松江シティFC 1-1F.C.大阪
2021年 9月 11日(土) 14:00 Kick off
松江市営陸上競技場
観客 343人
中断明け最初のホームゲームを益田市の島根県立サッカー場で戦った松江シティが約1ヵ月半ぶりに松江市陸に帰ってきました。
前節、ラインメール青森相手に2点のリードから思わぬ逆転負けを喫した松江シティ。
連敗だけは何としても避けなければならない一戦です。
スターティングメンバー
松江シティFC
松江シティはこれで4試合連続同じスタメンです。
ただフォーメーションを3-3-2-2から遊馬将也をワントップに置いた3-4-2-1に変えています。
前節も時間帯によっては3-4-2-1にしていましたし、今季は両方のフォーメーションを状況に応じて使い分けているのが目立ちます。
リザーブには久しぶりに松下大祐と山本蓮が入りました。
F.C.大阪
F.C.大阪は4-4-2のフォーメーション。
前半戦アウェイで対戦した時と比べると守備的なポジションの選手はあまり変わっていませんが、攻撃側の選手が様変わりしています。
試合経過
前半
試合開始からボールを保持する時間が長く、敵陣に攻め込む回数も多い松江シティ。
しかしF.C.大阪はゴール前に人数を割いてしっかり守り、松江のシュートを許さず。
一方でF.C.大阪の攻撃はというと、マイボールにしてもなかなか前に収まらず、効果的な攻撃を繰り出すことができません。
お互いにゴール前のシーンが乏しく、前半飲水タイムまでのシュート数は共に0本。
序盤は双方が我慢比べのような状況が続きます。
飲水タイム明けの25分には松江が波状攻撃を仕掛け、ようやくシュートも生まれますが枠内にボールが飛びません。
ボール支配率では上回る松江でしたが、最初にビッグチャンスを迎えたのはF.C.大阪でした。
34分、町田選手がセンターライン付近で松江のパスをインターセプトし川西選手に送ると、川西選手がドリブルでペナルティエリア内まで持ち込みゴール前に駆け上がってきた町田選手にラストパス。
町田選手は反転しながらフリーでシュートを放ちますが、ここはGK井上亮太が左手一本で弾き出しチームを救います。
そして前半も終盤に差し掛かり、このままスコアレスで折り返すかと思われた44分でした。
F.C.大阪の和田選手が中央に入れたクロスボールをカットに行った馬場将大でしたが、足に当たったボールが自陣のゴールに吸い込まれオウンゴール。
ポゼッションでは優位に立っていた松江が先制点を許してしまいました。
結局前半は松江0-1F.C.大阪と、松江が1点のビハインドを負って後半へ折り返すことになりました。
後半
後半立ち上がりはF.C.大阪の前からのプレスが効き、松江は前半のように余裕を持ったボール回しができなくなります。
51分には松江のコーナーキックの流れからF.C.大阪のカウンターを受け、あわや追加点献上かと言う危ないシーンがありましたがシュートが僅かに枠を外れて松江は事無きを得ます。
追いつきたい松江は59分に右CBの宮内真輝に代えて澤島輝を投入。
この交代でいつものように右ウィングバックの筒井俊が右CBに下がり、筒井が務めていた右WBに澤島が入りました。
追加点が欲しいF.C.大阪も同じタイミングで2枚替え。
オウンゴールを誘発するクロスを入れた左サイドハーフの和田選手を久保選手に代え、FWの川西選手を大山選手に代えてきました。
双方とも選手交代後はリズミカルなパス回しをベースに攻撃面で一定の効果が見られましたが得点を奪うまでには至らず。
すると69分、リードしているF.C.大阪の方がさらに2枚替えを敢行。
左サイドバックの齋藤選手に代えて舘野選手、ボランチの町田選手に代えて前田選手を投入します。
その2分後の71分には松江が2枚替え。
ワントップの遊馬に代えて伊能玲生、セカンドトップに入っていた川中健太に代えて田平謙を投入。
田平はこれでJFL通算100試合出場の記録達成です。
この交代で田平をボランチに入れて佐藤啓志郎を1列上げるのかと思いましたが、田平はそのまま川中のポジションでプレーを行いました。
両チームが目まぐるしく選手交代を行う中、迎えた73分。
自陣からのロングパスを上手く収めた伊能が田平にボールを預け、これを田平が澤島に送ると澤島はそのまま右サイドをドリブルで駆け上がりファーサイドにクロスボールを供給。
逆サイドに開いていた髙畑智也が倒れ込みながらこのボールを左足でダイレクトに叩くとゴール右隅に決まって松江1-1F.C.大阪。
松江がついに同点に追いつきます。
J3参入のためにはどうしても勝利が欲しいF.C.大阪は78分にFWの木匠選手に代え塚田選手を投入。
松江も86分に同点ゴールを決めた髙畑を下げ山本を投入します。
両者とも勝ち越し点を狙って最後まで攻め合いますが、お互い守備陣がしっかり踏ん張って得点を許さず、結局松江1-1F.C.大阪でドロー。
松江は何とか連敗だけは免れました。
戦評
前半、やや優位に試合を進めていた感のあった松江でしたが、前半終了間際にカウンターからオウンゴールで失点。
失点の時間帯も取られ方も非常に良くなかったにも関わらず、松江は後半気持ちが折れることなく良く追いついたと思います。
もっとも今季は先制されても追いついたゲームがこれで5試合目ですから、選手たちも「複数失点さえしなければ追いつける」という確固たる自信を持ちつつあるのでしょう。
欲を言えば追いついた勢いで一気に逆転に持って行きたいところですが、実は今季の松江シティはまだ逆転勝ちがありません。
現在は堅い守備をベースにロースコア勝負で勝ち点を積み上げることができているので、得点力に頼って試合をひっくり返す強さはそこまで求められてはいませんが、いずれそうしたタフさも必要にはなってくると思われます。
例えばこの試合の同点ゴールの場面。シンプルにロングボールを前線に供給したところからチャンスが生まれたように、パスを繋いで崩すことばかりに捉われず、パワー系の攻撃パターンも試合の中で何度も試して攻撃のバリエーションを増やして行けば自ずと得点力も上がってくることでしょう。
松江シティの得点能力のポテンシャルは高いと思っていますので、攻撃に関しては攻守のバランスを崩さない程度にもうひと工夫して一皮剥けてくれたらと思います。
次節の対戦相手
次節は9月18日(土)、鈴鹿ポイントゲッターズとのアウェイゲームです。
浜山でのホームゲームでは先制されたものの追いつき、1-1の引き分けに持ち込みました。
鈴鹿は三浦泰年監督就任後の第18節以降ここまで4勝1分と負けがなく、前節はHonda FCを撃破するなど目下絶好調です。
厳しい試合になることが予想されますが、JFL昇格同期対決ですので松江シティは何としても意地を見せたいところですね。
なおこの試合はリモートマッチ(無観客試合)で開催されることが決定しています。
試合会場に行けないのはとても残念ですが、モニターの前でしっかり試合を見届けようと思います。