ヴェルスパ大分 1 ー 1 松江シティFC
2021年 7月18日(日) 15:00 Kick off
日田市陸上競技場
観客 410人
2021シーズンもこの試合でちょうど半分。
ここまでリーグ戦3連勝の松江シティ。
前半戦を良い形で締めくくるためには負けられない試合です。
対戦相手は昨季のチャンピオンチーム、ヴェルスパ大分。
アウェイの日田市に乗り込んでの試合となりました。
スターティングメンバー
松江シティFC
前節、累積警告で出場停止だった垣根拓也が戻り、アンカーの位置に入りました。
このスタメンは前々節のHonda FC戦と同じスタメンです。
前節、アンカーを務めた田平謙はリザーブメンバーに入り、代わりに山本蓮がメンバー外となりました。
ヴェルスパ大分
ヴェルスパのフォーメーションは4-2-3-1。
昨季・MVPの瓜生昂勢選手はJ3・アスルクラロ沼津に移籍しチームを去りましたが、その他のメンバーは極端には入れ替わっていません。
昨季ベストイレブンに選出されたGKの姫野選手、DFの浦島選手も健在です。
試合経過
前半
ヴェルスパは丁寧にDFラインでボールを回しながら攻撃のスイッチを入れるタイミングを伺い、松江はボールを奪うと攻撃陣が一気に前に出てゴール前に迫る。
立ち上がりからしばらくはそんな展開が続きました。
18分、ヴェルスパのクリアボールが味方の選手に当たり、これが前線に残っていた菅本岳への絶好のパスになります。願ってもない決定機でしたが菅本がフリーで放ったシュートはGK姫野選手が好セーブ。
そして直後の19分でした。
松江のゴールキックの流れで井上亮太が前方に送ったパスを利根選手がインターセプト。
このボールを吉田選手→利根選手とつなぎながら松江のペナルティエリア内に侵入すると、最後はやや遠目の位置から利根選手がミドルシュート。
枠には飛んだものの十分に井上の守備範囲と思われたボールは、そのままあっさりゴールに吸い込まれヴェルスパに先制点。
ヴェルスパ1-0松江。
死角からボールが出てきたのか、あるいはシュートの勢いが思ったより速かったのか、井上がジャンプするタイミングが全く合わず、松江は少々勿体ない失点をしてしまいました。
その後はヴェルスパに攻撃のリズムが出始め、松江が受けに回る時間が目立つようになります。
松江がボールを保持しても、判断に迷い僅かでも時間がかかるとすぐにヴェルスパがアプローチをしてきてボールを奪ってしまいます。
31分にはショートカウンターにより松江ゴール前までヴェルスパの侵入を許しますが、放たれたシュートは井上が上手く身体に当てナイスセーブ。
ヴェルスパは攻守の切り替えが速くプレスにも強度があるため、松江はパスが少しずつズレてなかなかペースをつかむことができません。
しかし前半終了前にはようやくプレスにも慣れて、ヴェルスパの寄せを徐々に交わせるようになってきます。
41分には右サイドから川中健太が入れたクロスボールを相手ゴール前でフリーで受けた遊馬将也がシュートを放ちますがヴェルスパDFが身体を投げ出してブロック。
結局前半はヴェルスパ1点リードで終了。
前半のシュート数は松江の4本に対し、ヴェルスパは11本。遠目からでもどんどんシュートを打ってくるヴェルスパがシュート数では松江を圧倒して後半へと折り返します。
後半
両チーム共に選手交代なしで後半スタート。
49分、先制点を上げた利根選手が松江ゴール前に抜け出しフリーでシュートを放つ決定機がありましたが、ボールは僅かに枠を外れ松江は助かります。
後半もヴェルスパに押し込まれる時間が続き、何とか流れを変えたかった松江はまず57分に髙畑智也に代えて田平謙を投入します。
62分、スルーパスに抜け出した利根選手がまたも決定機。1対1で放たれたシュートでしたが井上が再び身体に当ててこれを阻止します。
直後の63分には松江のカウンターから川中に決定的なシュートチャンス。しかしこちらもGK姫野選手が先にボールに触り得点とはなりません。
71分、ヴェルスパは最初の選手交代。ボランチの吉田選手を高橋宏季選手に、右SHの薮内選手を藤本選手に代えます。
一方の松江は76分に二枚替え。佐藤啓志郎に代えて伊能玲生、遊馬に代えて堀田佳佑を投入します。
すると78分。
松江は自陣からのカウンターの流れで川中が左サイドを突破し、逆サイドを駆け上がっていた筒井俊にクロス。筒井がペナルティエリア内のスペースに丁寧に折り返すと、ここに駆け込んできた伊能がワンタッチでゴールに蹴り込み松江シティが追いつきます。
ヴェルスパ1-1松江。
失点の直後に今度はヴェルスパが再び二枚替え。トップ下の中野選手に代えて高橋祐翔選手、FWの前田選手に代えて中村選手を投入します。
ヴェルスパはこの交代で高橋祐翔選手をCBに入れ、両サイドバックの西埜植選手・本多選手をウィングバックの位置に上げた3バックにフォーメーション変更しています。
松江は90分に川中に代えて澤島輝を投入。今季ここまでウィングバックでプレーしていた澤島が今季初めてトップの位置でプレーすることになりました。
松江もヴェルスパも勝ち点3を目指して最後まで攻め合いましたが、お互いに守備陣が踏ん張り結局決勝点は奪えず、ヴェルスパ1-1松江でタイムアップ。
勝ち点1ずつを分け合う結果となりました。
戦評
松江シティとしては同点に追いついた勢いで勝ち点3を狙えるチャンスもあっただけに、惜しいドローとはなりましたが、アウェイで前年チャンピオンチームに先制されたことを思えば十分に価値がある勝ち点1だったと思います。
この試合のように先制されても追加点を許さず追いついて終わる、という展開が今季は目立ちますが、この粘りを支えているのは何と言っても終盤になっても落ちない体力であるように思われます。
オフの期間、相当にフィジカルを鍛えたのか、あるいは試合の中でのペース配分が上手くなったのか、今季は終盤のガス欠があまり見られません。
今後、酷暑の中での試合でチーム全体のパフォーマンスがどうなっていくのかは未知数ですが、変わらぬ運動量を維持して欲しいところです。
あと特筆すべき点は、今季ウィングバックを主戦場にしていた澤島輝が時間は短かったもののトップの位置でプレーしたことでしょうか。
元々開幕前の予想ではセカンドトップかインサイドハーフあたりでプレーすると予想していましたが、蓋を開けてみたら運動量が要求されるウィングバックでの起用。
それでも問題なくこなしてはいますが、本来ならもっと攻撃的なポジションで起用してあげて欲しいと個人的にはずっと思っておりました。
現在は筒井・菅本が好調のため控えに回ることが多い澤島ですが、この日のように時間限定でも前線での起用がハマれば、松江シティにまたひとつ有効なオプションが加わることになるでしょう。
今後が楽しみです。
次節の対戦相手
次節は7月25日(日)15時からホーム・松江市営陸上競技場でソニー仙台FCとの対戦です。
この試合からJFLの後半戦がスタートし、試合を終えた後リーグ戦は約1ヵ月間の中断期間に入ります。
ソニー仙台は現在、首位・いわきFCと勝ち点差7の3位。
松江シティのこれまでの対戦成績は1勝2敗1分。
今季開幕戦では0-3のスコアで完敗しています。
良い形で中断期間を迎えられるよう、ホームでアウェイの借りを是非とも返して欲しいものですね。
ここ4試合負けなしと好調の松江シティですので、勝利を大いに期待したいです。