ラインメール青森 3 - 0 松江シティFC
2020年 9月 6日(日) 13:00 Kick off
新青森県総合運動公園球技場
観客 415人
松江シティとラインメール青森との昨季の対戦成績は1勝1分。相性の良い対戦相手です。
青森は今季リーグ戦まだ2試合しか消化していないとはいえ、ここまで勝ち点なしで得点もありません。
好調の松江シティとすれば調子の上がらない対戦相手からしっかり勝ち点を得たい試合でした。
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スターティングメンバー
松江シティFC
松江シティは3試合連続同じスタメンです。
さらに付け加えるなら馬場悠(#44)以外の10人は開幕戦から5試合、ずっとスタメン出場を続けています。
リザーブメンバーはGK・池藤聖仁(#30)、DF・畝本諭(#15)、辻川裕介(#28)、加藤秀典(#39)、MF・那須甚有(#20)、FW・中井栞吏(#14)、北原大奨(#32)。前節との違いは髙畑智也(#16)が外れ中井がサブメンバーに復帰したことです。
ラインメール青森
前節、MIOびわこ滋賀に0-6で大敗した青森は4バックから3バックに変更してきました。
メンバーも前節から4人を入れ替えて臨みます。
試合経過
前半
松江のキックオフからのボールがいきなりチャンスに繋がります。
馬場将大(#5)のフィードを酒井達磨(#19)がバックヘッドで擦らせて前に送り、これを受けた馬場悠がそのままペナルティエリア内に持ち込んでシュート。しかし惜しくも青森GK・横山選手に阻止されます。
3分にも垣根拓也(#4)のロングフィードを酒井が上手く受けてシュートまで持っていきますが、これは枠外に。
この日も立ち上がりから積極的に攻め込む松江でしたが、いつものような小気味良いパス回しは見られません。
青森の選手が前線から激しいプレスをかけてくることも影響してか、パスが少しずつずれて相手に引っかかる場面が目立ちます。
青森の先制点は前半飲水タイム明けの27分でした。
松江が自陣の右サイドからビルドアップを試みた際に、青森の井上選手が猛然とプレッシングに行ってこのボールを奪取してしまいます。そして中央の小栗選手にパス。小栗選手はダイレクトで左前方に送り、行武選手がこれを落ち着いて決めて青森先制。
シュートの場面、松江ディフェンダーが一人付いていましたし(おそらく筒井俊(#13))他にもディフェンダーが余っていたので、もう少しどうにかできたんではないかという感じではありました。
GK・井上亮太(#1)がシュートに反応できていないのを見ると、付いていたディフェンダーのコースの切り方が甘かったのか、あるいはリフレクションがあったのか、全く予想外のコースにボールが飛んできたようです。
その後も松江は青森のプレスに苦しめられ、なかなか思うような攻撃に繋がらずシュートも打てない状況が続きます。
40分には右サイドからの菅本岳(#11)のクロスボールが相手選手に当たってゴール枠内へ飛び、GK・横内選手が何とかこれを弾き出したところへ田平謙(#31)が詰め、絶好のシュートチャンスを迎えますがタイミングが合わなくてシュートに至らず、という場面もありました。また、このプレーの流れで川中健太(#7)にもゴール正面の位置からフリーでミドルシュートを打つチャンスがあったのですが、シュートは大きく枠を外れてしまいます。
42分には馬場悠が右サイドをドリブルで持ち上がりミドルシュートを放ちますが、これも枠を捉えることができません。
同点に追いつけない松江は逆に青森に追加点を許してしまいます。
45分、青森は自陣からのフリーキックをワントップの行武選手に合わようとします。このときの競り合いのこぼれ球を小栗選手がキープし、上手く切り返しながら中央の太田選手に送り、太田選手がダイレクトシュートを決めて青森2-0松江。
守備陣が安定していたはずの松江でしたが、まさかの2失点で前半を折り返します。
後半
松江シティは後半開始から馬場悠に代えて北原を投入します。
2点のリードを許している松江は本来なら攻撃のギアを上げていかなければならないのですが、全体的に選手たちの動きが緩慢で、いつものようなスピードとキレのあるパスがなかなか繋がっていきません。前線に繋ごうとするパスがことごとく青森にインターセプトされて攻撃のリズムが作れず、テンポが悪いまま時間だけが経過していく状態でした。
一方の青森はリードしていることもあって前半のようなハイプレスは自重していましたが、それでも要所ではプレスをさぼらず、アンカーの垣根や左右ウィングバックの泉・菅本ら松江の攻撃の起点となるところを徹底的に封じてきました。
松江が攻撃の糸口を探り、青森がこれを潰してカウンター、という構図で後半は試合が進行していきます。
67分、青森は菅本とマッチアップしていた井上選手に代えて菊池選手、ワントップの行武選手に代えて萬代選手を投入。
直後の68分には松江が川中に代えて那須を投入します。
北原・那須の投入で何とか攻撃の活性化を図りたかった松江でしたが、戦況に大きな変化はなく、またスタメンの選手たちには疲労の色も見え始め、チーム全体に重苦しい雰囲気が漂ってきました。
74分には青森が左のシャドーを務めた菊岡選手に代えて新田選手、ボランチの太田選手に代えて水野選手と再び2枚替えを行います。
78分には松江が酒井に代えて中井を投入。
そして青森は82分、3センターの右を務めた廣瀬選手に代えて和田選手を投入し、交代枠を使い切ります。
なんとか一矢報いたい松江でしたが、アディショナルタイムに交代出場の和田選手に左サイドを突破され3点目を決められてしまいます。
このまま試合は、青森3-0松江で終了。松江の失点3は今季最多、また公式戦6試合目にして初の無得点試合となってしまいました。
戦評
青森が前節6失点の大敗から1週間でよくここまで修正したと、そこにまず感服しました。
この短い間にシステムを4バックから3バックに変更し、選手たちに戦術の落とし込みをして結果を出した望月監督始めコーチングスタッフの手腕は見事だったと思います。
また青森の選手たちは皆がハードワークを徹底していました。本来であれば実信監督が松江の選手たちに常々これを求め実践させていることですが、今回は完全にお株を奪われた格好になりました。青森にとっては今季初の有観客ホームゲームということで、選手たちは間違いなく気合が入っていたでしょうし、観客の声援もハードワークを後押ししてくれたのかもしれません。
青森のプレスと球際の強さが効いたせいもありますが、この日の松江の選手たちは「らしからぬ」ミスを連発していました。
普段ならあり得ないような凡ミスも散見されましたし、あれだけミスを繰り返していたらまず勝てないです。まるで昨季のダメな時の松江シティを見ているようでもありました。
おそらくは夏場の連戦、スタメン固定、アウェイ移動の負担などが重なって主力の選手たちに疲労が溜まってきているのではないでしょうか。
選手交代について実信監督は今季リーグ戦5試合、いずれも3人までしか交代枠を使っていません。何か確固たるポリシーの下にやっていることなのでしょうが、せっかく5人の交代枠があるわけですから、選手たちの体力を考えれば5人全員を上手く使うべきではないか、と個人的には思いました。もちろんチームバランスを考えた場合に闇雲にフレッシュな選手を投入することが必ずしも得策ではないことは承知しています。しかし酷暑の中でのゲームが続く間は選手たちの体力の消耗度にも十分気を配った選手起用が必要なのではないでしょうか。この日の松江の選手たちの低調ぶりを見るにつけ、そんなことを強く感じました。
さて、松江はこれだけ完膚なきまでにやられた後ですから、次のホームでの試合は極めて大事です。
うまく切り替えて連敗しないこと、これに尽きます。
今節の青森が前節の完敗を乗り越えて見事に修正してきたように、松江も何としても復活をしたいところです。
果たして実信監督は青森戦の敗戦で見えた課題にどうアプローチするのでしょう。今までの戦い方を再確認して徹底するのか、あるいはメンバー・戦術を若干変えてくるのか。
その答えは9月13日(日)、ヴィアティン三重戦で明らかになります。
実信監督のチームマネジメント力に大いに期待しています。