■第24回日本フットボールリーグ(2022)第27節
HondaFC 3-0 FC神楽しまね
2022年10月29日(土) 13:00
Honda都田サッカー場
観客 486人
【得点者】 3分 佐々木峻輝(Honda) 10分 岡崎優希(Honda) 65分 岡崎優希(Honda)
【警告・退場】 ■ 33分 鈴木雄也(Honda)
現在13試合連続得点中の神楽しまね。
今節の対戦相手は目下リーグ最少失点と鉄壁の守備を誇る首位・HondaFC。
果たしてしまねの攻撃力が通用するのか、また首位相手にしまねがどこまで食い下がれるのか、チームとしての総合力が試されるゲームでした。
スターティングメンバー
FC神楽しまね
しまねのスタメンは3試合連続で変更なし。
リザーブは馬場悠がメンバー外となり6人で試合に臨みます。この6人は前節・MIOびわこ滋賀戦のメンバーと同じです。
Honda FC
Hondaのフォーメーションは前半戦で対戦した際は4-4-2でしたが、今回は3-4-2-1に変わっています。
試合経過
首位チーム相手のアウェイゲームということで試合の入りを慎重にしたかったしまねでしたが、開始3分にいきなり失点してしまいます。
Hondaに左サイドを攻めこまれていた際、DFの三浦誠史選手がオーバーラップしてきたことで髙畑智也がサイドに釣り出されペナルティエリア内に居た佐々木峻輝選手が完全にフリーになります。草刈龍星選手から難なくパスを受けた佐々木選手はそのままゴール前のスペースへ侵入し豪快に右足を振り抜くとボールはゴールネットに突き刺さりHondaが先制。Honda1-0しまね。
さらに前半10分、自陣でパスを受けた岡崎優希選手がそのまま一気にペナルティアークまでボールを持ち運びシュート。今村直也がシュートブロックに行きますが、今村に当たったボールはループシュートのような軌道でGK井上亮太の頭上を越えてゴールイン。しまねが不運な形で追加点を許しHonda2-0しまねとなります。
開始僅か10分で2点のビハインドを負ったしまねでしたが、その後は徐々に落ち着きボールを保持する時間も持てるようになってきました。
28分、しまねは左サイドを突破され折り返しのパスをゴール前で受けた岡崎選手に決定的なシュートを打たれますが、ここは井上が好セーブでゴールを死守。
34分、佐々木健人の右サイドからのクロスを谷尾昂也が頭で合わせますがこれは惜しくもクロスバーを叩きます。
前半はHonda2-0しまねのスコアで終了。後半へと向かいます。
後半はスタートからしまねが加倉広海に替えて田平謙を投入。田平はボランチに入り佐藤啓志郎が加倉のポジションに回りました。
またHondaは後半になるとフォーメーションを3バックから4バックへ変更。左WBの八戸雄太選手を左SBの位置に下げ、鈴木雄也選手を左SHに配置しました。前線は岡崎選手と児玉玲音選手の2トップ。守備の際は4-4-2のブロックを作って守る形です。
後半の立ち上がりは中盤での潰し合いに終始し、両者共になかなかゴール前のチャンスを作ることができません。
1点を返せば流れを引き寄せる可能性もあったしまねでしたが得点を取ったのはHondaの方。
65分、堀内颯人選手が自陣から前方へ長いスルーパスを通すとこれを受けた岡崎選手がゴール前までボールを持ち込み、対応に来た下村尚文を冷静な切り返しで交わしてシュート。ボールはニアサイドの狭いコースを突き破ってゴール。Honda3-0しまね。
3点差をつけられたしまねは67分、髙畑に替えて山本蓮を投入します。
選手交代で攻撃に変化を加えたしまねですがHondaの堅い守備ブロックをなかなか崩すことができずシュートチャンスが生まれません。
79分、しまねはFWの谷尾に替えて遊馬将也を投入。
さらにその3分後の82分には菅本岳に替えて石川健太、佐々木に替えて筒井俊を投入ししまねは交代カードを使い切ります。
86分、しまねはペナルティエリア手前の絶好の位置でフリーキックを獲得。馬場将大がゴール前に入れたボールはクリアされますが、このクリアボールを山本がダイレクトに右足で合わせるとボールはゴール枠内へ。しかしこれはカバーに入っていたHondaの選手がブロック。さらにこぼれ球を今村がシュートするもまたもHondaの選手に阻まれ、しまねはどうしても得点することができません。
結局試合はHonda3-0しまねのスコアでタイムアップ。
しまねは実に14試合ぶりの無得点試合です。
感想
力負け
この試合をひと言で表現すると表題の通り力負けです。Hondaに完全に力でねじ伏せられてしまいました。
Hondaの各選手はスペースを見つけそこへパスを出したり走り込む判断の速さが格段に速く、加えてほとんどミスらしいミスをしませんし組織としてのチーム完成度も非常に高いという印象です。
しまねにとって悔やまれるのは何と言っても開始3分の失点でしょう。本来であれば無失点の時間を長く続けHondaの焦りを誘いたかったところでしたが早い時間にいともあっさり先制を許してしまいました。しまねのマークの乱れという失策をさすがにHondaは見逃してくれなかったです。
2点リードされてからしまねもボールを持てるようになり良い形でのサイド攻撃も繰り出せましたが、最後のクロスやパスの精度が低く得点には結びつかず。その前半の好機に1点でも取れていればまた違った試合展開になっていたでしょう。
後半、Hondaがフォーメーションを変え堅固な守備ブロックを構築してからはしまねにチャンスらしいチャンスがほとんど生まれなかっただけに前半の逸機が余計に悔やまれます。
ただ、しまねとすれば必要以上に悲観することなく「強敵相手に勉強させてもらった」くらいの気持ちで残りの試合切り替えて臨んでもらいたいところ。
第29節の奈良クラブ戦は現在2位という強敵とのアウェイゲームです。今節のHonda戦と同様のシチュエーションになりますので、今回の敗戦を反省材料に同じ轍を踏まないようしっかり戦ってもらいたいです。
戦績
しまねの順位は12位で変わらず。11位・ホンダロックSCとの勝ち点差2、10位・高知ユナイテッドSCとの勝ち点差4も変わりません。
降格圏の15位・クリアソン新宿との勝ち点差も8のままで、今節でのしまねの残留確定とはなりませんでした。
次節、しまねが勝利するか新宿が引き分け以下であればしまねのJFL残留が確定します。
またJ3昇格要件のうちホームゲーム平均観客数の要件を既にクリアしている奈良クラブが次節にも「4位以内かつ百年構想クラブで2位以内」の成績要件を満たす可能性があります。奈良クラブがJ3昇格となった場合、最下位チームのみが地域リーグへの降格となりますので、最下位にならないことが確定しているしまねはその時点でJFL残留が決まります。
次節の対戦相手
次節は2022年11月6日(日)。松江市陸で13位・FCティアモ枚方と対戦します。
過去の対戦成績は1勝1分け1敗の五分。
今季の前半戦、ホームで対戦した際は0-1で惜しくも敗戦しました。
ひとつ下の順位の枚方との勝ち点差は2ですので、この試合に敗れるとしまねは順位を逆転されてしまいます。
前半戦の借りを返さないといけませんし、この試合は絶対に勝っておきたいところ。
選手たちの奮起に期待します。