Honda FC 4 ー 1 松江シティFC
2021年10月16日(土) 13:00 Kick off
Honda都田サッカー場
観客 506人
前節のFCマルヤス岡崎戦に続いて今節も東海地区でのアウェイ戦となった松江シティ。
対戦相手は首位・いわきFCと優勝争いを繰り広げているHonda FC。
松江はJFL参入年の開幕戦以来、2年ぶりに都田サッカー場を訪れることになりました。
スターティングメンバー
松江シティFC
一時期、不動のスタメンだったメンバーが顔を揃えましたがポジションがその時とは若干変わっています。
左のCBは宮内真輝、右CBは筒井俊が務めDFラインは前節と同じ構成になりました。
そして馬場将大が左のウィングバックに入り、菅本岳は右に回っています。
また垣根拓也と佐藤啓志郎がダブルボランチを組む場合、前線は1トップ・2シャドーの形でしたが、この日は遊馬将也と川中健太の2トップにし髙畑智也をトップ下に置く布陣を基本形にしているように見えました。
おそらくはここ最近、1トップの遊馬になかなか良い形でボールが収まっていなかったため2トップにしてFWにボールを供給する際の選択肢を増やす意図があったのかもしれません。
前節スタメンだった田平謙はこの日リザーブメンバーからも外れています。
Honda FC
Hondaは前回対戦時4-2-3-1のフォーメーションでしたが、今節は4-4-2にしています。
試合経過
前半
立ち上がりからHondaのスピーディーで的確なパス回しとボールへのアプローチの速さが目立ちますが、松江も自陣に完全に押し込められているわけでもなく、辛抱強く守りながら機を見てHonda陣内に攻め込む時間を作ります。
前半のHondaはゴール前の決定機が幾度かありましたが、明確なHondaペースというわけでもなく、逆に攻められながらも集中した守備で要所を締めていた松江もある意味自分たちのペースで試合運びができているという印象でした。
松江とすれば前半をこのまま無失点で耐え、後半もスコアレスの時間をできるだけ長くすることでロースコア勝負に持ち込みたかったところでしたが、38分に失点します。
左サイドタッチライン際の攻防からこぼれてきたボールを三浦選手が前方のスペースにフィード。ここに飛び出してきた岡崎選手が宮内を置き去りにして一気に松江ゴール前に。
宮内は岡崎選手を追走しながらボールを蹴り出そうとしましたが、このとき岡崎選手の足を引っ掛け転倒させたということでPKを献上。宮内にはイエローカードが提示されます。
松江シティの「ボールにアプローチしている」との必死の抗議にも判定は覆ることなく、このPKを岡崎選手に決められHonda1-0松江。
先制点を許した松江でしたが、その後前半40分を過ぎたあたりから徐々にHonda陣内に攻め込むようになり、コーナーキックからの波状攻撃を見せるなど得点の気配も十分に漂い始めました。
しかし43分に痛恨のアクシデント。
Hondaボールを奪取に行った垣根と川中が激突。垣根は1度は起き上がりますが右ひざを気にしながら再びその場に倒れ込んでしまいます。
そして自ら「✕」マークを出すと担架を要請。無念の負傷退場となってしまいました。
この時点でアディショナルタイムに突入したため、実信憲明監督は無駄に交代1回を使わずこのまま10人で時計の針を進めて前半を終えることを選択。
すると松江は直後にコーナーキックのチャンス。
髙畑が蹴ったボールに遊馬が左足で合わせると一度はポストに弾かれますが、再びこれを遊馬がダイレクトに蹴り込み松江に願ってもない同点ゴールが生まれます。
結局前半はHonda1-1松江で終了。後半へと折り返します。
後半
選手交代の回数は「ハーフタイムを除き3回まで」となっているため、前半アディショナルタイムの垣根負傷退場後も敢えて交代枠を使わずハーフタイムを待った実信監督。
後半頭に垣根に代えて伊能玲生を投入します。
垣根のポジションには髙畑が入り、フォーメーションも伊能を1トップにした3-4-2-1に変更しました。
後半立ち上がりからアグレッシブに攻める松江。
このペースで攻撃を重ねることができれば勝ち越し点を狙えそうだと思った矢先、逆に失点してしまいます。
50分、右サイドにできた広大なスペースをHondaの左SB・八戸選手に狙われ、そのままボールを右サイドの深いところまで運んでグラウンダーのクロスを中央へ折り返すと、鈴木選手がマークについていた宮内に競り勝ってゴールを決めHonda2-1松江。
松江は後半開始早々に出鼻をくじかれる一発を浴びてしまいました。
それでも前を向いて果敢に攻撃を仕掛ける松江。
一方1点リードのHondaは無理な攻撃を控え、慎重に守りながら松江の隙を伺います。
58分に松江は左CBの宮内に代えて桃井紳伍を投入。桃井は左のウィングバックに入り、馬場将大が左CBの位置に下がりました。
一気に攻勢を強めたかった松江でしたが、徐々にHondaに流れが傾き出すと63分、ゴール正面の位置に居た児玉選手を完全にフリーにしてしまい、ここに三浦選手からのパスが通ると児玉選手は難なく決めてHondaに3点目。Honda3-1松江となります。
何とか攻撃を活性化し得点を奪いに行きたい松江は65分に2枚替え。セカンドトップの位置に居た川中・遊馬を泉宗太郎・加倉広海に交代。
しかし得点を奪ったのはHondaの方でした。
左サイドからの川浪選手のロングスローを児玉選手が頭でゴール前のスペースに落とすと、ここに走り込んできた八戸選手がスライディングをしながらゴールに押し込みHonda4-1松江。
松江は88分、右WBの菅本を佐々木健人に代えて交代枠を使い切り、あとは1点でも返して意地を見せたいところでしたが結局最後まで得点を奪えずHonda4-1松江で試合終了。
松江は前々節のいわきFC戦と同じく今季最多の4失点を喫して敗戦しました。
戦評
松江シティにとっては何と言っても垣根拓也の負傷交代が痛かった。
田平謙がベンチに控えている状況なら田平を交代出場させるところでしたが、この日はメンバー外。
右CBを務めていた筒井俊をボランチに上げて、右のCBには佐々木健人を投入するという選択肢もあり得ましたが、実信憲明監督は髙畑智也をボランチに置くという選択をします。
髙畑の攻撃力が削がれる分、伊能玲生を1トップに配し、その下に川中健太と遊馬将也を置いて攻撃の迫力を出そうとしましたが、思ったほど攻撃力が発揮できなかったように感じました。
攻撃のテンポも一本調子になり、いつもの中盤でのタメがなくなったためHondaを守りやすくしてしまったという点も否定できないかと思います。とは言え後半は早々にビハインドを負ってしまう展開となったためやむを得ない部分もありますが。
守備面においても「何故そこに広大なスペースができる?」「何故その選手を完全にフリーにする?」ということが全て失点に絡んでおり、本来であれば互いのコーチングやリスクマネジメントで防げたはずの失点だったと思います。
もちろん、隙を見逃さずゴールを決めきったHondaのしたたかさ・決定力が松江を上回ったということもあるでしょう。
ただ根本は想定外の事態に松江シティとして上手く対処できなかったことが全てかと。
こういう不測の事態は起こりうるものですし、起こってしまったことは非常に不運でした。
そのときにどう被害を最小限に食い止めるか。
当たり前のことですが様々なケースをシミュレーションして準備するしかないです。
…と口で言うのは簡単ですが、全ての場面を100%網羅して準備することはほぼ不可能に近いですからね。難しいところではあります。
垣根の負傷がどの程度か不明ですが、映像の様子を見ると打撲系ではなく靭帯損傷などの疑いがありそうです。負傷が軽いことをただただ祈ります。
次節の対戦相手
次節は10月24日(日)、ホーム・松江市陸にMIOびわこ滋賀を迎えます。
前回対戦時は松江シティが2点を先取しながら退場者を出し、PKを与えて1点差まで追い上げられながらも何とか2-1で逃げ切りました。
大敗した後の、しかもホームゲームですので、スッキリとした勝利を望みたいところです。
急激に寒くなってきた昨今、当日は防寒対策も怠らずに参戦しようと思います。