2023シーズンにおけるJFLからJ3リーグへの入会(昇格)条件をまとめました。
Jリーグ入会資格
2023年版のJリーグ入会資格はJリーグ規約(2023年1月31日改正)の第17条[入会]に定められています。
第17条では入会資格の内容について4項目、入会資格の効力発生時期について1項目が規定されており、この中の4つの入会資格の内容を簡単にまとめると次のようになります。
ポイント
1.JFLに所属し毎年9月30日までにJリーグに対し所定の入会申請を行ったクラブであること
2.J3クラブライセンス審査(調査)を受けていること
3.9つの入会要件を全て充足すること
4.Jリーグ理事会の審議で入会が承認されること
3.を除く3項目は主に手続き上の規定なので特に分かりにくい点は無いかと思います。
そこで3.に規定された9つの入会要件について詳しく見ていくことにします。
Jリーグ入会要件
Jリーグ規約
Jリーグ規約 第17条 第3項に規定された9つの入会要件は次のような内容です。
入会要件
① J3クラブライセンス審査に合格している
② クラブとしての活動実績がJ3会員として相応しいと理事会から認められている
③第16条[J3クラブの資格要件]を満たしている
即ち
・J1、J2またはJ3クラブライセンスの交付を受け、それが取り消されていない
・日本の法律に基づき設立された株式会社または公益社団法人である
④ 入会直前年度までに、安定的な支援組織の整備に向け取り組んでいる
⑤ 入会直前年度のJFLのリーグ戦におけるホームゲームの1試合平均入場者数が2,000 人に到達することを目指して努力していると認められる
⑥ 短期的に資金難に陥る可能性が極めて低いとJリーグが評価できる状態にある
⑦ 入会直前年度のJFLのリーグ戦最終順位が2位以内
⑧ クラブが株式会社の場合、大株主とJリーグとの直接の面談機会を設定し、別途Jリーグが定める宣言書に署名させ、Jリーグに提出する
⑨ 入会直前年度のJFLのリーグ戦最終順位が2位の場合、J3・JFL入れ替え戦に勝利している
まず①J3クラブライセンスの取得がJ3入会への大前提であり、その他に重要な要件としては⑤ホームゲーム入場者数、⑧JFLでの最終順位、⑨J3・JFL入れ替え戦での勝利が挙げられます。
但し⑤ホームゲーム入場者数については平均2,000人が必達目標から努力目標に改められたので、2022シーズンのような必ず達成しなければならない要件ではなくなりました。
また、これ以外の②活動実績・③国内法人・④支援組織・⑥財務状況・⑧株主の要件が充足できずにJ3入会が承認されなかった、という例は過去にありません。
以上のことから、Jリーグ(J3)入会要件について、まずは次のポイントに着目すれば良いことになります。
ポイント
・J3クラブライセンスを取得している
・JFLのリーグ戦最終順位が2位以内である
・JFLのリーグ戦最終順位が2位の場合、J3・JFL入れ替え戦に勝利している
なお、J3・JFL入れ替え方式についての詳細はこちらの記事をご参照ください。
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参考【2023】J3・JFL入れ替え方式
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J3入会候補
さてJFLに所属するクラブのうちJ3入会候補となるクラブはどれだけあるのでしょうか。
JFLは将来のJリーグ入りを目指すクラブと、アマチュアクラブのまま活動を続けるクラブが混在しているリーグで、上の表で黄色に色分けしたチームがJリーグ参入を目指しているクラブになります。
「J3ライセンス」欄が「〇」のクラブは2024シーズンのJ3クラブライセンスが交付されたクラブです。そして「入会審査」欄が「〇」のクラブはJ3への入会が条件付きで承認されたクラブで、JFLのリーグ戦最終順位およびJ3・JFL入れ替え戦結果がJ3入会要件を満たした場合にJ3に入会することができます。(認定・承認は2023年10月24日現在の情報)
J3入会に当たってはJFLのリーグ戦最終順位2位以内という成績要件を満たす必要がありますが、この要件をクリアするのはかなり大変です。
上の表では2022シーズンの最終順位順にチームを並べていますが、上位は強豪・Honda FCを始め力のあるアマチュアクラブで占められており、これらのクラブを相手に2位以内を確定させるのは至難の業と言えるでしょう。しかも2位であればさらにJ3クラブとの入れ替え戦に勝利しなければならないため、J3入会を目指すクラブの実質的な目標はJFL優勝のみという極めて厳しいJ3参入レースになったという印象です。
果たして2023シーズン、J3入会要件を満たすJFLクラブはどこになるのか。
JFL最終順位に加え、J3・JFL入れ替え戦の動向にも注目しながら最後まで見届けたいと思います。