FCマルヤス岡崎 1 ー 2 松江シティFC
2021年10月10日(日) 13:00 Kick off
岡崎市龍北総合運動場 龍北スタジアム
観客 206人
前節、首位いわきFCをホームに迎え0-4の大敗を喫した松江シティ。
今節はアウェイでの戦いとなりますが、前節のショックを振り払うためには勝ち点を奪取して何としても連敗は阻止したいところ。
対戦相手は前回ホーム対戦時に0-1で敗れているFCマルヤス岡崎。
試合会場は2020年7月にリニューアルオープンした龍北スタジアム。
試合前には第21節の試合でJFL100試合出場を達成した岡崎・寺井憲祐選手の表彰セレモニーが執り行われました。
スターティングメンバー
松江シティFC
前節大敗した影響もあってか、メンバーが比較的多く変更されています。
左CBは馬場将大に替えて宮内真輝、右CBは試合途中からこのポジションを務めることが多かった筒井俊がスタートからこの位置に入りました。
そしてここまで左ウィングバックでスタートしていた菅本岳が右ウィングバックに回り、左には佐藤啓志郎が入りました。
また奥様の出産立ち合いのため欠場となった髙畑智也のポジションには泉宗太郎、右のインサイドハーフには田平謙。
(但し、前半飲水タイム明けから佐藤と泉はポジションを入れ替えて本来の彼らのポジションに戻しています。)
以上が前節のスタメンとは異なるメンバーです。
リザーブの方も佐々木健人・辻川裕介・桃井紳伍が久しぶりにメンバー入りするなど変化が見られました。
FCマルヤス岡崎
岡崎は前回対戦時は3-3-2-2のフォーメーションでしたが、今節は4-2-3-1。
また前回先発していたメンバーは今回4人しかおらず、かなり様相が変わっています。
それもそのはずで率いている監督が前回対戦時とは異なり、Honda FCで4連覇を達成した井幡博康監督が2021年7月から岡崎の監督に就任し今節の試合の指揮に当たりました。
指揮官が変わり岡崎がどんなチームに変貌したのか、そちらにも要注目です。
試合経過
前半
序盤からアグレッシブに攻撃を仕掛けてきたのは岡崎。
小気味よいパス回しであっという間に松江のゴール前まで迫り、あと一歩でゴールと言うところまで持って行きます。
岡崎の寄せの速さと球際の強さは前節のいわきFCを彷彿とさせ、松江としては我慢を強いられる展開。
ボール支配率でも決定機の数でも岡崎の方が上回る中、それでも松江は単発ながらカウンター気味の攻撃で岡崎ゴール前に迫るシーンを作り、岡崎の攻めを凌ぎながら一発狙いが当たりそうな雰囲気も漂わせます。
34分には岡崎ゴールからかなり遠い位置で得たフリーキックを川中健太が思い切りよく直接ゴールを狙って蹴り、これが惜しくもポストを直撃するシーンもありました。
しかし、やはり先制したのはペースを握っていた岡崎。
39分、ハーフウェーライン付近でボールを得た林選手がそのまま長い距離をドリブルで持ち上がり、ペナルティエリア手前からミドルシュート。これが決まって岡崎1-0松江。
松江はこれで4試合連続先制を許してしまい苦しい展開になりました。
しかし先制された後、逆に松江はボールを持てるようになり、岡崎陣内に攻め込む時間も増え始めます。
松江が得点を十分期待できる雰囲気を漂わせながら岡崎1-0松江のスコアで後半へと向かいます。
後半
後半開始から松江は最初の選手交代。左ウィングバックの泉に代えて桃井を投入。
後半立ち上がりは前半終了間際の流れそのままに松江がボールを支配して岡崎陣内に攻め込む時間が長くなりますが、岡崎も時間経過と共に押し返すようになり、60分頃までは双方拮抗した状況が続きます。
しかし60分を過ぎると岡崎の運動量が落ち始め、前半に繰り出していた速い攻撃が鳴りを潜めるように。
一方の松江はセカンドボールの回収率が上がって攻撃の回数が増え、シュートの本数も前半に比べて格段に増えてきました。
この機会を逃すまいと実信憲明監督は67分に二枚替え。インサイドハーフの田平に代えて加倉広海、FWの遊馬将也に代えて伊能玲生を投入します。
右サイドを何度も攻略しチャンスを作っていた松江シティ。その右サイドから遂に同点ゴールが生まれます。
73分、川中が右サイドのタッチライン際からゴール前に絶妙なクロスボールを供給すると、上手く相手のマークを外した加倉がこれを頭で合わせてゴール。岡崎1―1松江となります。
その後も松江は右サイドを攻めながら何度も好機を迎えますが得点には至らず。
試合終盤はほぼ松江のペースで進行し、岡崎は効果的な攻めができなくなります。
そしてアディショナルタイムの4分も過ぎドローで終わるかと思われたこの試合、ラストワンプレーとなった松江のコーナーキック。
菅本の蹴ったボールが逆サイドに流れたところを川中が倒れながらも中央に折り返すと、これを受けた加倉が反転しながら左足でゴールに蹴り込み松江が逆転。
直後に主審のホイッスルが鳴り試合終了。岡崎1-2松江。
松江は加倉の劇的な逆転弾で今季初の逆転勝利。勝ち点3を積んで連敗を免れると共に順位をひとつ上げて9位に位置しました。
戦評
前半は岡崎の運動量とプレスに苦しんだ松江シティ。
しかし真夏のような厳しい暑さの中、岡崎の体力が果たして持つのかという疑問もありましたし、そこを見越して松江は前半、まず慌てずにしっかり守備に集中していたように思います。
「前半は耐えて0-0でも良し」というプランだったところを林選手の個人技で1点は失いましたが、後半は思惑通り岡崎の運動量が落ちてきたところで攻撃に時間を割くことができるようになりました。
その流れで良い時間に加倉の同点弾が生まれましたし、アウェイで先制されたことを思えばそのまま1-1で終わったとしても上々の結果だったと言えます。
それがまさかのラストプレーで逆転勝利。
思えばJFL参入以来、松江シティは終了間際の失点で何度も痛い目に遭ってきました。
その無念をようやく晴らすかのような劇的な勝利。
しかもここまでリーグ戦では得点のなかった加倉が同点弾・逆転弾を決めたことは大きい。
チーム得点王トップタイの髙畑が欠場していたことを踏まえても大きな意味があります。
これがまたクラブの経験値を上げていくことにもつながっていくことでしょう。
岡崎の方に話を転じますと、途中で運動量が落ちてしまいましたけど、あの前半のようなクオリティが試合全体でバランスよく保てれば強くなるだろうな、と。
今季終了後のシーズンオフ期間に井幡監督はじっくり時間をかけてチームの完成形を作り上げることでしょう。
来季はもしかすると新たな門番が誕生するかもしれない。そんな予感さえ覚えました。
来季の岡崎が楽しみ、というよりは怖いというのが正直なところです。
次節の対戦相手
次節は10月16日(土)、アウェイで現在2位のHonda FCとの対戦です。
前回対戦時、松江シティはホームでHondaから初勝利を上げました。
今回はホーム・都田でその借りを返すべくHondaはリベンジに燃えているでしょうし、何より首位いわきFCとは勝ち点差4ですから、優勝のためには絶対勝利の気持ちで向かってくることでしょう。
一筋縄ではいかない戦いとなりますが、松江シティが劇的逆転勝利の勢いをそのまま持ち込んで奮闘してくれることを大いに期待したいです。