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2020 JFL 第20節 松江シティFC vs ヴィアティン三重

2020年9月15日

プロモーションを含みます

勝利

2020 JFL 第20節
松江シティFC 2 - 1 ヴィアティン三重
2020年 9月13日(日) 15:00 Kick off
松江市営陸上競技場
観客 701人

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スターティングメンバー

松江シティFC

松江スタメン

ここまでのリーグ戦、過去5試合をほぼ不動のスタメンで戦ってきた松江シティでしたが、前節の青森戦ではその勤続疲労の影響かチーム全体のパフォーマンスが低調で、0-3の完敗を喫してしまいました。

そこで実信監督はこの試合、前節からスタメンを4人入れ替えて臨む決断をしました。
センターバック中央を筒井俊(#13)に代えて加藤秀典(#39)、左ウィングバックを泉宗太郎(#18)に代えて西村光司(#9)、右ウィングバックを菅本岳(#11)に代えて佐々木健人(#2)、2トップの1枚を馬場悠(#44)に代えて川中健太(#7)、そして前節川中が務めたインサイドハーフの位置には那須甚有(#20)が入りました。
加藤・佐々木は今季リーグ戦初出場。西村・那須もスタメンでの出場は今季リーグ戦初となります。

なおリザーブメンバーには今回スタメンを外れた筒井・泉・菅本・馬場悠の4人がそのまま入り、その他にはGK・池藤聖仁(#30)、DF・畝本諭(#15)、FW・北原奨大(#32)がメンバー入りしています。

ヴィアティン三重

三重スタメン

ヴィアティン三重は4-4-2の布陣です。ただフォワードの北野選手は古川選手と縦関係の位置でポジション取りをしていることが多く、どちらかというとワントップに古川選手を置いて2列目に塩谷選手・北野選手・平信選手が並ぶ4-2-3-1のフォーメーションのようにも見えました。

試合経過

前半

立ち上がりから三重は松江陣内のボールホルダーに対しフォアチェックを徹底し、バックパスを受けたGK・井上亮太(#1)に対しても長い距離を走ってきてプレッシャーをかけるなどして、松江を自陣に封じ込めるかのような対応を取ってきます。
そのため三重にロングスローの機会やコーナーキックを与える回数が多かったのですが、シュートまでは打たせておらず、序盤は両者ともほぼ拮抗した状態で試合が進行していきます。

会場が沸いたのは18分のシーン。右サイドからの佐々木のパスを受けた田平謙(#31)酒井達磨(#19)に繋ぎ、酒井がゴール前の川中健太(#7)にラストパス。GKと1対1の決定的な場面でしたが、三重のGK・加藤選手が上手く身体に当てて弾き出しゴールならず。

その後も飲水タイムを挟んで一進一退の展開が続きますが、31分、三重のGKが味方選手に出したパスを那須がインターセプト。これを垣根拓也(#4)川中と繋いでシュート。三重の選手にブロックされてこぼれたボールを再び垣根がシュートに行きますがヒットせず、結局クリアされてしまいます。

このあたりの時間帯から、松江はシンプルな縦のロングボールやスペースを使った崩し、あるいはサイドからのクロスボールなど多彩な攻撃で三重のゴール前に迫るシーンが再三見られるようになり、シュートの回数も増えていきます。一方で三重の攻撃は要所で精度を欠いたりミスが絡むなどしてなかなかシュートまで至りません。

完全に松江ペースとなったこの時間帯にこのまま得点が入らないと逆に嫌な流れになるところでしたが、40分、ついに先制点が入ります。
左サイドから西村が中央の田平にパス。田平はこれをドリブルで持ち上がりゴール前にラストパス。酒井と相手ディフェンダーがこれに飛び込んだ際、GKの加藤選手に当たったボールが酒井のところにこぼれ、これを冷静に押し込んでゴール!
酒井が得点ランキング単独トップに躍り出る今季4点目を決めて松江が1-0とリードします。

その後も攻撃の手を緩めない松江はいくつか得点のチャンスはありましたが追加点は奪えず。前半は松江1-0三重で折り返し。
前半は松江のシュート数9本に対し三重はシュート0本。シュート数では松江が三重を圧倒して後半に向かいます。

後半

後半開始から三重はボランチの西村選手に代えて野垣内選手を投入。一方の松江は選手交代なし。
しかし後半開始早々の48分、松江にアクシデント。三重陣内でのスローインの流れから酒井が放った強烈なシュートが至近距離で佐々木を直撃。画像ではどこに当たったのか判然としませんが、佐々木はこの衝撃で倒れた後動かなくなり、近くに居た選手たちが大声で担架を要請。場内が一時騒然となります。
結局佐々木はプレー続行不可能ということで担架で退場し、代わって菅本が出場。そのまま右ウィングバックに入りました。

ここまでいい流れで来ていた松江でしたので、この予期せぬ突然の交代には嫌な雰囲気が漂いました。
実際、直後の51分にはその右サイドを崩され、そこからのクロスボールを完全にフリーの古川選手が頭で合わせる、という危ない場面もありました。幸い枠を外れて松江としては事無きを得ましたが、ゴールが決まっていたらそのまま三重に流れを持って行かれていたかもしれません。

しかしながら直後にその嫌な雰囲気を払拭するゴールが松江に生まれます。交代出場の菅本が起点となりました。
53分、菅本は自陣右サイドの深い位置からハーフライン付近の酒井にロングパス。酒井はこれを上手く収めると、自陣から駆け上がってくる田平の動きを良く見て、逆サイドの大きなスペースにボールを供給。追いついた田平はそのまま相手ペナルティエリア内までボールを運ぶと並走してきた川中にラストパス。川中がこれをダイレクトで決めて、松江のリードが2点となります。

2点差を追いかける三重は59分、フォワードの北野選手に代えて望月選手を投入します。

2-0の時間を長く保ちたかった松江でしたが、63分に失点してしまいます。
ペナルティエリア内左の位置から平信選手がグラウンダーのパス。北野選手がつぶれ役となり、こぼれてきたボールを塩谷選手が押し込んでスコアは松江2-1三重

追いつきたい三重は飲水タイム明けの69分、右サイドハーフの平信選手に代えて廣田選手を投入。攻撃的なポジションにフレッシュな選手を入れて攻撃の圧力を強めようと試みます。
この時間帯から終盤にかけては三重がゴール前に迫る場面が多くなります。一方の松江は押されっ放しというわけではないのですが相手陣内までボールを運んでもシュートでの完結ができなくなってきます。

そして三重は82分、フォワードの古川選手に代えて原口選手、ボランチの森主選手に代えて酒井選手を投入して交代枠を使い切ります。これで中盤から前の6人のうち、塩谷選手以外の5人が後半出場というフレッシュな陣容に入れ替わりました。
三重の攻撃には迫力が増し決定機も迎えましたが、シュートがサイドネットをかすめたりクロスバーを叩いたりと僅かなところで枠を外れてしまいます。

松江は90分に酒井に代えて北原、95分に那須に代えて馬場悠と攻撃的な選手を投入しますが、これは点を取るための交代ではなく、疲れの見える選手のところで守備の綻びを招きたくないのと、時計の針を進めて逃げ切りたいという2つの意味をもった交代であったと思われます。

そして6分という長いアディショナルタイムを松江は耐え抜き、2-1のスコアで勝利
松江は昨季2戦2敗を喫した三重から初白星を挙げることができました。

戦評

今季リーグ戦では初めて大きなメンバー変更を試みた実信監督。青森に完敗した前節から今節まであまり時間のない中で、きっちり修正して結果を出したことにまず拍手を送りたいと思います。
一番運動量が要求される左右ウィングバックを代えたこと、前節3失点を喫した3センターバックの中央を代えたこと、無得点に終わった2トップの1枚を代えたこと、いずれも理に適ったスタメン変更だったのではないでしょうか。

初スタメンの選手たちは言うまでもなく、今節スタメン継続となった選手たちも含めてチームの運動量やプレーの切れは前節とは比べ物にならないくらい向上していました。まるでこの1週間はリカバリ中心で疲労を取ることだけに集中していたかのようでした。

初スタメンの選手個々の話をしますと、まず那須はこれまでの途中出場時に比べると存在感がありましたし、ボールに良く絡んでいたと思います。サブより先発向きかもしれません。
佐々木は残念ながらアクシデントで途中交代となってしまいましたが、それまでは全く問題なく右ウィングバックの仕事を全うできていたと思います。
西村は昨季も本職ではない左ウィングバックを務めたことがあり、その時は守備を意識する余り彼の良さである攻撃力が活かせないことが多かったのですが、今回は攻守のバランスが良く、余裕をもってこのポジションを務めている様子でした。
加藤はさすがの存在感でディフェンスラインを破綻なく統率していました。頼れるベテランです。

その他で言うと、酒井・川中のように前できちんと収められる選手がいるのはチームとして非常に助かりますね。
私としては川中はインサイドハーフ向きの選手だと思っているのですが、今節のようなプレーを見せつけられるとフォワードとして前で使いたいという実信監督の気持ちも良くわかるような気がします。

さて次戦は中2日で天皇杯1回戦、そしてその後中3日でアウェイ・テゲバジャーロ宮崎戦とかなりハードな日程になります。
おそらくは天皇杯の方はターンオーバーすると思いますが、下のカテゴリ相手でも油断せずしっかり勝ち上がってもらいたいものです。

-マッチリポート