松江シティFC 1-0 東京武蔵野ユナイテッドFC
2021年 8月29日(日) 15:00 Kick off
島根県立サッカー場
観客 270人
約1ヵ月の中断期間が明け、いよいよJFLが再開しました。
松江シティは前節試合なしでしたので、今節が中断明け最初の試合となります。
幸先よく再スタートするためには勝利が欲しい一戦です。
今シーズン2度目となる益田市での試合。高橋建設株式会社様のサポーティングマッチです。
試合前にはJFL通算100試合出場を達成した馬場将大選手の記念セレモニーが実施されました。
スターティングメンバー
松江シティFC
松江シティは中断前最後のソニー仙台FC戦と全く同じスタメンです。
ただリザーブメンバーが2人変更されており、ソニー戦でメンバー入りしていた佐々木健人・桃井紳伍に替わって辻川裕介・加倉広海がサブに入りました。
東京武蔵野ユナイテッドFC
東京武蔵野ユナイテッドとは第8節にアウェイで対戦していますが、その時にスタメン出場していた選手は今回4人しかいません。
リザーブメンバー含めた18人中10人が第8節にはメンバー外だった選手で、フォーメーションは4-4-2と変わりませんが、メンバーはガラリと様変わりしています。
試合経過
前半
開始早々の1分に髙畑智也が左サイドから武蔵野のゴール前に侵入しシュートを放ちますが、これはGK西岡選手に防がれます。
4分に今度は武蔵野がロングパスを前線の伊藤光輝選手に通しシュートまで持って行くシーンがありましたが、井上亮太が左手1本でコースを変えゴールを許しません。
松江は後方から丁寧にボールを繋いでビルドアップを図り、武蔵野は素早いカウンターを主体に攻撃を仕掛けて行きます。
16分には左サイドで髙畑が粘って中央に送ったパスを遊馬将也が拾ってシュート。ゴールネットを揺らしますが、これはオフサイドの判定。
その後も18分、21分と枠を捉えたシュートを放った松江でしたが、いずれもGK西岡選手のほぼ正面。
26分には武蔵野のカウンターを受け、左サイドを完全にフリーにしてしまう危ない場面を作られた松江でしたが、川戸選手の放ったシュートを井上がしっかりキャッチし難を逃れます。
前半飲水タイム明けからはやや膠着した状況になり、お互いになかなかシュートシーンを作れません。
そんな中、武蔵野は松江陣内でロングスローを試みる機会が多くなり、センターライン寄りの少々遠い位置からでも松江ゴール前にどんどんボールを放り込んで活路を見出そうとします。
前半アディショナルタイム。
武蔵野のゴール前に侵入しようとドリブルを仕掛けた川中健太が武蔵野の選手のファウルを受けて転倒。松江はゴール正面の位置でフリーキックのチャンスを得ます。
キッカー・川中が蹴ったボールは壁を越えて枠を捉えますが、西岡選手がこれを好セーブで弾き出し松江は得点ならず。
直後に前半終了の笛が鳴り、両者スコアレスで後半へと折り返すことになります。
後半
後半になると「前半は敢えて抑えていたのか」と思うくらいに松江シティの運動量が上がり、武蔵野陣内にスピーディーに攻め込んで数々の好機を作ります。
53分には左サイドから佐藤啓志郎→髙畑→川中とパスを繋ぎ、最後は川中が相手を巧みに交わしながらいい形でシュートに持ち込みますが、ボールはクロスバーを越えて枠外へ。
続く54分、垣根拓也がペナルティエリア手前からミドルシュートを放ち、GKが弾いたところに遊馬が詰めて押し込もうとしますが上手く足にヒットせず、ボールが枠内に飛びません。
56分、髙畑のスルーパスに菅本岳が反応し、ボールに追いつけばGKとの1対1という場面でしたが僅かに追いつかずチャンスを逃します。
58分には髙畑が54分の垣根と同じような位置からミドルシュートを放ちますが枠を捉えられません。
後半立ち上がりから押し気味に試合を進める松江に対し、武蔵野は流れを変えようと61分に最初の選手交代。
伊藤光輝選手に代えて伊藤大佑選手、本田選手に代えて時里選手とFWの2枚を同時替え。
この交代が功を奏し、武蔵野は前線からのプレスが効くようになり松江はなかなか前にボールを運べなくなり、武蔵野が松江陣内でボールをキープする時間が増え始めます。
70分には武蔵野のコーナーキックからの波状攻撃を受け、危ない場面があった松江でしたが、ディフェンス陣が相手のシュートコースに身体を入れて必死に失点を回避。
飲水タイム明けの72分に松江は最初の選手交代。
左WBの菅本に代えて澤島輝、右IHに回っていた髙畑に代えて田平謙を投入します。
また武蔵野も同じタイミングで右SHの川戸選手を都丸選手に替えました。
そして迎えた82分。
右サイドから筒井俊がゴール前にクロスボールを供給すると、これを澤島がゴール前のスペースに頭で送り、ここへ飛び込んできた川中がダイレクトで合わせて松江に先制点。
川中の今季4得点目となるゴールが決まり、松江1-0武蔵野となります。
この得点の直後に松江はFWを2枚替え。
川中に代えて加倉広海、遊馬に代えて伊能玲生を投入します。
武蔵野は85分に最後の選手交代。
CBの西山選手に代えて小松﨑選手、左SHの小野寺選手に代えて金田選手を投入。
最終盤には武蔵野にゴール前のシーンを多く作られ、アディショナルタイムにはペナルティエリア手前の好位置でフリーキックを与えるなどピンチの連続だった松江でしたが、守備陣が集中を切らすことなく最後まで川中の決勝点を守り切り松江1-0武蔵野で勝利。
中断明け最初の試合を幸先よく勝利で飾った松江はこれで6戦負けなしとなり、順位を2つ上げて7位に浮上しました。
戦評
東京武蔵野ユナイテッドとは過去4試合いずれもロースコアで終わっており、互いに2点以上取った試合がありません。
今節もおそらくは1点勝負になると予想していましたが、その予想通り松江がウノゼロで勝利し、この試合もロースコアで決着しました。
今季これで松江の無失点試合は6試合、1-0勝利の試合は4試合になります。
完全に「堅守が武器」のチームに変貌したという印象です。
下村尚文を中心とした3バックは昨季のようなつまらないミスがなくなり、かつては苦手としていたクロスボール対応も的確なポジショニングで隙がなくなりました。
各選手がゴール前の最後のところで身体を張る泥臭い粘りも見せますし、今や松江シティの守備に関しては盤石という言葉が最初に浮かぶくらいです。
これで過去勝利がなかった武蔵野から初めて勝利を挙げた松江ですが、この試合、前回益田市開催時のHonda FC戦と結果が非常によく似ています。
・スコア1-0で勝利
・得点者が川中健太
・得点時間がHonda戦は83分、武蔵野戦は82分
・対戦相手に初勝利
そして次の益田市開催は10月3日で対戦相手は首位・いわきFC。
いわきFCからは勝ち点すら挙げたことがない松江シティが、もし終盤に川中のゴールで1-0で初勝利を収めたとしたら、新たに「益田不敗伝説」なるものが誕生するかもしれませんね。
次節の対戦相手
次節は9月4日(土)アウェイでラインメール青森との対戦です。
残念ながらこの試合、コロナ禍によりリモートマッチになると先日JFL事務局から発表がありました。
当初の試合会場・施設がコロナ対応で一時閉館になったとの情報もあり、会場を変えての開催となるでしょうが、リモートマッチということで会場名は非公表になる可能性が高いです。
青森とのホームゲームでは松江が早い時間に先制したにも関わらず、すぐにオウンゴールを献上し、その直後には逆転弾を浴びて結局1-2で敗戦してしまいました。
この逆転勝利をきっかけにそれまで不振にあえいでいた青森は息を吹き返し、今や4位枚方と勝ち点差2の6位まで順位を上げています。
J3参入のための4位以内が見えてきた青森とのアウェイゲームは厳しいものになるのは間違いないですが、松江としては逆転負けしたホームゲームの借りをきっちり返したいところ。
当日は期待を込めてモニター前に陣取りたいと思います。