■第24回日本フットボールリーグ(2022)第15節
ラインメール青森 4-1 FC神楽しまね
2022年7月10日(日) 15:00
新青森県総合運動公園球技場
観客 293人
【得点者】 44分 齋藤来飛(青森) 45+3分 村越凱光(青森) 60分 齋藤来飛(青森) 70分 加倉広海(しまね) 90+3分 行武大希(青森)
2022シーズンのJFLも今節が前半戦最後の試合。
最下位に沈む神楽しまねとすれば、前日にJFL残留を争う14位・ソニー仙台FCと15位・クリアソン新宿が敗戦しているだけに何としてもこの試合で勝ち点を積み、前半戦を良い形で締め括りたいところ。
対戦相手はJFL最北クラブ・ラインメール青森。遠く青森の地でのアウェイゲームとなります。
スターティングメンバー
FC神楽しまね
前節負傷交代となった菅本岳に代わり髙畑智也が右SHに入りました。
また右SBには佐々木健人が今季初スタメン。
そして昨年10月に全治8ヵ月の重傷を負い長く戦列を離れていた垣根拓也がリザーブメンバーとして今季初登録されています。
ラインメール青森
青森は4-2-3-1のフォーメーション。
前節のFC大阪戦で退場処分となった佐久間駿希選手が出場停止。代わって齋藤来飛選手が起用されています。それ以外の10人は前節と同じスタメンです。
試合経過
立ち上がりからしまねは比較的ボールを保持できており、青森のプレスを上手く交わしながら前に出る機会を伺います。
一方の青森はボールを持つと素早く前にボールを送り速攻を試みますがパスが思った通りにはつながらずなかなか好機を作れません。
前半飲水タイムまでは両者互角の攻防が続きますが、それ以降は青森がペースを握りしまねを攻め立てる展開。
30分には青森がゴール前で決定機を作るもののGK池藤聖仁が好セーブでシュートを弾き出し得点を許さず。
押され気味だったしまねでしたが41分にCKのチャンスを得るとショートコーナーから今村直也がヘディングシュート。ボールは枠内に飛んだもののGK廣末陸選手が好セーブで防ぎしまねは得点ならず。
この時間帯にしまねは3回連続でCKを獲得し、押せ押せムードが漂いますが好事魔多し。
3回目のCKの流れで青森にボールが渡ると青森はカウンターを発動。
和田響希選手のパスを受けた齋藤来飛選手がしまねDFを置き去りにしてゴール前までボールを持ち運び、最後は池藤との1対1を制してゴール。青森1-0しまね。
さらに前半アディショナルタイム。青森がロングスローでゴール前に入れたボールが逆サイドへ流れると、これを収めた和田選手が中央へクロスボールを供給。ボールがゴール前にこぼれ、ここに居た村越凱光選手が左足を振り抜くとボールはゴールに収まり青森2-0しまね。
直後に前半終了の笛。
前半終了間際の僅か4分間でしまねは2点を失い、苦しい状況の中で後半へと向かいます。
しまねは後半頭から左SBを辻川裕介から馬場将大に代えます。
後半も立ち上がりから青森のプレスが効いており、しまねは攻撃の組み立てに苦心しますが、50分を過ぎたあたりからしまねのボールが回り出し攻撃の時間が作れるようになってきました。
57分にしまねは澤田理玖に代えて垣根を投入。垣根は昨年10月以来、実に9ヵ月ぶりの出場です。
一気に攻勢を強めたかったしまねでしたが60分、青森に追加点。
左サイドでボールをキープした齊藤選手が中央の和田選手に一旦ボールを預け、そのままゴール前へ侵入。最後は和田選手から再びボールを受けた齋藤選手がゴールを決め青森3-0しまね。
3点のリードを許したしまねは66分、右SHの髙畑を下げ澤島輝を投入。
すると後半飲水タイム明け直後の70分でした。澤島が右サイドをドリブルで持ち上がり中央にグラウンダーのクロスを送ると、このボールを駆け込んできた加倉広海がダイレクトにゴールへ蹴り込み青森3-1しまね。しまねがようやく一矢報います。
74分にしまねは最後の選手交代。右SBの佐々木に代えてFWの堀田佳佑を投入。
この交代で右SHの澤島が右SBの位置に下がり、FWの加倉が右SH、そして最前線は谷尾昂也と堀田の2トップになりました。
点差を縮めようと最後まで前掛かりになって攻めるしまねでしたが、後半アディショナルタイムにビルドアップ時のボールをパスカットされると最後は交代出場の行武大希選手にゴールを決められ青森4-1しまね。
試合はこのスコアでタイムアップ。
守備が安定していたはずのしまねでしたが、思わぬ大量失点での敗戦となってしまいました。
感想
大量失点
第4節・ホンダロックSC戦で1-5の大敗をした神楽しまねですが、今節はそれに次ぐ大量4失点。
そのうち前半・後半の終了間際に3失点と最も得点が生まれやすいと言われている時間帯に失点しています。集中力を欠いてしまったのでしょうか。
4失点のうちカウンターで2発やられているわけですが、特に先制点のカウンターの場面はまるでホンダロック戦の再現を見ているようで、その時の反省が結果として活かされなかったのは実に残念でした。
前節のMIOびわこ滋賀戦でもしまねは複数失点しており、このまま失点癖がついてしまわないよう次節はクリーンシートを目標に守備を立て直してもらいたいところ。FCマルヤス岡崎相手のアウェイゲームなので難しいミッションになるとは思いますが、守備陣の奮起に期待したいです。
垣根拓也復帰
垣根拓也が9か月ぶりにピッチに戻ってきました。
試合勘が心配でしたが全般的に問題なくプレーしていたように思います。
試合中も持ち味である楔の縦パスを通すなど攻撃面でこれまでになかったアクセントをつけていましたし、中盤でボールを落ち着かせる役割も相変わらず上手くこなしているように見えました。まだ本調子ではないのかもしれませんが、それでも垣根が居ると居ないのとではピッチ上の安心感が全然違います。
後半戦に向けて垣根の復帰はひとつ明るい材料となりました。
苦境に立つ神楽しまねを彼のプレーとキャプテンシーで何とか救ってもらいたいものです。
加倉広海今季初ゴール
この試合神楽しまね唯一のゴールを決めた加倉広海。
アシストした澤島輝の突破とクロスも良かったですし、自分の前にボールが出ると信じて走り込みワンタッチで合わせた加倉も見事でした。美しいゴールシーンだったと思います。
加倉は今季初ゴール。
これで精神的な重石が取れてゴール量産体制に入ってくれればまさに願ったり叶ったりです。期待を込めて見守りたいです。
次節の対戦相手
次節は2022年7月18日(月・祝)、アウェイでFCマルヤス岡崎と対戦します。
岡崎は8勝2分け4敗の勝ち点26で現在2位。1試合未消化ながら好順位につけています。
通算の対戦成績はしまねの2勝1分け3敗。
今季ホーム・松江市陸で対戦した際は0-0のスコアレスドローでした。
言うまでもなくしまねにとっては強敵ですが、後半戦のスタートを幸先よく切るためには負けられない試合。
今節の大敗ショックを払拭する好ゲームを期待しています。