マッチリポート

2020 JFL 第29節 松江シティFC vs Honda FC

2020年11月26日

プロモーションを含みます

松江シティ整列

2020 JFL 第29節
松江シティFC 0 - 0 HondaFC
2020年11月21日(土) 13:00 Kick off
松江市営陸上競技場
観客 510人

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スターティングメンバー

松江シティFC

松江スタメン

リザーブメンバー:
GK 池藤聖仁(#30)、DF 加藤秀典(#39)、MF 佐藤啓志郎(#8)・菅本岳(#11)・那須甚有(#20)、FW 中井栞吏(#14)・北原大奨(#32)

前節FCマルヤス岡崎戦からのスタメン変更は加藤秀典(#39)筒井俊(#13)。筒井は3バックの右に入り、この日は下村尚文(#3)が中央を務めました。

Honda FC

Hondaスタメン

リザーブメンバー:
GK 白坂楓馬(#20)、DF 中村桐耶(#6)、MF 鈴木理久(#25)、FW 古橋達弥(#10)・岡崎優希(#13)・原田開(#15)

Honda FCは3-4-3。3バック・3トップの布陣です。

試合経過

前半

序盤はHondaのペース。
松江陣内に何度も攻め込み決定的な場面もいくつか作ります。

5分、コーナーキックのボールがファーサイドに流れてきたところでフリーになっていた八戸選手がゴールの目の前でシュート。しかし力が入ったのかボールはクロスバーの上を越えていきます。

13分にはペナルティエリア内でフリーでボールを受けた佐々木選手がGK・井上亮太(#1)と1対1になりますが、井上はシュートを僅かに左手に当ててコースを変えコーナーキックに逃れます。

押されていた松江も徐々に反撃を開始。

松江は20分、酒井達磨(#19)が相手ディフェンダーのボールをカットすると左サイドからドリブルで一気にゴール前まで侵入しシュート。相手GK・楠本選手に防がれますが酒井の前にボールがこぼれ再びシュート。またも楠本選手に弾かれたボールが今度は髙畑智也(#16)の前に転がってきたためミドルレンジからのシュートを放ちますが結局最後は楠本選手の手の中にボールを収められてしまいます。

22分には後方からのロングフィードに反応しスペースへ抜け出した酒井が楠本選手と対峙。浮き球で楠本選手を上手くかわした酒井はあとはゴールに蹴り込むだけだったのですが、丁寧にプレーしようと少し時間をかけた結果、後方からチェイスしてきた楠本選手にボールをクリアされてしまいゴールならず。

以後はHondaのスピーディーで迫力のある攻撃を受ける時間が長く続いた松江でしたが、身体を張った粘りの守備で最後の一発は許しません。この時間帯、松江はなかなかボールを保持することができず、相手の猛攻に耐えながらひたすらカウンターでの逆襲を狙います。

38分、味方のクリアボールを拾った酒井がセンターライン付近から一気にドリブルで相手ペナルティエリア前までボールを運び、中央の川中健太(#7)へパス。川中が左サイドでフリーになっていた西村光司(#9)にボールを送ると西村は前に出てきた楠本選手より一歩速くシュート。ボールは無人のゴールに吸い込まれた・・・かと思いきや、何とHondaのディフェンダーがシュートコースに頭から飛び込みヘディングでクリア。松江は決定的な得点機を逃してしまいました。

41分、惜しいシュートを放った西村にアクシデント。
おそらくは足を痛めたようで菅本岳(#11)西村に代わって左ウィングバックに入ります。

前半アディショナルタイムには少々熱くなった垣根拓也(#4)がボール奪取の際に相手選手の足を蹴ってイエローカードを呈示される一幕も。

お互い攻守に締まったプレーを見せた前半は、結局両者スコアレスで終えました。。

後半

後半頭からHondaは2人の選手交代。
フォワードの大町選手・児玉選手を、古橋選手・岡崎選手に代えます。

すると交代出場のこの2人が後半開始早々にいきなりチャンスメイク。
右サイドでボールを受けた岡崎選手がペナルティエリア付近までドリブルで持ち上がり、エリア内の古橋選手にラストパス。
古橋選手はゴール右隅を狙ったシュートを放ちますがクロスバーに弾かれ、松江シティは命拾いをします。

この日の試合は全般的になかなかボールがラインを割らず、フィールド内を終始ボールが動いている状態でした。
Hondaがやや押し気味ではありましたが、松江は最後のところで守備を踏ん張り、マイボールにするとすかさずHonda陣内へ攻め込んでシュートチャンスを伺う。そしてHondaがボールを奪うと松江ゴール前のシーンを一気に作り出す。これを松江が耐えてマイボールにする…。後半はこの繰り返しが延々20分以上続きました。

膠着状況を打破するため、松江シティは68分に2枚替え。
インサイドハーフの髙畑智也に代えて佐藤啓志郎(#8)、フォワードの酒井達磨に代えて中井栞吏(#14)が入ります。
同ポジション同士の交代と思われましたが、佐藤は前節同様フォワードとして中井と2トップを組み、川中健太がインサイドハーフの位置に下がることになりました。

この交代を経ても試合展開が劇的に変わる様子もなく、むしろHondaが押し込む時間が徐々に長くなっていくようでした。

Hondaは79分に左ウィングバックの佐々木選手に代えて原田選手を投入。

攻撃に転じたい松江でしたが、セカンドボールやルーズボールはことごとくHondaに拾われ、相手ゴール前のシーンを作ることができません。

堪らず実信憲明監督は再び2枚替えを敢行し、交代枠を使い切ります。
82分、田平謙(#31)に代えて那須甚有(#20)川中健太に代えて北原大奨(#32)が投入されました。
この交代で北原がフォワードに入り、佐藤はインサイドハーフの位置に下がりました。

すると直後の84分にHondaも2枚替え。
フォワードの富田選手に代えて鈴木選手、ボランチの松本選手に代えて中村選手が入ります。
Hondaもこれで5人の交代枠を使い切りました。

終了間際の89分、松江はコーナーキックを獲得すると佐藤が蹴ったボールに下村尚文が頭で合わせますが、僅かにポストの外側に外れてしまいます。

アディショナルタイムの3分間、自陣に押し込められHondaの猛攻を受け続けた松江でしたが、集中力の高い守備で凌ぎ切り、結局両者スコアレスで試合終了。松江0-0Hondaで勝ち点1を分け合いました。

戦評

松江シティとしては得点できる決定的な場面があっただけに悔しいドローとなりましたが、全体的にHondaが押し気味であったことを考えると無失点で終えたことを評価すべき試合だと言えるかもしれません。

これで2試合連続の無失点試合。
前々節まで毎試合失点していたとは思えないくらい、守備が整備されているという印象です。
システムを変えたわけでも選手を大きく変えたわけでもないのに過去2試合これだけ守れるようになった要因は「選手たちがハードワークしている」。これに尽きるような気がしています。気候的にも涼しく(寒く)なりましたし、各選手よく走れていると思います。

一方でHonda FCについては、らしくないミスも散見されましたし、攻撃パターンもやや単調で松江としては守りやすかったという部分も感じられました。
もちろん前に出てくる圧力はあったものの、最後のところであれほど決定力を欠いているHondaは見たことがありません。
今季、勝ちきれなくて勝ち点を落とし続けている理由はこういうところにあるのか、と思わされるような試合内容でした。

Hondaは今季の優勝が潰え、5連覇を逃しました。
2014年から指揮を執り、7年間で4連覇を含む5度の優勝を成し遂げた名将・井幡博康監督は今季でチームを去ります。
今季が強豪・Honda FCの「終わりの始まり」ということは決して無いでしょうが、ヴェルスパ大分がJFL初優勝を遂げたということもありますし、来季以降はJFLの勢力図に大きな変化が訪れるかもしれません。
松江シティはこの変化の渦中にあっても絶対に残留争いだけには巻き込まれてはなりません。
来るべきJ3挑戦の時まで安定してJFLを戦えるように、チーム力・クラブ力を少しずつ成長させていく必要がありますね。

さて、いよいよ次節は2020年JFLの最終節となりました。
松江シティはここまで6勝2分6敗、勝ち点20、得失点差ー5の10位。
何としても勝ち越したいですし、トップハーフの8位以上でシーズンを終えたいですね。
酒井達磨の得点王にも期待がかかります。
アウェイ・武蔵野陸上競技場での試合となりますが、昨年同様、関東圏在住の松江市出身・島根県出身の方々にもたくさんお越しいただき、是非とも選手たちの後押しをしてもらいたいものです。

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