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【2021 JFL】第27節 松江シティFC vs MIOびわこ滋賀

2021年10月26日

プロモーションを含みます

試合前整列

2021 JFL 第27節
松江シティFC 1 ー 0 MIOびわこ滋賀
2021年10月24日(日) 13:00 Kick off
松江市営陸上競技場
観客 406人

約1ヵ月ぶりに松江市陸に戻ってきた松江シティ。

前節、Honda FCに1-4と大敗したイヤな雰囲気を払拭するために良い結果が求められるこの試合。

気温は少々低めでしたが秋晴れとなった青空の下、ナカバヤシ様のサポーティングマッチとして試合が開催されました。

スターティングメンバー

松江シティFC

松江シティスタメン

前節、主将の垣根拓也が前半終了間際に負傷退場。診断の結果、右膝前十字靭帯損傷・右膝内側半月板損傷全治9ヵ月の重傷だったことが判明しました。

復帰は早くても2022シーズンの後半戦以降になると思われますので、松江シティは長期間に渡りチームの心臓であり精神的支柱でもあるキャプテンを欠いて戦わなくてはなりません。

今節は垣根に代わって筒井俊がボランチの位置に入り、佐藤啓志郎とコンビを組みました。

右のCBにはこのポジションでは今季初スタメンとなる佐々木健人が起用されています。

MIOびわこ滋賀

滋賀スタメン

MIOびわこ滋賀は前回対戦時は昨シーズンの得点王・坂本一輝選手を1トップに置いた4-2-3-1でしたが、今節は4-4-2のフォーメーションを組んできました。

前節スタメンだった坂本選手は、この試合サブメンバーからも外れています。

試合経過

前半

お互いが相手の出方を探りながら慎重な立ち上がり。

序盤は中盤でのせめぎ合いが続き双方シュートチャンスもなかったのですが、徐々に滋賀が松江を押し込む展開に。

12分には滋賀がコーナーキックからドンピシャのヘディングシュートを枠に飛ばし、会場から悲鳴が上がりますがここはカバーに入っていた泉宗太郎がナイスクリア。

その後も松江は自陣に押し込まれ、ボールを奪ってマイボールにしても滋賀のプレスの前にビルドアップがままならず、なかなかボールを前に運べません。

松江はミスが絡んでピンチを迎える場面も散見され、前半飲水タイムまではいいところなく滋賀に封じ込められた格好になりました。

しかし飲水タイム明けからは今度は逆に松江が滋賀を押し込むようになります。

序盤に比べ陣形がややコンパクトになった松江は選手間の距離が良くなってパスが回り出し、滋賀のプレスも剥がせるようになりました。

松江は長短のパスを左右に散らしながら滋賀のスペースを突こうとしますが、滋賀も最後のところは松江の自由にさせず、しっかりと守り続けます。

結局前半のシュート数は松江2本、滋賀1本。お互いなかなかフィニッシュに至らぬまま前半をスコアレスで終え、後半へと折り返します。

後半

後半開始からまず滋賀が選手交代。

左サイドハーフの長谷川覚之選手に代えて松本翔選手が投入されます。

後半も立ち上がりは松江のペースで滋賀陣内での時間が続きますが、後半のファーストシュートは滋賀。

49分、松江ゴール前のルーズボールにいち早く反応した松本選手がシュートを放ちますが僅かにクロスバーの上。

52分にはお返しとばかりに松江のコーナーキックの流れから佐藤啓志郎がミドルシュート。しかしこれはクロスバーに阻まれます。

53分、滋賀陣内の中央付近でルーズボールを拾った遊馬将也の意表をついたロングシュートが僅かにポストの左に。

直後の54分、松江のパスミスで得たボールが逆サイドでフリーになっていた嘉茂選手まで渡りますが、嘉茂選手のシュートはサイドネットの外側に外れ得点ならず。

56分、滋賀がショートコーナーから強烈なミドルシュートを放つと、これをGK井上亮太がファインセーブでしっかりキャッチ。

この時間帯は前半とは打って変わって双方がシュート打ち合う展開となりました。

松江は58分に最初の選手交代。

ワントップの遊馬に代えて伊能玲生、セカンドトップの川中に代えて加倉広海を投入し前線の活性化を図ります。

攻撃の圧力を強めたい松江でしたが、ここからは前半同様やや膠着した状態になりお互いにシュートチャンスがなくなってしまいます。

ただボールを保持する時間は松江の方が長く、松江ペースともいえる状況ではありました。

そこで後半飲水タイム明けの70分に松江はさらに選手交代。右CBの佐々木健人に代えて久しぶりの出場となる山本蓮を投入します。

この交代でボランチの筒井俊が右CBに下がり、山本がボランチのポジションに入りました。

73分には滋賀が右サイドハーフの嘉茂選手に代えて山内達朗選手を投入。

両チーム選手交代をしても膠着した状況にしばらく変化はなかったのですが、78分、松江のゴール前のスペースに滋賀の竹下選手が上手く抜け出すと左足でシュート。決定的な場面でしたがボールはポストに弾かれ松江は命拾いをします。

80分にも滋賀の小口選手に強烈なミドルシュートを打たれるなど滋賀に押されだした松江は81分に最後の選手交代。

左のセカンドトップ・髙畑智也に代えて那須甚有、左ウィングバックの泉宗太郎に代えて桃井紳伍を投入します。

するとドロー決着も見え始めた87分。

桃井のスローインを胸トラップで受けた那須が再び浮き球のパスを桃井に送ると、桃井は左サイドから逆サイドに正確なクロスボールを供給。これを加倉広海がきっちり頭で叩きこんで松江シティに先制点。松江1-0滋賀

直後の88分、滋賀のコーナーキックから被決定機を迎えますがシュートは井上が弾きだして松江はピンチを脱します。

アディショナルタイムの滋賀の猛攻にも耐え、しっかり時計の針を進めるプレーをやり切った松江は結局松江1-0滋賀で勝利し連敗することなく、ホームの観客の前で勝利を飾ることが出来ました。

戦評

無失点もしくは最小失点で凌ぎつつロースコア勝負に持ち込み、終盤の1点で勝ち点を奪取する今季の松江シティを象徴する試合となりました。

そしてその最終盤の1点で松江に勝ち点3をもたらしたのは、またもや加倉広海

加倉は今季前半戦、なかなか出場機会がなかったのですが後半戦になってから徐々に出場機会を増やし、今節・前々節としっかり結果も残すようになりました。

試合途中から出場すると豊富な運動量でピッチを縦横無尽に駆け回り、守備のタスクもしっかりこなす。こういう選手がスーパーサブとして控えていてくれるとチームは本当に助かります。

また決勝点は左サイドからのスローインが起点になっているのですが、このスローインは途中投入直後の桃井紳伍・那須甚有の左サイドからの崩しがきっかけになっており、決勝点自身もこの二人のアシストから生まれています。

まさに実信憲明監督の采配がズバリ的中したと言うところでしょう。

桃井は今季の出場機会はそれほど多くはないのですが、同じく途中出場した第4節のFCティアモ枚方戦でも終盤に伊能玲生の同点弾をアシストするなど、短い出場時間でしっかり結果を残しています。

今後も好パフォーマンスを発揮し続ければ、松江シティの貴重な武器として重宝されるようになっていくことでしょう。

さて、垣根拓也不在となったCMFのポジションですが、この日は筒井俊佐藤啓志郎とダブルボランチを組むことでまずは破綻なく対処できていたように感じました。

前節Honda FC戦では垣根離脱後の後半、守備が崩壊して大量失点を重ねてしまいましたが、今節はその問題が解消され攻守のバランスが上手く保たれていたように思います。

Honda戦でも後半から今節のメンバー構成にすることはできましたし、むしろそうするだろうと予想していたのですが、実際はなぜか髙畑智也をボランチにするという選択。

その意図は実信監督に実際聞いてみないとわかりませんが、ともあれ当面は筒井・佐藤のボランチコンビでいけそうだという感触が今節得られたのは収穫でした。

ただ、まだ1試合戦っただけですので、次節以降も安定して戦えるかは今後もしっかりと見極める必要はありそうです。

次節の対戦相手

次節は10月30日(土)、アウェイでヴィアティン三重との対戦です。

試合会場の朝日ガスエナジー東員スタジアム(アサスタ)は今年の全国地域サッカーチャンピオンズリーグ・一次ラウンド(グループA)の会場です。

今節のヒーロー・加倉広海や現在怪我などで戦線離脱中の馬場悠・加藤秀典の古巣である三重。

また元松江シティの酒井達磨選手が所属しているチームでもあります。

酒井選手には絶対に恩返し弾を浴びたくないですし、逆に加倉には是非とも恩返し弾を決めて欲しいところ。

お互いに縁のある選手が所属しているチーム同士、非常に楽しみな一戦です。

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