■第24回日本フットボールリーグ(2022)第14節
FC神楽しまね 2-2 MIOびわこ滋賀
2022年7月3日(日) 15:00
島根県立サッカー場
観客 351人
【得点者】 8分 佐藤啓志郎(しまね) 37分 オウンゴール(しまね) 62分 榎本大輝(滋賀) 74分 武田航太郎(滋賀)
【警告・退場】 ■ 44分 加倉広海(しまね)
2022シーズンに3試合割り当てられていた益田市・島根県立サッカー場での試合もこの日の第14節で最後となりました。
対戦相手は13位と下位に位置するMIOびわこ滋賀。
目下最下位の神楽しまねとすれば残留を争う下位チームからしっかり勝ち点を奪い、降格圏からの早期脱出を図りたいところです。
スターティングメンバー
FC神楽しまね
前節は前半に筒井俊が負傷し今村直也と交代。その交代後のメンバー・フォーメーションで神楽しまねはスタートです。
また前節は今季初めて髙畑智也がメンバー外となりましたが、その髙畑がリザーブメンバーに戻ってきています。
MIOびわこ滋賀
MIOびわこ滋賀は4-2-3-1のフォーメーション。
前節、4失点で大敗したFC大阪戦から1名の選手を入れ替え。左CBを中西樹大選手から角田俊選手に代えています。
試合経過
立ち上がりは両者ロングボールの蹴り合いからスタートし、なかなかボールが落ち着きませんでしたが、4分に谷尾昂也のヘディングシュートがクロスバーを叩くなど徐々にしまねがペースを握り出し滋賀陣内へ攻め込む回数を増やして行きます。
すると8分、左サイドから川中健太がペナルティエリア内にボールを持ち込み佐藤啓志郎に折り返し。佐藤のシュートは味方の谷尾に当たって跳ね返りますが再びこのボールを佐藤がボレーで決めてしまねが先制。しまね1-0滋賀。
佐藤の今季初ゴールでしまねが幸先良く試合開始早々に1点をリードします。
その後もしまねはボールを長く保持し、滋賀にプレスをかけられても冷静にこれを剝がすなど落ち着いた対応で滋賀に攻め手を与えません。
14分には加倉広海のクロスを受けた谷尾のシュートが惜しくも外れ、33分には川中のゴール右隅を狙ったシュートが僅かにバーを越えるなど追加点の気配も十分漂ってきたしまね。
そして37分、しまねのコーナーキックの場面。
澤田理玖が蹴ったボールを滋賀のGK池上尚孝選手がパンチングで弾き出しますが、弾いたボールが味方の選手に当たってそのままゴールイン。オウンゴールでしまね2-0滋賀と思わぬ形でしまねがリードを2点に拡げます。
41分にはGK池上選手のパスをインターセプトした谷尾がそのままガラ空きのゴールを狙ってシュート放ちますがボールは枠外。
前半はしまね2-0滋賀のスコアで後半へ折り返します。
2点を追う滋賀は後半開始から選手を2人交代。FWの山内達朗選手を小口大司選手に、右SBの齋藤圭汰選手を西口諒選手に代えます。
後半になると滋賀のボール保持率が高くなり、しまねが自陣に押し込められる時間が長くなって来ます。
しまねは後半開始から15分は何とか耐えていたものの61分に失点。
しまねの右サイドでパスを受けた榎本大輝選手がそのままドリブルで中央に持ち込み、ペナルティアーク内からミドルシュートを放つとこれがゴール右隅に決まって滋賀が1点を返します。しまね2-1滋賀。
しまねは後半飲水タイムのタイミングで最初の選手交代。FWの谷尾に代えて堀田佳佑を投入します。
その後も滋賀の攻撃は止まることが無く、迎えた74分でした。
滋賀のボランチ・國領一平選手が左サイドの榎本選手にボールを預けると、高い位置を取っていた左サイドバックの武田航太郎選手がするすると前線に上がっていきます。しまねの選手は誰も武田選手をマークすることができず、再び榎本選手からパスを受けた國領選手が前線に浮き球のボールを送るとフリーの武田選手がこれを頭で合わせてゴール。しまね2-2滋賀と滋賀が同点に追いつきます。
追い付かれたしまねは77分、右SBの澤島輝に代えて髙畑を投入。髙畑は右SHに入り、菅本岳が右SBの位置に下がります。
86分、その菅本にアクシデント。しまねの左サイドから入れられたクロスボールに対応しようとした際、相手選手と交錯。菅本はその場に倒れ込んだまましばらく起き上がることができず、そのまま負傷交代。代わって佐々木健人が右SBに入りました。
両者勝ち越し点を狙って攻め続けましたが双方のGKの好守もあり最後まで均衡を破れずしまね2-2滋賀で試合終了。
ホームで2点先行したしまねとしては非常に手痛い勝ち点「1」となってしまいました。
感想
危険なスコア
「2-0は危険なスコア」とは巷間良く言われることですが、実は昨季も神楽しまね(松江シティFC)は第21節でラインメール青森と対戦した際、前半2-0で折り返しながら後半に3失点し2-3で逆転負けをしています。
同点に追いつかれた際には昨季のこの悪夢の記憶が甦りましたが、逆転を許さなかったのはある意味不幸中の幸いだったと言えるのかもしれません。
後半開始から二人を代えて圧をかけてきた滋賀に対し、しまねが受け身になってしまったというのはあったかと思います。
本来であれば前半のようにマイボールにしたら丁寧にパスをつないで滋賀のプレスを交わし、リードを保ちながら時計の針を進める、という戦い方ができれば良かったのですが、後半のしまねは焦って前線にロングボールを放り込んでは失うという場面が目立ち主導権を完全に滋賀に握られてしまいました。
なかなか勝てないという心理面での弱気な部分がチーム全体に伝播し、無意識に守りに入ってしまったのでしょうか。
高い授業料になってしまいましたが、これを教訓に同じ過ちを繰り返さないようチームとして成長してもらいたいものです。
怪我人
今節も前節に続いて怪我による負傷退場者が出てしまいました。
前節の筒井にしても今節の菅本にしても、あれがなければ失点と言う決死のプレーでしたので殊勲の負傷とも言えますが、長期離脱となるような怪我でないことをただ祈るばかりです。
幸い菅本は歩いてベンチに引き上げていたので大怪我ではないかもしれません。
クラブから発表があった長期離脱者も発表のないサイレント離脱者も、まずは治療・完治が最優先なのは当然ですが、できるだけ早く戦列に復帰して窮地の神楽しまねを救って欲しい。心からそう思います。
次節の対戦相手
次節は2022年7月10日(日)、アウェイでラインメール青森と対戦します。
青森は現在5勝5分け4敗の勝ち点20で8位。
過去の対戦成績はしまねの1勝1分け3敗であまり相性の良くない相手です。
この青森戦がリーグ戦の前半戦最後の試合。
非常に厳しい戦いになることが予想されますが、前半戦の最後を締め括るに相応しい良い内容の試合を期待します。そして願わくば勝ち点を奪取して帰ってきて欲しい。
神楽しまねの健闘を祈ります。