■第24回日本フットボールリーグ(2022)第6節
FCティアモ枚方 1-0 FC神楽しまね
2022年4月16日(土) 14:30
枚方市立陸上競技場
観客 366人
【得点者】 47分 薬真寺孝弥(枚方)
【警告・退場】 ■ 38分 加倉広海(しまね)
リーグ戦3連敗中のFC神楽しまね。
前節終了時点で自動降格圏の15位まで順位を落としています。
アウェイでの試合ですが何とか勝ち点を加えて連敗を止めたい一戦でした。
スターティングメンバー
FC神楽しまね
前節4-4-2の中盤をダイヤモンド型に変えた神楽しまねは中盤をボックス型に戻しています。
スタメン復帰した田平謙が筒井俊とダブルボランチを組み、佐藤啓志郎が左サイドハーフのポジションに入りました。
また前節までリーグ戦全試合でセンターバックを務めた今村直也がスタメンを外れ、代わって宮内真輝が左CB。下村尚文が右CBにシフトしています。宮内は今季初出場・初スタメンになります。
前節メンバー外だった菅本岳がリザーブで復帰。
そして桃井紳伍が今季初めてメンバー入りしました。
FCティアモ枚方
ティアモ枚方は昨季と同じ4-2-3-1のフォーメーション。
今季ここまでリーグ4位タイの3得点を上げている森本ヒマン選手がリザーブに控えています。
試合経過
メインスタンド向かって右から左に非常に強い風が吹く中、コイントスで勝った神楽しまねはエンドを変え前半風上で戦うことを選択。
しまねは前線から積極的にプレスをかけ、各選手が立ち上がりから非常にアグレッシブにプレーをします。
前節に比べ明らかに前への意識が強く、シュートもどんどん打ってくるしまね。
枚方はしまねに押し込められてなかなか攻撃の糸口をつかむことができません。
ビルドアップに苦戦する枚方はしまねDFラインの裏を狙ってロングボールを入れ状況の打開を図りますが、しまねDFはこれにも落ち着いて対処し、時に相手をオフサイドにかけながら枚方の攻撃を停滞させます。
35分には枚方GKのパスをインターセプトした佐藤啓志郎がそのままGKと1対1になる大チャンスがありましたがシュートはGK木村壮宏選手に防がれ、こぼれ球に反応した加倉広海のダイレクトシュートも再び木村選手に弾き出されるなど、しまねは決定機を得点に結びつけられません。
前半は枚方のシュート0本に対し、11本もシュートを放ったしまね。しかしいずれもゴールとはならず両者スコアレスで後半へ折り返します。
後半、風下になることを思えば前半の押している時間帯に1点でも取っておきたかったしまね。
そのしまねは後半開始早々に思わぬ形で失点します。
47分、しまねのペナルティエリア手前でフリーキックを得た枚方。キッカー・薬真寺孝弥選手の蹴ったボールはGK井上亮太の守備範囲に飛んだかと思われましたが、強風の影響で軌道や速度が変わったのか井上がボールに触れずそのままゴールイン。
枚方1-0しまね。
この試合前後半通じて枚方が初めて放ったシュートがゴールを割ることになりました。
ここからは両者イーブンな展開になり、お互いなかなかシュートを打てない時間が続きます。
先に交代したのはリードしている枚方。
62分、CBの生駒稀生選手に代えてジョアン選手、ボランチの井上翔太選手に代えて森本ヒマン選手を投入。
この交代で森本選手がワントップに入り薬真寺選手がボランチに。トップの位置に居た大垣選手が右サイドハーフに下がったようです。
一方、1点を追う立場のしまねは良いバランスで戦えてると判断したのかなかなか選手交代をしません。
後半飲水タイム明けの74分にようやくしまねが選手交代。
FWの川中健太に代えて遊馬将也、右サイドハーフの髙畑智也に代えて菅本岳を投入します。
すると76分、佐藤が枚方ペナルティエリアの左サイドへ侵入し中央へグラウンダーのパスを折り返し。ここへ飛び込んだ菅本が触れば1点という場面でしたが、枚方DFの今掛航貴選手がかろうじて先にボールに触り菅本は合わせることができません。
79分には遊馬が遠目の位置から思い切りよくゴールを狙いますがボールはクロスバーに弾かれます。
枚方も82分に田平謙のボールをインターセプトし最後は森本選手のシュートまで持って行きますがボールは枠外。
83分、しまねは筒井俊に代えて桃井紳伍を投入。桃井は左サイドハーフに入り、このポジションに居た佐藤がボランチの位置に下がりました。
アディショナルタイム、ゴール前のスペースへ出た浮き球のパスに反応した遊馬がダイレクトボレーを試みますが惜しくもGK正面。
後半は互角の攻防が続く中、最後まで1点を追って攻め続けるしまねでしたが最後までゴールを奪えず枚方1-0しまねで試合終了。
しまねはこれで4連敗。
5試合中3試合が無得点ゲームと得点力不足が解消できません。
感想
全般
無得点には終わりましたが神楽しまねがこの試合で放ったシュートは16本。今季初めて2桁を記録しました。
このようにシュート意識の高さが表れたことはポジティブな要素だったと思います。
試合を通じて選手たちがハードワークしていましたし、特に前半は完全に主導権を握って枚方にシュートを1本も打たれていません。
しかし内容は良くても結果につながらないことがあるのがサッカー。
実際しまねも今季第2節ではクリアソン新宿に14本のシュートを打たれながらもクリーンシートで締めています。
ただ本来なら少なくともドローでは終われた試合でした。不運な失点だけが非常に残念です。
この試合結果に評価ポイントがあるとすればようやく複数失点が止まったことでしょうか。
神楽しまね得意のロースコア勝負で勝ち点を拾う戦い方が戻ってくる兆しかもしれない、と敢えて前向きに捉えたいです。
布陣について
田平が戻ってきたことで中盤は田平・筒井・佐藤・髙畑と長く一緒にプレーしている選手同士の熟成されたセットになりました。
コンビネーションも良かったですし攻守に安定して戦えていたと思います。
当面はこの試合でのスタメンを核に構成しても良いのではないかと感じています。
右サイドバックの松下は前節に続き非常に積極的なプレーを見せてくれましたし、球際の強さ・粘りも申し分なかったです。
松下が右SBに固定されると、この日のように本来は攻撃的な菅本をSBではなくサイドハーフで起用することもできるのでこれも大きなメリットでしょう。
また左CBを務めた宮内。昨季のようなムラがなく無難にプレーできていましたし、大きな声で味方を鼓舞するキャプテンシーも魅力です。左利きのCBは貴重な戦力ですので、このまま安定したプレーでスタメン争いに食い込んでくれればと思います。
次節の対戦相手
次週、島根県サッカー選手権大会決勝(vsベルガロッソ浜田)を挟み、リーグ戦の次節は2022年5月1日(日)、ホームにHondaFCを迎えます。
Hondaは3勝2分け1敗の勝ち点11で現在2位。
神楽しまねの過去の対戦成績は1勝2分け2敗。昨季は島根県立サッカー場でHondaに初勝利しています。
しまねがHondaから勝ち点を奪った試合ではいずれも複数失点をしていません。Hondaの攻撃を首尾よく1点以下に抑えればしまねにも勝機ありです。
神楽しまねがホームで連敗を止め、できればホーム初勝利という形で我々に歓喜をもたらしてくれることを切に祈っております。