■第24回日本フットボールリーグ(2022)第3節
FC神楽しまね 0-2 東京武蔵野ユナイテッドFC
2022年3月27日(日) 13:00
松江市営陸上競技場
観客 471人
【得点者】 59分 石原幸治(武蔵野) 80分 梁賢柱(武蔵野)
【警告・退場】 ■ 29分 筒井俊(しまね) ■ 51分 遊馬将也(しまね) ■ 65分 石原幸治(武蔵野)
FC神楽しまねにとって2022シーズンのホーム開幕ゲームです。
日陰はまだ若干寒さが残るものの、好天に恵まれサッカー観戦日和となりました。
ホームスタジアム初お目見えの新生・FC神楽しまね。その船出を勝利で飾りたいところです。
スターティングメンバー
FC神楽しまね
前節と同じく4ー4ー2の神楽しまね。
2トップの一角が谷尾昂也から遊馬将也に代わり、左サイドバックが辻川裕介から馬場将大に代わっています。
それ以外のスタメンは前節と同じ。
リザーブに新加入の石川健太、そして山本蓮が今季初のメンバー入りをしています。
東京武蔵野ユナイテッドFC
東京武蔵野も登録表記上は4-4-2ですが、2トップの1枚・澤野康介選手が下がり目の位置でプレーする場面が多く、田口光樹選手をワントップにした4-2-3-1のようにも見えました。
試合経過
序盤、ボールを支配しペースを握ったのは神楽しまね。
しまねの各選手は非常に出足が良く、武蔵野ボールホルダーへのプレッシングも効いて何度も武蔵野陣内へ攻め込んで行きます。
一方の武蔵野はロングボール主体の攻撃で挑んできますが、パスの精度を欠きなかなか攻撃のリズムが出せません。
しまねのアグレッシブな攻撃を武蔵野がファウルで止め、しまねが武蔵野ゴール付近でセットプレーを得るチャンスも幾度かあるなど、立ち上がりは完全にしまねが主導権を握って試合が進行して行きます。
しかし22分にアクシデント。
筒井俊がルーズボールを武蔵野の選手と頭で競り合いに行った際、頭同士が激突して負傷。
試合はこのまま前半の飲水タイムへ。筒井の治療が長引き飲水タイムが明けても試合がなかなか再開されません。
筒井は約7分後にようやく立ち上がり止血のためピッチを離れますが、競り合いに行った際のプレーが危険だったということでイエローカードを提示されてしまいます。
試合が再開されると、長い中断時間中に十分な修正の指示を受けた武蔵野が徐々にボールを持てるようになってきます。
武蔵野がしまね陣内に攻め込み、ゴール前で決定機を迎える場面を作るなど前半飲水タイムを境に試合の様相が一変。
お互い攻め合いましたが、結局前半はしまね0-0武蔵野で折り返します。
後半になると再び立ち上がりからボールを支配し始めるしまね。
しかし武蔵野陣内に攻め込んでも肝心のシュートを打つ場面には至りません。
後半も10分を経過すると次第に武蔵野がボールを保持するようになり、前半機能していたしまねのプレッシングも交わされる場面が増え始めます。
そして59分。
武蔵野の鈴木裕也選手が左サイドから中央にグラウンダーのクロスを送ると後藤京介選手がこれをスルー。中央でフリーになった田口光樹選手のシュートを井上亮太が一度は良く防ぎましたが、こぼれ球に詰めた石原幸治選手にネットを揺らされ武蔵野に先制点。しまね0-1武蔵野。
追いつきたいしまねは失点の5分後に2枚替え。遊馬将也に代えて谷尾昂也、清本将史に代えて澤島輝を投入します。
しかし交代選手になかなかボールを収めることができず、時間経過と共にミスも出始めるしまね。
72分には武蔵野ゴール前に侵入した髙畑智也がゴール右上を狙ったシュートを放ちますが、GK真田幸太選手がしっかりキャッチ。結局後半のしまねのシュートはこの1本のみ。
76分、しまねは再び2枚替え。菅本岳に代えて山本蓮、馬場将大に代えて辻川裕介を投入。
この交代で山本はボランチに入り、ボランチの筒井が右サイドバックにポジションを変えました。
交代選手の投入で攻撃の活性化を図ったしまねでしたが、得点を奪ったのは武蔵野の方。
80分、しまね陣内中央でボールをインターセプトした交代出場の梁賢柱選手が、同じく交代出場の陶山勇磨選手とのパス交換から最後にシュートを決めて追加点。しまね0-2武蔵野。
83分、しまねは島根県出身で島根大学卒の石川健太を髙畑に代えて投入。石川はアグレッシブで印象に残るプレーを披露しますが結局しまねは最後まで得点を奪えずしまね0-2武蔵野で試合終了。
FC神楽しまねはホーム初戦を勝利で飾ることはできませんでした。
感想
失点シーン
武蔵野の先制点の場面は左サイドからのクロスを後藤選手が受けると見せかけてスルー。ここでしまねの選手3人が全員後藤選手に釣り出された格好になり、完全に中央の田口選手をフリーにしてしまいました。
さらに田口選手のシュートを井上が一度は良く止めたものの、こぼれ球をクリアに行った菅本が背後から狙っていた石原選手に気付かなかったと見られ、余裕を持ちすぎてボールをさらわれてしまっています。
また2失点目の場面も最終ラインから今村直也がつなごうとしていたボールを背後から梁選手にインターセプトされショートカウンターを受けたもので、いずれの失点も小さなミス(=集中力の欠如)がきっかけとなって起こってしまいました。
昨季、粘り強い守備を武器に大きく躍進したしまねにとって守備に綻びが出てしまうとやはり厳しい。
特にこの武蔵野戦、試合トータルで僅か3本しかシュートを打てていない状況であればなおさら守備がしっかりしないと勝ち点は取れません。
もっとも今のところフォーメーション変更に起因する失点では無いように見えるので、もう一度各選手が「気持ち」の部分をしっかり持って強固な守備を取り戻してもらいたいものです。前節のクリアソン新宿戦ではその守備ができていましたから。
東京武蔵野ユナイテッドについて
昨季はギリギリのところで入れ替え戦を回避してJFL残留を果たした東京武蔵野ユナイテッドFC。
今節の試合を見る限り昨季の不振がまるでウソのようであり、勝負強い武蔵野が帰ってきたという印象です。
昨季は東京武蔵野シティFCと東京ユナイテッドFCの事実上の合併元年であり、異文化が混在する中で諸々上手く行かないこともあったのでしょう。
今季は合併2年目となるJFLで、さらに横河武蔵野FC時代に監督を務めていた依田博樹氏が監督に就任したことでチームの「一体感」が増しているように感じられました。
これで開幕3戦を2勝1分と好スタートし、現在2位の位置に付ける武蔵野。
同じく好調のFCマルヤス岡崎と共に、新門番としてJリーグを目指すクラブの壁となって立ちはだかるかもしれません。
次節の対戦相手
次節は2022年4月3日(日)、アウェイでホンダロックSCと対戦します。
昨季入れ替え戦を制してJFL残留を果たしたホンダロック。ここまで1分2敗と勝ちがありません。
しかし昨季と同じチームだと侮って試合に臨めば当然手痛いしっぺ返しを食らうでしょう。
神楽しまねとしては慎重に試合を進めつつ、とにかく連敗だけはしたくない一戦です。
アウェイでの試合ですが何とか勝ち点を奪取して島根に帰ってきて欲しいところです。