよびクラブ名が変わった所はその変遷についても表に記載しました。
こうしてみると、現在松江シティとJFLで顔を合わせているいくつかのクラブが当時は地域リーグに所属していたことが分かり、何やら感慨めいたものを覚えます。
編集長・金谷元気
この書籍の著者は「サッカーなう編集部」となっています。
「サッカーなう」とは、まえがきを寄稿されている編集長の金谷元気さんが立ち上げたインターネットメディアの名前だそうです。
金谷さんは高校3年生のとき、あるJ2クラブとの契約を目指していましたが結局叶わず、大学進学後に改めてプロを目指そうと考えていた時に、たまたま地域リーグクラブ・高田FC(現ディアブロッサ高田)の試合を見る機会がありました。
対戦相手は格上の横浜FC(当時J2)でしたが、高田FCは互角の戦いを繰り広げ、これに魅了された金谷さんは高校卒業後、高田FCに所属することになります。
以後、金谷さんは地域リーグに選手として身を置き、試合を通じて様々な地域リーグクラブを知ることになりました。
この書籍はそうした地域リーグクラブの魅力をできるだけ多くの人に知ってもらいたいということが動機となり、執筆・編集されたものだそうです。
ちなみに金谷さんが設立した会社は、現在「akippa株式会社」に社名変更し、駐車場予約アプリを使った駐車場シェアリングサービスの運営が主たる事業になっています。
地域リーグとは全くかけ離れたお仕事になっていますが、個人的に金谷さんのベンチャー精神には大いに敬服するところであります。
松江シティについて
松江シティの項では運営スタッフの岩田輝さんと小川秀樹監督(当時)がインタビューに応じていらっしゃいます。
将来のJFL・J3参入構想、島根県や松江市におけるサッカーを取り巻く環境などについて率直にお話をされています。
中国リーグでのライバルを聞かれ、岩田さんが「恐れ多いですが、デッツォーラ島根さん」と仰っているところは少々複雑でした。
確かに当時、松江シティはデッツォーラ島根にリーグ戦でなかなか勝てず、天皇杯予選でも何度も苦杯を舐めさせられていました。
しかし2015年以降は完全に力関係が逆転し、天皇杯は松江シティが連続出場するようになりましたし、JFLへの参入も松江シティの方が先んじました。
そして現在。デッツォーラ島根ECというクラブはもう存在しません。
非常に寂しいですし、残酷な時の流れというものを感じます。
購入について
ご興味を持たれた方は、下記のリンクから各サイトに行けますのでどうぞご覧になってみてください。
情報は古いのですが、地域リーグの魅力を再確認できる良書だと思います。