マッチリポート(2022年)

【2022 JFL】第16節 FCマルヤス岡崎 vs FC神楽しまね

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■第24回日本フットボールリーグ(2022)第16節

FCマルヤス岡崎 1-2 FC神楽しまね

2022年7月18日(月) 15:00
豊田市運動公園陸上競技場
観客 162人

【得点者】 2分 川中健太(しまね) 63分 ンダウ ターラ(岡崎) 66分 谷尾昂也(しまね)

2022シーズン後半戦のスタートとなるこの試合。

前半戦最下位で折り返した神楽しまねですが、残留圏内である14位・MIOびわこ滋賀、13位・FCティアモ枚方との勝ち点差は「5」。まだ十分射程圏内という状況です。今節、前日までにこの両チームが共に敗戦しているだけに、しまねは勝ち点を積んで何とかその差を縮めたいところ。

今節は前節終了時点で暫定2位に付ける強敵・FCマルヤス岡崎とのアウェイゲームです。

スターティングメンバー

FC神楽しまね

ここ2試合、複数失点の試合が続き、特に前節は4失点と大量失点したこともあってGKが池藤聖仁から井上亮太に替わっています。失点は決して池藤だけの責任ではないのですが、大敗した後だけにチームの雰囲気を変えるという意味でのGK交代とも考えられます。井上は第6節のFCティアモ枚方戦以来、11試合ぶりの出場となりました。

ボランチには通常はCB・SBを務めている馬場将大澤田理玖に代わって起用されています。澤田はリザーブにも入っていないので怪我が心配されます。

そして第14節のMIOびわこ滋賀戦で負傷交代し、前節のラインメール青森戦を欠場した菅本岳がスタメン復帰。長期離脱も懸念されましたが早期に復帰できて何よりでした。

また第8節・ヴェルスパ大分戦以降はメンバー外が続いていた遊馬将也も9試合ぶりにメンバー入りしています。

この試合、実信憲明監督ではなく岸本弘樹コーチが指揮を執ります。クラブからはこの件に関してアナウンスが無いので事情が全く分からないのですが、おそらくは実信監督に体調不良等の突発的なアクシデントがあり岸本コーチの監督代行となったのではないかと推測しています。

FCマルヤス岡崎

岡崎は5日前の7月13日(水)に第9節・ソニー仙台FC戦(代替開催)を戦っています。その時のメンバーから5人を入れ替えました。

チーム得点王の酒井達磨選手、そして7月に横浜F・マリノスから育成型期限付き移籍で加入したばかりのンダウ ターラ選手はしまねが岡崎とホームで対戦した際には不在でした。この二人の得点力はしまねにとって脅威です。

試合経過

試合は開始からいきなり動きます。

2分、しまねのコーナーキックのチャンス。ショートコーナーから菅本が入れたクロスボールを谷尾昂也が頭で擦らすとボールは川中健太の前にこぼれ、これを川中が左足でゴールに蹴り込みしまねが先制。岡崎0-1しまね

早々に先制したしまねでしたが、時間経過と共に岡崎がボールを持つ時間が長くなりしまねは防戦を強いられます。

20分には速攻から最後はンダウ ターラ選手に強烈なシュートを打たれますが、ここはGK井上が好セーブでCKに逃れ得点は許さず。

岡崎の攻撃を受ける時間が長かったしまねですが、クロスボールの対応やシュートコースを空けない守備がうまく出来ており容易に岡崎に決定機を与えません。

前半のシュート数はしまね3本に対し岡崎は5本。

攻められている印象が強かったしまねでしたがシュート数ではそれほど差がつきませんでした。

前半はしまねが岡崎の攻撃を何とか凌いで岡崎0-1しまねのスコアで後半へ折り返します。

後半は両者立ち上がりから一進一退の攻防が続く展開。

56分、下村尚文が自陣から前線にフィードしようとしたボールを酒井選手がカットするとそのまま右サイドの深いところまで侵入し中央の塩谷司選手に折り返し。塩谷選手は決定的なシュートを放ちますが井上がこれを右足一本でセーブ。しまねのピンチを救います。

63分、まずしまねがこの試合最初の選手交代。左SHの川中を下げて髙畑智也を投入します。

その直後でした。

しまねのペナルティエリア内でDFを背負いながら浮き球のボールをコントロールしたンダウ ターラ選手が、ボールをゴール前のスペースへ送り出しながら自らもそこへ抜け出して井上と1対1。最後は井上の股下を抜くシュートを決めて岡崎1-1しまね

ンダウ ターラ選手の一瞬のスキを突いた個人技で岡崎が同点に追いつきます。

しかし、その3分後。

左サイドでボールを受けた髙畑がゴール前にクロスボールを入れると、これを谷尾が右足でしっかり合わせてゴールイン。しまねが追いつかれた直後に勝ち越し点を上げて岡崎1-2しまね。

76分、しまねは馬場に代えて垣根拓也、谷尾に代えて遊馬を投入します。

リードしているしまねは無理に攻撃に人数をかけず、守備ファーストで割り切って守ることを選択。

しまねは84分に加倉広海に代えて堀田佳佑を投入してからは完全に試合を締めにかかり、岡崎の怒涛の攻撃をひたすら跳ね返してリードを死守しようとします。

結局しまねは岡崎の攻撃を最後まで凌ぎ切り、岡崎1-2しまねのスコアでタイムアップ。

5試合ぶりの勝ち点3を獲得したしまねが最下位を脱出し、残留圏内との勝ち点差を「2」に縮めました。

感想

守備の安定

開始早々に先制点を奪ったものの以後は岡崎に攻められ続けたしまね。

しかし複数失点が続いているチームとは思えないくらい今節は守備が安定していました。

1点は失いましたが、これはンダウ ターラ選手の個人技を褒めるべきでしょう。それを除けば井上の好守も光りましたし、DF陣もクロス対応含め集中して良く守っていたと思います。

しまねが守備に回った際の選手の立ち位置が良かったおかげで、岡崎は最終ラインでボールの出しどころを探して苦心しているようで、なかなか攻撃のテンポが上がらないようにも見えました。

試合の最終盤はサイドハーフの菅本をDFラインに下げて5バック気味にし、堀田をワントップに置いた5-2-2-1で守り切ろうとしたわけですが、岡崎相手に狙った通りに守り切れたのはチームの大きな自信につながります。

岡崎にボールは支配されていたもののしまねは闇雲にプレスをかけて奪おうとはせず、持たれても良いところは敢えて持たせていたという印象です。これまでのしまねは何が何でも自分たちがボールを保持してペースを握ろうとしていた感がありました。それ故に今節の戦い方の変化は少し意外でしたし、一方結果が出たことで今後に希望を持てる内容だったとも言えます。

あるいは今回は上位相手のアウェイだったのでこの戦い方にした可能性も。

次節、ホームで順位の近い相手との対戦になりますのでどのように戦うのか注目して見てみたいと思います。

谷尾の決勝ゴール

同点に追いつかれた直後に勝ち越しゴールを上げた谷尾。髙畑のクロスも良かったのですが、右足でしっかり合わせた谷尾も見事でした。

谷尾は今季FC大阪戦でも1点差に追いすがられた後、再び2点差に突き放すゴールを決めており、言わば相手の心を折る貴重なゴールを決められる選手ということになるのでしょうか。

シーズン序盤はなかなかコンディションが上がらなかった谷尾ですが、ここ4試合はスタメンに定着していますしゴール・アシストという結果も出しています。

今季まだ2ゴールというのはもちろん本人にとって不本意な数字でしょう。後半戦の初戦で幸先よくゴールを決められたということで次節以降の得点量産を大いに期待したいところです。

次節の対戦相手

次節は2022年7月24日(日)、松江市陸で16位クリアソン新宿と対戦します。

言うまでもなくJFL残留を争うライバルとの直接対決ですので絶対に負けるわけにはいきません。

開幕試合となったアウェイの新宿戦ではしまねが1-0で辛勝しましたが、井上のビッグセーブやポストが味方してくれることがなかったら勝てていなかった試合でした。

今回も拮抗した試合になると予想されるのですが、ここで負けてしまっては今節岡崎に勝った意味がなくなります。

しまねの選手たちには必勝を期して全力で勝利を実現してもらいたいです。

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