マッチリポート(2022年)

【2022 JFL】第7節 FC神楽しまね vs HondaFC

2022年5月2日

プロモーションを含みます

■第24回日本フットボールリーグ(2022)第7節

FC神楽しまね 0-0 HondaFC

2022年5月1日(日) 13:00
松江市営陸上競技場
観客 506人

【警告・退場】   46分 下村尚文(しまね)    61分 宮内真輝(しまね)

リーグ戦では現在4連敗中のFC神楽しまね

前の週は島根県サッカー選手権大会の決勝を戦い、ベルガロッソ浜田3-0で下しました。

下位カテゴリ相手の試合とはいえ公式戦で久しぶりの無失点勝利を飾ったことで、これをリーグ戦への弾みにしたいところ。

リーグ戦第7節は目下2位のHonda FCをホーム・松江市陸に迎えての試合となりました。

スターティングメンバー

FC神楽しまね

神楽しまねは前節・FCティアモ枚方戦同様、基本フォーメーションは中盤ボックス型の4ー4ー2。

マッチデープログラムに記載されたフォーメーションでは田平謙をトップ下に置いた中盤ダイヤモンド型4-3-1-2となっていましたが、田平が高い位置でプレーする時間はあまり多くはなく、あくまでもダブルボランチをベースにしながら機を見て田平が前線に上がり攻撃参加しているように見えました。

GKは前週のベルガロッソ浜田戦でもスタメン出場した池藤聖仁。池藤は今季リーグ戦では初スタメン。

また左SBには島根大学から新加入の石川健太を抜擢。石川は公式戦初スタメンです。

ここまで公式戦全6試合スタメン出場が続いていた佐藤啓志郎は初めてメンバー外となり、左SHには菅本岳が入りました。

HondaFC

HondaFCも4-4-2のフォーメーション。

FWの児玉玲音選手が前半10分で負傷交代となった際はボランチに清水航輔選手を入れ、ボランチの石田和希選手を右SH、右SHの鈴木雄也選手をFWとそれぞれ1列ずつ上げる布陣にしています。

試合経過

序盤はHondaがボールを支配しペースを握る展開。

しまねはなかなかボールを保持できず守勢に回る時間が長くなります。

Hondaにゴール前での危険な場面をいくつか作られたしまねでしたが、守備陣がお互いにカバーし合い、また球際の勝負にも粘り強く勝って最後のところを踏ん張りHondaにゴールを割らせません。

ボールキープに苦心していたしまねはマイボールにするとシンプルに前線にロングボールを送り、加倉広海がこれを収めて攻撃につなげる形に活路を見い出そうとします。

加倉がオフサイドにかかる場面もありましたが、この攻撃の形は有効で、しまねも徐々にチャンスの回数が増えてきました。

前半の終盤にはHondaを押し返すようになったしまねは、得点の気配を十分感じさせながら後半へと折り返します。

前半からの良い流れを後半へも引き継いだしまねはボールの支配率も上がりHonda陣内へ攻め込み続けますが、最後のスルーパスの場面で受け手が度々オフサイドにかかりシュートにまで至りません。

後半の入りは良かったしまねでしたが61分にアクシデント。

バイタルエリアでパスを受けそのままペナルティエリア内まで持ち込もうとした鈴木雄也選手を宮内真輝が手を掛けて引き倒してしまい、決定機阻止ということでレッドカード。退場処分となります。

このプレーで与えたHondaのフリーキックを凌いだしまねは直後に2トップの加倉と川中健太を下げ、遊馬将也辻川裕介を投入。

退場した宮内が務めていた左CBに辻川が入り、しまねはFWを1枚削って遊馬のワントップという形にします。

以後は4-4-1のブロックで守備を最優先とし、残り時間を無失点でしのぐことをミッションとしたしまね。

しまねはベタ引きになるわけではなく、守備ブロックを上手くスライドさせてHondaの選手をブロックの外側に追いやり、縦パスが入っても冷静にこれを跳ね返してHondaの攻撃に対抗します。

Hondaのシュートはことごとく枠外となり、枠内に飛んだシュートもしまねの身体を張ったディフェンスに阻まれてHondaはどうしても1点が奪えません。

結局30分以上の時間を10人で耐えきったしまねがスコアレスドローに持ち込みしまね0-0Hondaでタイムアップ。

しまねは開幕戦以来となる無失点試合。

連敗を4で止め、価値ある勝ち点1を手にしました。

感想

守備の強度

試合を通してしまねは良く守っていましたし、特に宮内が退場してからはより一層守備意識が高まり、首尾よく無失点で切り抜けることができました。

狙い通りに無失点を達成するというのはなかなか難しいのですが、それをきちんと遂行するあたり昨季の守備の強度が戻ってきたことを実感させるものであり、今後に向けて非常に明るい兆しだと言って良いでしょう。

Honda相手に長い時間10人で戦いながら無失点で終えられたことは守備面で相当な自信になります。

昨季のようにロースコア勝負に持ち込んで勝ち点を積めるようになればやがて降格圏は脱出できるかもしれません。

ただ本来は得点力を上げるためにフォーメーションを4バックに変更したはずです。

神楽しまねがもう一段階高いところへ行くためのチャレンジだったのに、ここまでリーグ戦6試合で2得点というのはあまりにも寂しい。

得点力に関しても我慢して続けていればやがて上がってくるのか、それはまだ分かりませんが、守備が安定すれば攻撃面でより良い効果が表れるのではないかという期待感はあります。

攻撃についてはもう少し辛抱して見守る必要があるのかもしれません。

観客数

この日は島根ナカバヤシ様のサポーティングマッチということで、ホーム側観客席は通常よりもかなり広いエリアがスポンサー席に指定されていました。

これだけスポンサー席が確保されているのであれば1,000人超えの観客数も期待できると思っていましたが、実際は約半分の506人

ゴールデンウィーク期間中で雨の心配もないという絶好の集客チャンスにこの数字は厳し過ぎます。

もちろんコロナが完全に収束していないという現状も影響しているのかもしれません。

それにしてもこの数字にはクラブが危機感を持たないとダメです。

百年構想クラブ認定に向けた課題解決に加えて広報活動のテコ入れについても宮瀧譲治新社長に手腕を発揮していただきたいところです。

次節の対戦相手

次節は2022年5月4日(水)、ホームでFCマルヤス岡崎と対戦します。

本来は開幕戦として組まれていたカードでしたが、神楽しまね側にコロナ感染者が複数出てしまったことで延期となり、この日に再設定されました。

岡崎はここまで開幕から6連勝。1つの負けも引き分けもありません。

岡崎は昨季の途中からHonda4連覇を達成した井幡博康監督を招聘し、さらに今季はHondaから関雅至ヘッドコーチ・川口剛史GKコーチを迎え入れコーチングスタッフの充実を図っています。その成果が成績となって表れているのでしょう。

今季の岡崎で特筆すべきは失点が僅かに「2」であること。非常に堅い守備をしています。ただでさえ得点力不足に苦しむしまねにとって輪をかけて厄介な相手であることは間違いありません。

また岡崎はかつて神楽しまね(松江シティFC)に所属していた酒井達磨選手の所属先でもあります。

今節の東京武蔵野ユナイテッドFC戦で酒井選手はメンバー外でしたが、果たして対戦メンバーとして松江に帰還してくるのでしょうか。仮に酒井選手が出場する機会があっても、絶対に恩返し弾は阻止しなければなりません。

Honda戦で得た手応えをより確実なものにするためにも、しまねは岡崎としっかり戦って欲しい。そして願わくばホーム初勝利を実現してくれれば、これに勝る喜びはありません。期待を込めつつ観戦しようと思います。

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