■第24回日本フットボールリーグ(2022)第4節
ホンダロックSC 5-1 FC神楽しまね
2022年4月3日(日) 13:00
串間市総合運動公園陸上競技場
観客 92人
【得点者】
12分 日野友貴(ロック) 16分 日野友貴(ロック) 21分 日野友貴(ロック) 32分 日野友貴(ロック) 51分 玉城嵐土(ロック) 59分 遊馬将也(しまね)
【警告・退場】 ■ 73分 藤山雄生(ロック) ■ 83分 高橋健(ロック)
前節、ホーム開幕戦で東京武蔵野ユナイテッドFCに手痛い敗戦を喫したFC神楽しまね。
JFLで常に上位争いをするチームになるのであれば連敗は許されません。
ホンダロックSCのホームへ乗り込んでのアウェイ戦ですが何としても勝ち点を取りたい一戦。
会場は松江シティFCとしてJFLに参入して以来初見参となる串間市総合運動公園陸上競技場です。
スターティングメンバー
FC神楽しまね
今季はリザーブも含め、ほぼ同じメンバーで戦っている神楽しまね。
前節との違いはまず左サイドバックが馬場将大から辻川裕介に代わっています。
それ以外のスターティングメンバーは前節と同じですが、サイドハーフの左右を入れ替え、この試合は清本将史が左、髙畑智也が右でプレーをしました。
リザーブに加倉広海が今季初のメンバー入りをしています。
ホンダロックSC
ホンダロックのフォーメーションも4-4-2。
MF登録の甲斐史也選手が2トップの一角でプレーをしていたようです。
試合経過
立ち上がりからひたすら前線にロングボールを放り込んで来るホンダロック。
神楽しまねは冷静にこれを跳ね返しながら、一旦マイボールにすると細かくパスをつないでロック陣内へ攻め込みます。
序盤はロックのロングフィードvsしまねのパスワークという構図で互角の攻防。
しかし12分という早い時間にロックが先制点。
ハーフライン付近でしまねがボールを失うとロックはカウンターを発動。
甲斐史也選手の至近距離からのシュートを井上亮太が一度は止めたものの、こぼれ球を日野友貴選手に蹴り込まれロック1-0しまね。
しまねの守備の人数は足りていましたが甲斐選手・日野選手を誰もマークせずフリーにしてしまっています。前節の武蔵野戦でも同じような場面が見られました。ここは非常に気になるところです。
さらに16分には川中健太のバックパスをCBの下村尚文・今村直也が譲り合う格好になり反応が遅れたところを日野選手にインターセプトされ、そのままゴール。ロック2-0しまね。
2点を失いようやく攻撃の圧力を強め出したしまねは、その後ロック陣内でボールを持つ時間が増え惜しいシュートも放ちますが得点には至らず。
逆に21分、しまねは自陣の左サイドでボールを失うとペナルティエリア手前中央の位置から日野選手にミドルシュートをあっさり決められてロック3-0しまね。
なんと前半飲水タイムまでにしまねは3失点。日野選手にハットトリックを許してしまいます。
これだけでは終わらず、前掛かりになって攻めるしまねをあざ笑うかのように32分には甲斐選手が自陣から日野選手にロングパスを通すと日野選手がそのままドリブルで持ち上がりシュート。ロックが絵に描いたようなカウンターを決めてロック4-0しまね。
為す術もなく失点を重ねるしまねはまだ前半38分という時間で実信憲明監督が怒りの2枚替え。
川中を下げて加倉広海、清本に代えて澤島輝を投入します。
ボールは持てるものの決定的なチャンスシーンを作れないしまねは攻守に良いところなくこのままロック4-0しまねのスコアで前半を終えました。
後半開始からしまねは辻川裕介に代えて馬場将大を投入。
反撃したいしまねでしたが51分、ロックにさらに追加点が生まれます。
フリーキックから野田涼雅選手が放ったシュートを井上が弾き出しますが、これを拾った田中選手が左サイドからクロス。セットプレーの流れで前線に残っていたCBの玉城嵐土選手が打点の高いヘディングシュートを決めロック5-0しまね。
しまねが5失点するのはJFL参入年(2019年)第27節のヴェルスパ大分戦で記録して以来3年ぶりのこと。
同じ年の第11節にはホンダロック相手に6失点を喫しており、これが過去の最多失点。あのときの悪夢が再現するのかと思わせるほどのロック怒涛のゴールラッシュ。
しまねは57分、髙畑に代えて山本蓮を投入。
するとその2分後の59分。
筒井俊のスルーパスに反応した遊馬将也が上手くDFの裏に抜け出しますがロックのGK湯沢拓也選手が飛び出し僅かにボールを弾き出してシュートには至らず。しかしこのときに湯沢選手がPA内で遊馬を倒してしまったことでしまねはPKを獲得。
このPKを遊馬自らが決めロック5-1しまね。しまねがようやく一矢を報います。
その後はしまねがロック陣内でボールを支配し、サイドを起点に攻撃を組み立てますがロックの守備ブロックを崩せずなかなか中央へ侵入させてもらえません。
74分には上手く中央のスペースを攻略した筒井がミドルシュートを放つものの惜しくもクロスバーに弾かれます。
しまねは76分に遊馬を下げ、谷尾昂也をピッチに送り出し交代の手を打ち終えます。
試合の最終盤には効果的な縦パスも入るようになり得点の気配を感じさせたしまねでしたがシュートには至らず、結局ロック5-1しまねのスコアで試合終了。
思わぬ惨敗を喫したしまねは2連敗。消化試合が1試合少ないとはいえ暫定順位14位と厳しい位置に後退しました。
感想
元々神楽しまねはシンプルにロングボールを放り込んでくるパワー系の相手を苦手とする傾向にあります。
丁寧にパスをつないでビルドアップしてくる相手に対しては好相性なのですが、中盤を省略してガンガン攻めてくるチームには以前から滅法弱い。
昨季はそうした相手にも何とか上手く対応して失点を減らすことができていましたが、今回のロック戦では忘れかけていたその弱点が図らずも露呈した格好になってしまいました。
もちろんパワーに屈しただけでなく守備のミスもありました。
昨季は強固な守備を武器に戦っていたしまねですが前節・今節と守備のミスが目立ち、この2試合で早くも7失点。
これは由々しき事態です。
ある程度の失点覚悟で攻撃的に戦うことを意図しているのであれば仕方のない部分はあるかもしれませんが、得点の方は僅かに2得点。
攻撃に関して言うとシュートが非常に少ない。ここまで3試合のシュート数は7本→3本→4本。
1試合で複数得点を取ろうと思えばこのシュート数ではどうにも心許ないです。
攻守に問題を抱えてしまっている今の神楽しまねですが、次節のホームゲームで果たしてどこまで修正できるでしょうか。
早くも次節は実信監督始めコーチングスタッフのマネジメント力・修正力が試される一戦となってしまいました。
次節の対戦相手
次節は2022年4月10日(日)、ホーム松江でソニー仙台FCと対戦します。
ソニー仙台は今季からJクラブでの指導経験も豊富な鈴木淳氏が監督に就任しています。
鈴木監督はかつてソニー仙台でヘッドコーチを務めていたことがあり、今回23年ぶりの古巣への帰還となりました。
今季リーグ戦の成績は1分3敗と勝ちが無く、4試合で未だ無得点と苦しんでいます。
現在の順位は神楽しまねのひとつ下の15位ですが、もちろん強豪・ソニー仙台の実力はこんなものではないでしょう。ただ、しまねとしてはソニーが眠っている今のうちに何とかしっかり勝利しておきたい。
ソニー仙台同様もうひとつ調子の上がらない神楽しまねですが、惨敗の後のホームゲームですからなおさらスッキリと勝利してスタジアムに駆け付けた島根県民・松江市民と共に今季ホーム初勝利を祝いたいものです。