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会長コメントから見えてきた松江シティFCの未来像と方向性とは?

2020年3月3日

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松江シティFCは 2020年3月5日(木)開催予定だった「2020シーズン キックオフパーティ」 を新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止する、と去る2月25日に発表しました。
当日発表予定であった代表取締役会長・吉岡健二郎氏の挨拶要旨は公式サイトで公開されておりリリース当日に読んだのですが、ここまでのクラブの動きと突き合わせて「なるほど、そういうことだったのか」と腑に落ちる点がいくつかありましたので、今一度内容を整理してみようと思います。

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積極的な補強

2019年シーズン開幕前、松江シティが新加入選手として上位カテゴリから獲得した選手は1名のみ(J3・SC相模原より髙畑智也)。対して2020シーズンは新加入11名中6名の選手をJ3クラブから獲得しました。

選手名前所属
井上 亮太(いのうえ りょうた)ガイナーレ鳥取
垣根 拓也(かきね たくや)ブラウブリッツ秋田
川中 健太(かわなか けんた)福島ユナイテッドFC
菅本 岳(すがもと がく)いわてグルージャ盛岡
那須 甚有(なす じんゆう)ガイナーレ鳥取
北原 大奨(きたはら だいすけ)ブラウブリッツ秋田

昨季残留争いを強いられた反省から、今季はJリーグクラブの経験値がある選手を積極的に補強してチームの戦力アップを図るとともに、プロフェッショナリズムを注入しようとしていることが見て取れます。
今季加入したばかりの垣根拓也をキャプテンに指名したのも、もちろん性格的に適任だったというのもあるでしょうが、Jリーグで培ったものを松江シティに伝道して欲しい。そのために選手にもコーチングスタッフにも遠慮なくどんどん意見を発信できる立場であって欲しい。こういう思惑があったものと推察されます。

2019年シーズン終了後の田中前監督退任、実信新監督就任の発表の流れは非常に速かったですし、監督が早く決まったことで補強の動きも他クラブの先をいけたように思います。
ガイナーレ鳥取とのトレーニングマッチ後には髙木理己監督から「昨年と比べて(松江シティは)強度がある」との評価もいただいており(多少のリップサービスはあるでしょうが)補強の効果を裏付けるコメントも色々聞こえてきます。
昨季も中断中に獲得した下村尚文、加藤秀典、馬場悠の3選手は期待通りの活躍でレギュラーポジションを務めてくれましたし、JFLを知った上での松江シティのスカウティング能力は信頼できるのではないかと個人的には思っております。

補強の成否は即、成績、つまりJFL定着できるかどうかにかかってきますから、吉岡会長自ら太鼓判を押す今季の積極補強の成果には大いに期待したいですね。

2024年のJ3参入

松江シティがいつ百年構想クラブの申請をするのか、全く情報が聞こえてこなくてやきもきしていた昨季でしたが、ここにきて「2024年にJ3参入= J3昇格ライセンスを取得する基準をクリアする 」という目標が明言されました。
昨年がその5ヵ年計画の初年度だったそうですが、今回初めて知りました。おそらく公には発表されていなかったのでしょう。

J3ライセンス取得のためには成績、スタジアム要件、観客数、経営状況が審査されるわけですが、会長コメントからはとにかくまず好成績を収めることが第一というのが伺えます。その方針は上で述べた積極補強の姿勢にも現れてますね。

そしてこれに加えて2021年に活動を開始するユースチームの新設。このユース一期生が卒業する2024年をJ3昇格のターゲットにしているというのもストーリー的には整合性が取れています。ユースからトップチームへ昇格する選手が出てくれば、一層サポーターや地域住民は盛り上がるでしょう。

こうした地域一体の取り組みやクラブの好成績が観客数を増やし、クラブ経営を安定させ、スタジアム建設の機運を醸成する、という話もその通りと考えます。
我々サポーターも自分にできる範囲でクラブの取り組みを精一杯支援していきたいものです。

島根のクラブとしての松江シティ

2020シーズンより松江シティのエンブレムとロゴマークが変わっていることに気付かれた方も多いと思います。

エンブレムには「SHIMANE」、ロゴマークには「Shimane」の文字が入り、松江シティが島根県のクラブであることが強調されています。

先ほど述べたユースチームは雲南市が活動の拠点となりますし、既にJFLでは出雲市(浜山)での開催実績があることに加え、今季は初めて益田市でも公式戦が開催されることが決定しています。

松江シティが松江市だけではなく、広く島根県民の方々に愛されるクラブとなることを目指し「全県的な啓発活動に社を挙げて」取り組むと会長も宣言されています。西部の県民にとって、松江市のサッカークラブの認知度は東部ほど高くないと思われますが、「島根」を冠したスサノオマジックが全県的な活動で集客数を上げていることを考えると、松江シティの西部地区開拓も避けて通れない課題のひとつと言えるでしょう。

まとめ

松江シティの当面のミッションが「好成績を上げ続ける」ということは理解しました。JFLに残っていないと、その先のJ3もないし下部組織の受け皿にもなれない。とにかくこのポジションを明け渡さないよう、クラブ・サポーター一丸となってミッションをクリアしていきましょう。

スタジアムについてはまだ言及できるレベルにはありませんが、J3ライセンス申請までには建設に向けた道筋を示せるようにしたい、という感じでしょうか。
ちなみに2029年の国体は島根県開催です。松江市が主会場になるかは不明ですが、松江市陸の老朽化が課題視されている中で、これを機に競技場が改修もしくは新築されて、そこが松江シティのホームスタジアムになる可能性も無きにしもあらずですね。

とはいえ、本音は陸上トラックのない球技専用スタジアムが望ましいのですが…。

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