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【2021 JFL】第34節 松江シティFC vs ホンダロックSC

2021年12月7日

プロモーションを含みます

試合前キックイン

2021 JFL 第34節
松江シティFC 2 ー 1 ホンダロックSC
2021年12月 5日(日) 13:00 Kick off
松江市営陸上競技場
観客 426人

前節の試合結果により今季8位以上が確定した松江シティ。目標の1桁順位は達成しましたが、ひとつでも上の順位で今季を終わるために最終戦も勝利を目指したいところ。

対するホンダロックは入れ替え戦圏内の16位に位置し、この試合最低でも勝利しない限り入れ替え戦行きが決定してしまいます。

松江シティは来季から「島根」もしくは「しまね」を冠したクラブ名に変更されることが決定。この日は「松江シティFC」として戦う最後の試合となりました。

スターティングメンバー

松江シティFC

松江シティスタメン

松江シティは前節・FC刈谷戦と同じスタメンです。

前節は最大で7人登録できるリザーブメンバーを1人少ない6人登録して臨みましたが、その6人が今節もそのままメンバー入りし、さらにここに遊馬将也が加わりました。

ホンダロックSC

ホンダロックスタメン

ホンダロックは前回対戦時と同じ4-4-2のフォーメーション。メンバーもその時と大きくは変わっていません。

前節・ヴェルスパ大分戦からはCB1枚と右SHの2名を変えています。

試合経過

前半

立ち上がりからお互いが探り合いでなかなかボールが落ち着かない中、開始6分、左サイドでボールを受けた馬場将大が中央に速いクロスボールを入れると、これを田平謙が左足でダイレクトにゴールへ蹴り込み松江シティ先制。松江1-0ロック

幸先よく先制した松江が以後ボールを支配する時間が長くなり、流れるようなパスワークを繰り出してはロックを攻め立てるようになってきます。

19分にはペナルティエリア手前の位置でフリーキックのチャンスを得た松江。髙畑智也の蹴ったボールを伊能玲生が完璧なタイミングで頭に合わせますが、GK中山拳一選手の好セーブに阻まれてしまいます。

25分にロックがこの試合最初のシュートを放つと、ここからロックが徐々にボールを持てるようになってきます。

30分前後からは松江が守備に追われる場面が目立つようになり、セカンドボールもルーズボールもロックが拾ってシュートに持ち込む回数が増えてきました。

松江ペースで始まったこの試合も次第にロックに流れが傾き、前半を終えてのシュート数は松江3本、ロック4本とロックが上回りましたがスコアは松江1-0ロックと松江が1点リードして後半へ向かうことになりました。

後半

ハーフタイムでリセットして後半はリズムを取り戻したかった松江でしたが、後半も立ち上がりからなかなかボールをキープできず効果的な攻撃につながりません。

50分を過ぎたあたりからロックが攻撃の圧力を強めて松江陣内に攻め込むようになり、迎えた53分でした。

松江のゴール前中央の位置でボールを受けた高原大和選手が左サイドの山道淳司選手にボールを渡して松江守備陣を揺さぶり、最後は山道選手のグラウンダーのパスを佐々木翼選手がダイレクトに合わせてゴール。松江1―1ロックとロックが同点に追いつきます。

その後も攻撃の糸口をつかめない松江は57分に2枚替え。

右ウィングバックの澤島輝に代えて辻川裕介、左インサイドハーフの髙畑に代えて山本蓮を投入。この交代でいつものように左ウィングバックの菅本岳が右に回り、辻川が左に入りました。

するとこの交代が奏功。松江は左サイドでボールをキープできるようになり山本を起点に攻撃の形が作れ始めます。

59分にはロックも2枚替え。2トップの大山直哉選手・日野友貴選手を米良知記選手・永吉広大選手に代えて前線の活性化を試みます。

選手交代が効果的だったのは松江の方でした。選手間の距離が良くなりボールを支配し始めた松江は64分、佐藤啓志郎が自陣からロックDFライン裏のスペースを狙ったロングパス。これを収めた伊能玲生がシュートを阻止に出てきたGK中川選手に倒されたとして、松江はPKを獲得します。

65分にこのPKを伊能自らしっかり決めて松江が勝ち越し。松江2-1ロックとなります。

勝たなければ入れ替え戦行きが決定してしまうロックは67分、右SHの佐々木翼選手に代えて田中大和選手を投入し攻撃陣を更に強化してきました。

松江も69分にFWの川中健太に代えて加倉広海を投入し追加点を狙います。

ロックはシンプルにロングボール主体に攻撃を仕掛けてきますが、松江DF陣はしっかりこれを跳ね返し、また相手のシュートも身を挺してブロックに行くなど集中したディフェンスでロックに得点を与えません。

78分、ロックは最後の選手交代。左SHの坂本翔選手に代えて當瀬泰裕選手を投入。

松江は防戦一方と言うわけではなく果敢に攻撃を仕掛けロック陣内に攻め込むのですが、なかなかシュートを打つまでには至りません。

アディショナルタイム、米良選手のヘディングシュートがゴール右隅に飛びヒヤリとしましたが、これは井上亮太がナイスキャッチで防ぎゴールを守り抜きます。

その後、伊能に代えて遊馬、田平に代えて泉宗太郎を投入し、時計の針を進めながら前からの守備の強化を図った松江が終盤のロックの猛攻をしのぎ切り松江2-1ロックで試合終了。

松江がホンダロックから初勝利を上げ、2021シーズンの最終戦を勝利で飾りました。

戦評

松江シティはこの最終節の勝利により3連勝でシーズンを締め括ることができました。

前回アウェイ対戦時も松江が先制してロックが追いつくという展開でしたが、今節はそこから松江が勝ち越すという底力を見せ、チームの確かな成長を目の当たりにしたという感じです。

入れ替え戦回避のため勝つしかないロックが立ち上がりから圧力をかけて攻めてくると予想していましたが、序盤攻勢を掛けたのは松江の方。その勢いのある時間に先制点を取れたのは大きかった。難しいシュートでしたが田平は良く決めたと思います。

勝ち越し点となるPKを奪取する直前に松江は2枚替えしていますが、後半なかなかペースがつかめない中、あの交代がきっかけで松江は攻撃にかかれるようになったので、これは実信憲明監督の好采配だったと言えるでしょう。

2021シーズン、松江シティは過去最高の5位という成績で今季を終えました。

残留争いに苦しんだJFL参入年を思えば3年目で5位というのは大躍進ですし、正直ここまで順位を上げられるとは開幕当初予想すらしていませんでした。

15位→10位→5位と順調に順位を上げてきた松江シティ。チーム成績面では確かな成長が伺えます。

あとはフロントスタッフが百年構想クラブ申請に向け、喫緊の課題をどう克服して行くのか。

クラブが次のステージに上がるため、我々応援する側にもできることがあるのならば微力ながら力になりたいと考えています。

田中賢治選手兼GKコーチ引退

2019年から選手兼任GKコーチとして松江シティFCに加入した田中賢治選手が、2021シーズンをもって現役引退することとなり、最終節の試合終了後に引退セレモニーが行われました。

田中賢治引退セレモニー

上の写真は田中選手の挨拶後、ご家族から花束が贈呈され記念撮影をしている場面ですが、真後ろに並んでいる選手たちが記念写真の邪魔にならないように姿勢を低くして中腰になっているのが何とも微笑ましいです。

田中選手は選手としての出場は無かったのですがコーチとして常にベンチに控え、GKらしくピッチに向かって大声でコーチングし、納得のいかないジャッジに対してはさらに大きな声で異議を唱え、時にはやり過ぎてイエローカードを受けたことも。

判定への意義はもちろん褒められたものではないのですが、選手と共に戦っているという熱い姿勢は見る者にも十分伝わって来ました。

今後は指導者一本に携わることになりますが、変わらぬ活躍・成功を心よりお祈りします。

2021シーズン終了

2021シーズンの松江シティFCの総評などにつきましては日を改め記事にしたいと思います。

さて例年通り2022シーズン開幕の来年3月まで、随分長い空白期間ができてしまいますが、このオフシーズンはまだ入れ替え戦が残っていますし、何より松江シティにとっては新クラブ名発表と言う一大イベントが控えています。

これから各クラブの退団・移籍加入情報も賑やかになってきますし、あれやこれやとニュースを楽しんでいるうちにあっという間に来季の開幕を迎えていることでしょう。

2021シーズン、選手・スタッフ・松江シティに関わる全てのみなさま、本当にお疲れさまでした。しばしゆっくり休んで、今シーズンの疲れをしっかり癒してください。

2022シーズンもどうか良いシーズンでありますように。

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