マッチリポート(2022年)

【2022 JFL】第8節 ヴェルスパ大分 vs FC神楽しまね

2022年5月17日

プロモーションを含みます

■第24回日本フットボールリーグ(2022)第8節

ヴェルスパ大分1-0 FC神楽しまね

2022年5月15日(日) 13:00
ジェイリーススタジアム
観客 530人

【得点者】 84分 中村真人(V大分)

【警告・退場】   58分 髙畑智也(しまね)   67分 中村勇太(V大分)

GW、Honda FC・マルヤス岡崎をホームに迎え、いずれもスコアレスドローでしぶとく勝ち点を積んだ神楽しまね。

守備の堅さが戻ってきたところで、今節は一昨年のJFL覇者・ヴェルスパ大分とアウェイゲームを戦います。

スターティングメンバー

FC神楽しまね

神楽しまねは前の試合(代替開催の第1節・マルヤス岡崎戦)と同じスタメン。

リザーブは畝本諭・桃井紳伍が外れ、一時戦列を離れていた佐藤啓志郎が復帰。

またFWの控えには遊馬将也に代わって谷尾昂也がメンバー入りしています。

ヴェルスパ大分

ヴェルスパ大分は4-3-3のフォーメーション。

2020年・2021年と2年連続ベストイレブン選出の浦島貴大選手、2020年ベストイレブンGKの姫野昂志選手が今季も守備陣を統率します。

試合経過

前半は両者共に攻め合い、ゴール前のシーンを多く作りました。

14分にはクロスボールを中村真人選手がフリーで合わせるという決定的なシーン。しかし池藤聖仁が反応良くセーブしゴールを割らせません。

しまねは主に左サイドを起点に攻撃を組み立てる場面が多く見られ、ボールをつないで度々大分ゴールに迫りますが最後にシュートで終わることがなかなかできず。

一方大分の攻撃はシュートで完結させてはいるものの、ボールが枠内に飛びません。

33分、しまねにアクシデント。大分がコーナーキックを獲得した場面で右SBの松下大祐がベンチに向かって異変を訴えます。

松下は右腿裏を指差し自ら交代を要求すると大分のコーナーキックを凌いだ後、ピッチに倒れ込んでしまいました。

おそらくは筋肉系のトラブルと思われ、結局松下はそのまま負傷交代。37分、松下に代わって澤島輝が投入されます。

ほぼ互角の攻防に終始した前半はスコアレス。シュート数と決定機の数で大分がしまねを若干上回り後半へと向かいます。

後半、しまねは菅本岳に代えて佐藤啓志郎を投入。

後半最初の決定機はしまね。

53分、池藤が前線の川中健太を狙ってパントキックを通すと川中は対応していた浦島選手を上手く交わしてゴール前でGK姫野選手と1対1。

川中のシュートは姫野選手に弾き出されますが再びこぼれ球を川中がシュート。しかしこれも姫野選手にセーブされしまねはゴールならず。

61分、しまねは3人目の選手交代。左SBの石川健太を下げ今村直也を投入します。

この交代で今村は左のCBに入り、左CBを務めていた辻川裕介が左SBに回りました。

その後もしまねペースで進む後半。

74分には池藤のゴールキックを加倉広海から佐藤へ頭でつなぐと、佐藤がダイレクトにヘディングで前方のスペースへパス。

ここに抜け出した川中が再び姫野選手と1対1になりますが、シュートはまたもや姫野選手に弾き出され、このこぼれ球に詰めた髙畑智也のミドルシュートも大きく枠を外れてしまいます。

さらに76分。右サイドから川中が中央にクロスを入れると、走り込んできた佐藤がピタリと頭で合わせ地面に叩きつける教科書通りのヘディングシュート。しかしこれも姫野選手がビッグセーブ。

81分にもゴールエリア付近まで侵入した髙畑がゴール前でフリーになっている川中に折り返す絶好のチャンス。川中は意表をついたヒールでのシュートを試みますがボールに勢いがなく姫野選手が難なくキャッチ。

ゲームも終盤に差し掛かったところで立て続けにゴールチャンスを迎えたしまねでしたが、どうしてもゴールを割ることができません。

すると84分でした。

大分は交代出場の藤本匠臣選手がしまねの右サイドからシンプルに中央へクロスボール。ここに走り込んできた中村選手がヘディングシュートを決め大分が先制。

このシュートの前のプレーでクロスボールに対応しようとしていた今村が西埜植颯斗選手と交錯。西埜上選手が今村を引き倒しているようにも見え、しまねの選手たちは必死にファウルをアピールしますが判定は覆らず。V大分1-0しまね

しまねは87分に加倉・川中の2トップを下げ、谷尾昂也・清本将史を投入して最後の反撃を試みますが効果的な攻撃が繰り出せず手詰まり状態に。

結局試合はこのままのスコアでタイムアップ。

しまねはこれで5試合連続ノーゴール。決定機を作れてはいるものの、まるで何かの呪いにかけられたかの如くどうしてもゴールを奪うことができません。

感想

全般

守備陣が最終盤まで得点を許さず、しまね得意のロースコア勝負に持ち込んだところで少なくとも負けはないだろうと思っていましたが大分の一発に屈してしまいました。

正直言って守備陣が踏ん張っている間に数々の決定機のうちひとつでも決めておけば十分勝てた試合だったように感じています。

後半はほぼしまねペースでしたし大分はなかなか攻め手がなかったように見えたのですが、やはり「決めるべき時に決めておかないとこういう結果になる」ということなのでしょう。

ただ、しまねの攻撃に関しては改善が見られた部分もあり、そこはポジティブに評価しても良いかと思います。

この試合では特に前半、縦に速いパスを通す。そして攻撃時に後ろから次々と選手が湧いてきて厚みのある攻撃を仕掛ける。この2点が目を引きました。後半は前半に比べるとこのトライが少なくはなりましたが、コンスタントにこういう攻撃が繰り出せるようになると得点機会もさらに増えていくことでしょう。

またしまねはセカンドボールの回収率も高かった。それは選手同士の距離感が上手く保たれていることの現れと言えます。

加えて球際の強さもありましたし、ハードワークもできている。

内容的には文句のつけようがないのですが、唯一得点が取れていないことだけが残念です。

しかし攻撃の光明は見えつつあるので、後はただひたすらにこの戦い方を磨き続けて精度を極めるしかないのかもしれません。

松下大祐の負傷

前半37分で退いた松下ですが、状況からしておそらくは右太腿部の肉離れを起こしてしまったのではないかと思われます。

もし肉離れであれば長期離脱は避けられず、復帰が夏の中断期間明け(8月)になってしまう可能性もあります。

松下は今季から右SBとして好パフォーマンスを披露しており、その身長はセットプレーのターゲットとしても大きな武器。

離脱は神楽しまねにとって大きな痛手ですが、とにかくまずは軽傷であることを祈りたいです。

この日は澤島が松下に代わって残り時間右SBを務めましたが緊急避難的な起用だった可能性もあり、次の試合で実信憲明監督が右SBに誰を置くのかは注目ポイントのひとつかと思います。

次節の対戦相手

次週、天皇杯1回戦(vsMD長崎)を挟み、リーグ戦の次節は2022年5月28日(土)、島根県立サッカー場にヴィアティン三重を迎えます。

ヴィアティン三重3勝2分け2敗の勝ち点11で現在8位。(未消化試合が1試合)

神楽しまねの過去の対戦成績は2勝3敗

三重は今季からJリーグでの監督経験が豊富な樋口靖洋監督を招聘し攻撃的なサッカーを目指しています。

現在までのチーム総得点13はリーグ3位。一方で総失点が9と決して少なくない失点を喫しています。

しまねは三重の攻撃力を封じることができるのか、そして6試合ぶりにゴールを上げることができるのか。

今季初となる益田開催。ゴールと勝利を願っています。

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