松江シティFC 3 - 0 E-WING出雲
2020年 8月16日(日) 15:00 Kick off
浜山公園陸上競技場
リモートマッチ(無観客試合)
第100回天皇杯の都道府県代表決定戦を兼ねたこの大会に優勝したことで、松江シティFCは6年連続7回目の天皇杯本選出場が決定しました。
天皇杯1回戦は9月16日(水)19時キックオフ。対戦相手は鳥取県代表・Yonago Genki SC。試合会場はAxisバードスタジアムになります。
それではここから天皇杯出場を決めた島根県サッカー選手権大会決勝を振り返っていきます。
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スターティングメンバー
今季JFL開幕からの2試合、同じスタメンで臨んだ松江シティでしたが、この日は垣根拓也(#4)・田平謙(#31)・菅本岳(#11)を除く8名が初スタメンに名を連ねました。またこの8名の中で北原大奨(#31)・馬場悠(#44)・桃井紳伍(#27)はリーグ戦途中出場の経験がありましたが、それ以外の5名は今季公式戦初出場です。サブメンバーにもここまでメンバー入りしていなかった木村皓亮(#25)・畝本諭(#15)が加わるなど、リーグ戦とはかなり異なるメンバー構成となりました。
(E-WINGのメンバーについては現段階でどこにも情報がアップされていなかったので割愛します。)
試合経過
前半
対戦相手のE-WING出雲は島根県リーグ一部所属ですので、JFLの2つ下のカテゴリになります。
戦前の予想通り上位カテゴリである松江シティが一方的に押し込み、E-WINGが粘り強く守備をしながら攻撃のチャンスを伺うという構図でゲームが進行します。
E-WINGの選手が自陣に引いて守る時間が長いこともあって、松江シティの両ウィングバックも通常時より高めの位置を取ることが多く、特に左WBの桃井はあまり守備を気にする様子もなく攻撃的なポジションでプレーを続けました。
こうした流れの中、14分、右WBの菅本が入れたクロスボールを桃井が頭で合わせて松江シティが先制点!
高い位置でプレーをしていた両ウィングバックによる狙い通りの得点となりました。
比較的早い時間に先制点が取れたことで、この流れのまま一気に大量点もありうる展開でしたが、松江シティの数々の決定機はE-WINGの集中した守備に阻まれてなかなか追加点を奪うことができません。
結局前半は1-0と松江シティが1点のリードのままで終えることになります。
後半
後半も松江シティが攻めて、E-WINGが守る、という構図は変わらず、松江シティは再三のチャンスを迎えます。
特に後半10分までに北原は2度の決定機がありましたが、シュートが僅かに枠外だったり、GKにセーブされたりで得点を奪えず、66分に西村光司(#9)と交代することになります。
また、その直後の67分には先制ゴールを挙げた桃井に代えて佐々木健人(#2)が投入され、実信監督は交代カードを次々に切って状況の打開を図ろうとします。
この交代では佐々木は右WBに入り、それまで右WBだった菅本は左WBに回ってプレーをすることになりました。
猛攻を続ける松江シティでしたが、E-WINGは守備の集中を切らさずゴールを許しません。とりわけGKの選手はファインセーブを連発しE-WING最後の砦として松江シティの前に大きく立ちはだかっていました。
そして75分、実信監督は3枚目のカードを切ります。那須に代えて川中健太(#7)を投入。川中は那須と同じ左のインサイドハーフに入りました。
80分を過ぎてもスコアが動かないままでしたが、迎えた83分。
右サイドの佐々木からパスを受けた川中がペナルティエリア内で落ち着いてシュートを決め、松江シティに待望の追加点!
これでスコアは2-0。
その4分後の87分には、右サイドを駆け上がった馬場悠がペナルティエリア内の川中にパス。川中はこれを丁寧に西村に預け、西村がそのままゴールを決めて3-0で勝負あり。
直後に田平に代えて畝本が投入され、畝本は今季公式戦初出場を果たします。
結局試合はこのまま3-0で終了。
松江シティは数々の決定機を逸し続けましたが、守備に関しては全くピンチを迎えることもなく、総合的には「快勝」と言える内容だったと思います。
戦評
両者の力の差を考えれば、松江シティとしては本来ならばもっと早い時間に得点を重ね、大勢を決したかったことと思います。
しかし、この日のE-WINGのように徹底的にリトリートして守備を固める相手を崩すのはなかなか容易なことではありません。実信監督の試合後の談話にもあったようにJFLではここまで徹底して守ってくる相手はいないので、松江シティの選手たちにも相当な戸惑いと苦労があったことでしょう。
80分過ぎまで1-0の状況が続く中、もし松江シティが事故のような失点を喫していたら1-1のままPK戦まで粘られた可能性がありますし、さらにPK戦を落としてカップ戦にはありがちなジャイアントキリングが発生していたかもしれません。幸い、実信監督が送り出した交代選手たちが結果を出し(川中・西村が1得点ずつ。佐々木が1アシスト)勝利することができました。采配的中ということで、これは監督にとしては実に気持ちが良かったことでしょう。
天皇杯1回戦で当たるYonago Genki SCもカテゴリ的には下位の相手となりますので、E-WINGのように自陣に引いて守備的に戦ってくるかもれません。E-WING戦で見えた課題を修正して、万全の状態で臨んで欲しいと思います。
Twitterライブについて
島根県サッカー選手権大会は過去、NHK松江が地上波中継をしてくれていたのですが、今年は中継がありませんでした。
加えてコロナ禍による無観客試合となったため、試合を見る手段は完全に失われたと諦めていました。
ところが試合開催の数日前に、松江シティFC公式ツイッターが急遽ライブ配信をしてくれるとの告知が!これは本当に嬉しかったです。
後で分かったことですが、中継映像はスマホもしくはタブレットで撮影していた模様。
それ故、試合の状況は問題なく把握できても解像度の関係で選手の顔や背番号が判別できないという事態に。
おそらくその事実をツイッターで伝えた視聴者が居たのでしょう。そこで視聴者の要望を酌んで、撮影していたスタッフが即席で実況を開始してくれます。実況とは言っても「ボールを持っている松江シティの選手名を伝えてくれる」という対応だったのですが、これだけでも試合の流れが格段に分かりやすくなり随分助かりました。
その後もスタッフが実況を試行錯誤しながら「これで良いですか?」と視聴者に問いかけ、視聴者がこれにツイッターで応え、それを繰り返すことで実況中継がどんどん形になっていく。その現実を目の当たりにして、これこそが即時性という特徴を活かしたツイッターの醍醐味だとあらためて実感した次第です。
実況は最初女性が担当していて、その後男性が担当したのですが、実はこの男性、昨季まで松江シティのGKを務め、引退後にフロントスタッフに就任した船川航司朗さんだったことが後にツイッターで明かされました。実況開始当初は選手名を呟くだけだったのですが、進行するに従い選手のポジションやゲーム展開について色々な情報を交えてくれるようになりとても参考になりました。
最後になりましたが、こうした形で試合中継を実現してくださった松江シティFCのスタッフの方々には心より御礼を申し上げます。どうもありがとうございました!