■第24回日本フットボールリーグ(2022)第17節
FC神楽しまね 2-1 クリアソン新宿
2022年7月24日(日) 15:00
松江市営陸上競技場
観客 373人
【得点者】 7分 谷尾昂也(しまね) 64分 石井優輝(新宿) 79分 加倉広海(しまね)
【警告・退場】 ■ 29分 森村昂太(新宿)
前節の勝利で最下位を脱出したFC神楽しまね。
今節はしまねに替わって最下位となったクリアソン新宿との6ポイントマッチ。
負ければ再び最下位となり、逆に勝てば降格圏から脱出する可能性があるしまね。極めて重要な15位と16位の直接対決です。
スターティングメンバー
FC神楽しまね
しまねは前節のFCマルヤス岡崎戦と同じスタメンです。
リザーブも岡崎戦に帯同した6名がそのままメンバー登録されています。
加えて第13節・鈴鹿ポイントゲッターズ戦で負傷交代して以来戦列を離れていた筒井俊が4試合ぶりにメンバーに復帰しました。
クリアソン新宿
開幕試合で対戦した際、新宿は4-4-2のフォーメーションでしたが今回は3-4-2-1に変わっています。
第10節・ソニー仙台FC戦から3バックに変えたと思われますが、その試合で今季初勝利を上げ結果も出たことで以来3バックを基本に戦っているようです。
試合経過
試合開始から主導権を握って攻めるしまね。新宿を自陣に押し込め攻撃を続けます。
7分、川中健太が新宿DFラインの裏にスルーパスを通すと絶妙なタイミングで抜け出した谷尾昂也がこのボールを収め、最後は相手DFに寄せられながらもしっかりとゴールを決めてしまねが先制。しまね1-0新宿。
先制した後もしまねは攻撃の手を緩めません。
18分には川中がゴール前で決定的なシュートを放ちますがポストに弾かれます。
22分には早いリスタートから谷尾にシュートチャンスが訪れるも間一髪で相手にシュートブロックされ得点ならず。
しまねが追加点を奪えそうで奪えない状況が続く中、前半の終盤には新宿がしまねを攻め立てる時間もできお互いが攻め合う展開に。しかし新宿はシュートで攻撃を完結させることができず、結局前半に放ったシュートは1本のみ。
前半のラストプレーは新宿ペナルティエリア手前絶好の位置でしまねのフリーキック。川中の蹴ったボールは惜しくもポストを叩いて外れゴールならず。
前半はしまね1-0新宿としまねが1点をリードして終了します。
後半の新宿。開始早々に右サイドからのクロスを原田亮選手が頭で合わせしまねはヒヤリとしますが、ここは井上亮太が冷静にボールを弾き出してゴールを割らせず。
後半は両者一進一退の攻防が続き、お互いなかなかシュートチャンスが生まれません。
すると64分でした。
新宿がしまね陣内でフリーキックを獲得。キッカーの瀬川和樹選手がゴール前にクロスボールを入れると、これを石井優輝選手が頭で合わせてゴール。しまね1-1新宿。新宿がセットプレーを活かして同点に追いつきます。
追いついた勢いのまま新宿はしまねゴールに再三迫りチャンスを迎えますが、しまねの各選手が身体を張ってシュートを防ぎ勝ち越し点を与えません。
後半飲水タイムのタイミングでまずしまねが最初の選手交代。ボランチの馬場将大に代えて垣根拓也を投入します。
垣根の投入で中盤の落ち着きを取り戻したしまねは72分にビッグチャンス。
ゴール前で加倉広海が放ったシュートが相手に当たるとボールが谷尾の前にこぼれGKと1対1。谷尾のシュートはGK岩舘直選手がストップし、さらにそのこぼれ球を再び加倉がシュートしますが、またも岩舘選手が右足1本で防いでしまねはどうしてもゴールが奪えません。
76分にしまねは2枚替え。FWの谷尾に代えて遊馬将也、左SHの川中に代えて髙畑智也を投入します。
そして迎えた79分。
新宿ゴール前で髙畑→佐々木健人→菅本岳とパスをつなぎ、菅本がシュート。これは相手に当たりますが跳ね返りのボールを収めた菅本が右サイドからクロスを上げると加倉がこのボールを頭でゴールへ叩き込んでしまねが勝ち越し点。しまね2-1新宿。
その後もボールを支配し攻撃を続けるしまね。
一方の新宿は効果的な攻撃を繰り出すことができず、終盤はゴール前にひたすらロングボールを入れて何とか状況を打開しようとしますが、しまねDFにことごとくこれを跳ね返されてシュートチャンスを作れず。
結局アディショナルタイムの4分間も集中を切らさず守り切ったしまねがしまね2-1新宿のスコアで勝利。
今季松江市陸で初得点・初勝利を上げたしまねは今季初の連勝。この日敗れたMIOびわこ滋賀を抜いて14位に浮上し降格圏を脱出しました。
感想
得点力
前半戦は長らくゴール欠乏症に苦しんだ神楽しまねでしたが、今節含めここ4試合は無得点試合がありません。
得点が取れていない時期は失点するとしまねの各選手が途端に意気消沈してしまっているように見えましたが、得点が取れ出した今は「取られたら取り返せばいい」というメンタリティが出来上がりつつあるように感じます。
しまねは前節のマルヤス岡崎戦も今節のクリアソン新宿戦も一度は追いつかれたもののそこでメンタルが落ちずに勝ち越し点を奪うことができました。得点力が復活してきている自信が原動力になったのかもしれません。
FW陣は遊馬の復帰で駒が揃ってきましたし、ここからまた更に得点力が上がっていくことを期待したいです。
ハードワーク
前節の岡崎戦とは異なり、今節のしまねはボールを支配し主導権を握るいつもの戦い方を展開していました。
加えて積極的に相手のボールホルダーにプレッシャーをかけてボールを奪い返す場面も目立ちましたし、総じて全員がハードワークを徹底していたように思います。
昨季、良いゲームを披露していた時のしまねは運動量が多く球際の強さも見せていたわけで、今節のチームパフォーマンスはあの強かった昨季を彷彿とさせるものがありました。
今季から4バックにフォーメーションを変え、結果が出るまで前半戦をほぼ丸々消費してしまったしまねでしたが、もしここが実信憲明監督が当初から描いていた到達点であるなら、今後のしまねは多少躓いたとしても大崩れはしないように思います。
油断は禁物ですが、しまねの各選手がようやく取り戻した自信を二度と手放すことなく今後も自信を持って伸び伸びとプレーすることを第一として欲しい。
そして実信監督が掲げた「楽しんでサッカーをする」という目標を体現し、一刻も早く過酷な残留争いから抜け出してくれることを望みたいです。
次節の対戦相手
次節は2022年7月31日(日)、松江市陸で現在7位のヴェルスパ大分と対戦します。
過去の対戦成績はしまねの2分け4敗。しまねはまだ1度もヴェルスパに勝てていません。今季アウェイでの対戦でもしまねは0-1で敗れています。
次節が終わるとJFLは約1ヵ月間の中断期間に入るので、しまねは何とか良い形で中断前最後の試合を終えたいところ。
ヴェルスパから初勝利を上げリーグ戦3連勝で中断期間に入れれば言うことは無いのですが、果たして思い通りに事が運ぶのかどうか。
ホームでの対戦ですし、とにかく良い結果が出ることだけを願っています。