■第24回日本フットボールリーグ(2022)第1節
FC神楽しまね 0-0 FCマルヤス岡崎
2022年5月4日(水) 13:00
松江市営陸上競技場
観客 414人
【警告・退場】 ■ 30分 小栗和也(岡崎) ■ 54分 松下大祐(しまね) ■ 72分 多々良敦斗(岡崎)
3日前の第7節HondaFC戦を引き分けて、リーグ戦の連敗を4で止めたFC神楽しまね。
この日の対戦相手は開幕から破竹の6連勝で首位を走るFCマルヤス岡崎。
開幕節に予定されていたこのカードは神楽しまねに複数のコロナウィルス陽性者が出たため延期となり、この日に再設定されました。
快晴の松江市営陸上競技場。中2日同士の対戦です。
スターティングメンバー
FC神楽しまね
神楽しまねは前の試合(Honda FC戦)で退場処分となり出場停止の宮内真輝に代わり辻川裕介が左CBを務めます。
リザーブにはCBの今村直也が復帰。
それ以外のメンバーはHonda戦と同じです。
FCマルヤス岡崎
FCマルヤス岡崎は4-2-3-1のフォーメーション。
かつて松江シティFCに在籍していた酒井達磨選手は前節同様メンバー外となっています。
試合経過
メインスタンド向かって左から右へ強い風が吹く中、コイントスに勝った岡崎はエンドを変え風上を選択。
しまねが前にロングボールを蹴っても上空で風に押し戻されるという状況でしたが、前半比較的攻撃の回数が多かったのはしまねの方。
しまねの各選手は運動量も多く非常にアグレッシブにプレーをしている印象で、球際の勝負でも負けずスペースを有効に使いながら岡崎陣内での時間を増やします。
しかししまねが前半に放ったシュートは僅かに3本。アタッキングサードへ度々攻め込んだ割にシュートは打てていません。
一方の岡崎はしまね陣内の深い位置に攻め込む回数は少ないものの、一度攻撃のスイッチが入った時の速さと迫力は脅威でした。
ただ岡崎の攻撃もしまね同様「シュートで完結」になかなか至らず、放ったシュートはしまねと同数の3本。
前半を総括するとしまねがペースを握り岡崎が速攻の機会を伺うという展開でしたが、共に決定機らしい決定機もなくスコアレスで後半へと向かいます。
後半になると前半とは逆に岡崎がボールを支配するようになり、しまねはボールを保持する時間がなかなか作れなくなります。
岡崎が61分までに4人の選手を交代させ、フレッシュな選手の投入で攻撃の活性化を図る中、しまねはあくまでもバランス重視でスタートのメンバーを引っ張り、この日最初の選手交代は66分でした。実信憲明監督は左SHの菅本岳に代えて桃井紳伍を投入します。
後半飲水タイム明け直後の71分にはしまねにビッグチャンス。
松下大祐が自陣から前線にロングボールを供給すると加倉広海が多々良敦斗選手との競り合いの中で倒され、ペナルティエリアの僅かに右という絶好の位置でフリーキックを獲得します。
このフリーキックの場面で髙畑智也がゴール前にグラウンダーのパスを送り込むと、岡崎の選手が誰も居ないスペースにボールが転がって行きますが、しまねの選手も誰も触ることができずボールは逆サイドに流れて行き、しまねはチャンスを得点につなげることができません。
73分にはしまねが二人目の選手交代。FWの川中健太を下げ、遊馬将也を投入します。
さらに79分には左SBの石川健太に代えて澤島輝を投入。この交代で桃井が左SBの位置に下がり、澤島は左SHに入りました。
後半は岡崎が優勢ではあるもののしまねが冷静な守備で対応し決定機を与えず、しまねも前半に見せた小気味良いパスワークが後半は繰り出せなくなり攻撃が手詰まり状態になります。
結局両者とも攻撃の決定打を欠き、逆に言えば両者とも良く守って相手に得点を許さずスコアレスドローで試合終了。
岡崎の開幕からの連勝は「6」で止まり、しまねはHonda戦に続いて0-0のスコアで勝ち点1を手にしました。
感想
守備
2位・Hondaに続き首位・岡崎も零封したことでしまねは守備についてはさらに自信を深めたことと思います。
4バック移行直後のリーグ戦では初戦のクリアソン新宿戦こそクリーンシートで終えたものの以後4試合連続で失点を重ね4連敗。そのうち3試合が複数失点でした。
失点を振り返るとミス絡みのものが多く、完全に守備を崩されたというよりも集中力を欠いたために喫したものが目立ちます。
しかしこの2試合では凡ミスなどは見られず、全員が集中して良く守れていました。
「強敵相手で気が抜けない」という緊張感が生んだ結果なのか、あるいは4バック時の守備の約束事がようやく全員に浸透したことが理由なのかそれは分かりませんが、いずれにしても昨季のような堅い守備が戻ってきたことに対しては非常に安堵しています。
攻撃
無失点で切り抜けたのは良いことですが、しまねはこの日もノーゴール。
これでリーグ戦では4試合連続無得点試合が続いています。
岡崎戦の前半は左サイドを中心に良く攻めてはいたものの、最後のクロスの質やシュートの精度が悪く得点できず。
しまねとしては丁寧にパスをつないで最後にフィニッシャーの加倉や川中に預けることが理想なのでしょうが、現状カウンター気味に加倉を狙ってロングボールを入れ、そのままゴール前まで持ち込ませるという攻撃の方に得点の可能性を感じます。
加倉の運動量とスピード、そして川中のキープ力はしまねの攻撃において大きな武器なのですが、終盤はどうしても疲労のせいでパフォーマンスが落ちる。
であればやはり早い時間に得点を取る、もしくは交代要員を充実させることがなおさら重要になってくるでしょう。
サブメンバーとして個人的には豊富な運動量を誇るMF・瀬戸匠海の台頭やFW・堀田佳佑の復活を待望します。
その他にも攻撃的なポジションを担う選手たちには新加入選手・昨季に続いて在籍している選手問わず、メンバー入りを目指してなお一層の奮起を期待したいです。
次節の対戦相手
次節は2022年5月15日(日)、アウェイでヴェルスパ大分と対戦します。
今季のJFL参戦チームの中で唯一神楽しまねが勝ったことがないチームがヴェルスパ大分。
ヴェルスパは一昨シーズンのチャンピオンチームで昨シーズンは3位の成績。
言うまでもなく強豪チームですが、現在は2勝2分け3敗の勝ち点8で11位と出遅れています。
しまねとすればHonda戦・岡崎戦同様に失点しないことをファーストミッションにして戦いたい。
しまねは今週末試合がないので、まずはゆっくり休み、その上でしっかり準備をしてヴェルスパ戦に臨んでもらいたいものです。