松江シティFC 3 ー 0 FCティアモ枚方
2021年11月 3日(水) 13:00 Kick off
松江市営陸上競技場
観客 692人
秋晴れのこの日、試合会場のある総合運動公園では明治安田生命Jリーグウォーキング in島根が開催され約450人がこのイベントに参加しました。
イベント後は多くの参加者の方々が松江シティの試合も観戦され、また場内イベントでは皆美が丘女子高ダンス部や開星中高チアリーディング部がパフォーマンスを披露するなど非常に賑やかな雰囲気の中で試合が開催されました。
スターティングメンバー
松江シティFC
前節ヴィアティン三重戦で頭部を負傷した遊馬将也はベンチスタート。代わって伊能玲生がワントップの位置に入りました。
右のCBは筒井俊に代わって松下大祐が務め、筒井は前節菅本岳が務めていた右のウィングバックに。
また前節リザーブメンバー入りしていた加藤秀典は今節メンバー外となり、代わりに泉宗太郎がメンバーに入りしています。
FCティアモ枚方
前回アウェイ対戦時はチョ・ヨンチョル選手をワントップに置いた4-2-3-1でしたが、今節は4-4-2のフォーメーションになっています。
10得点を上げ佐藤諒選手と並び枚方のトップスコアラーであるヨンチョル選手は前々節、前半23分で退き、前節は欠場。おそらくは怪我だと思われ、今節もメンバー外。
今節は松本選手のワントップではなく、今夏移籍加入したナイジェリア国籍・バジル選手との2トップを組んできました。松本選手186cm、バジル選手190cmとその高さは脅威です。
試合経過
前半
序盤はお互いに中盤での攻防が長く続き、なかなかシュートシーンに至りません。
どちらかというと松江の方がボールを保持している時間が長く、自分たちがやりたいことを淡々とこなしながらチャンスを伺っている様子。
一方の枚方は中盤でマイボールにしてもすぐに松江に寄せられてボールを奪われ、なかなか前線までボールを運べない。ならばとシンプルに前にロングボールを送っても前線の選手との呼吸が合わずボールがなかなか収まりません。
松江の選手たちが気持ちよくプレーしているのに比べ、枚方の選手たちには「上手く行かないな」という雰囲気が漂っているように感じられました。
ボールに触れないストレスからと言うわけではないでしょうが、枚方は22分にバジル選手、29分には松本選手とFW2人が立て続けに危険なプレーでイエローカードを提示され、不穏な空気も流れ始めます。
前半飲水タイム明けから松江は枚方陣内でようやくシュートを放つ場面が見られるようになりました。
そして迎えた32分、松江のコーナーキック。
髙畑智也の蹴ったボールがファーサイドに流れ、これを松下大祐が中央に折り返すと伊能玲生が左足で丁寧にシュート。ボールはゴール前に密集していた枚方の選手たちの間をすり抜けてゴールに吸い込まれ松江に先制点。松江1-0枚方となります。
その後も松江は枚方陣内に押し込み、追加点を奪えそうな状況が続きます。
枚方は一向に攻撃の糸口がつかめず前半が終わろうとしている時間帯になってもシュートは0。
すると41分のことでした。
枚方陣内から松江陣内目掛けて放り込まれたロングボールに下村尚文が先に追いついてヘディングでクリアしますが、遅れて追いついた松本選手がクリア後の下村に体当たり。
このラフプレーで松本選手には2枚目のイエローカードが提示され退場処分。
枚方は残りの約50分を10人で戦わなければならなくなりました。
結局前半は松江1-0枚方で終了。松江は1点をリードし、さらには数的有利な状況で後半へと向かいます。
後半
後半も開始早々から松江が枚方を攻め立てます。
48分、後方からのクロスボールを川中健太が頭でゴールに押し込みますが、これは惜しくもオフサイドの判定。
しかしその3分後の51分。松江のショートコーナーから馬場将大が中央にクロスボールを送ると川中のヘディングシュートがゴール左下隅の絶妙な位置に転がり松江に追加点。松江2-0枚方。
その後も数的優位を活かしてボールを支配しながら枚方陣内で試合を進める松江。
枚方は自陣に封じ込められ時折カウンターを試みますが効果的な攻撃にはなりません。
62分にまず枚方が選手交代。
CBのキング・マックス選手を阿部選手に、FWのバジル選手を森本選手に代えます。
松江は65分、川中に代えて加倉広海を投入。
66分には松江の右サイドからクロスを上げられ森本選手にフリーでヘディングシュートを打たれるというピンチがありましたが、叩きつけ過ぎたボールはクロスバーを越え得点ならず。
73分に松江は髙畑に代えて那須甚有を投入します。
78分、枚方は福森選手・加藤選手を下げ、浅野選手・武田選手を投入。ベンチに残ったフィールドプレーヤーをすべて使い切ります。
枚方の交代選手はそれぞれが運動量を上げて数的不利の状況を克服しようと努めますが、松江の余裕を持ったパス回しに振り回され攻撃のターンを奪えません。
すると85分。枚方陣内で厚みのある攻撃を続けていた松江は一度相手に奪われたボールを再度佐藤啓志郎がインターセプトし、そのままスルーパス。これを受けた加倉がしっかりゴール右隅に決めて松江3-0枚方。
その後89分に松江は筒井・馬場に代えて、菅本岳と桃井紳伍を投入。辻川裕介が左CBに下がり左右WBに桃井・菅本というフレッシュな選手を置いて試合をクローズに行きます。
結局、枚方のシュートを僅か3本に抑えた松江がクリーンシートで試合を締め松江3-0枚方で試合終了。
松江はこれで3連勝。勝ち点41で順位を8位に上げ、JFL残留も確定となりました。
戦評
枚方に退場者が出て、半分以上の試合時間を11人対10人で戦えたため松江はほぼ試合をコントロールすることができました。
しかし退場者が出るまでの11人対11人の状況でも松江のペースでしたし、その時間帯で先制点も取れていますから退場者が出なくてもあるいは松江が勝利していた試合だったかもしれません。
松江は前半からボールへのアプローチが非常に速く、球際の強さも随所に見せていました。
ヘディングの競り合いを含む中盤での攻防は松江の方が勝っていましたし、先制点を取るのも時間の問題と思わせる前半の出来でした。
また伊能玲生のポストプレーも効いていて、アバウトな浮き球を送っても大体マイボールにしてくれるので松江としては攻撃面でかなり助かっていたと思います。
一方枚方ですが、退場者が出てからは仕方ないとしてもその前から選手がどこか戸惑いながらプレーをしている印象を受けました。
松江がアグレッシブに戦ってくることを想定していなかったわけではないと思うのですが、何となく「こんなはずじゃないのに」というやりにくさを感じていたようにも思えます。
前節の対三重戦での松江はどちらかというとリアクションサッカーでしたし、もしその試合のみでスカウティングしていたらこの日の松江はまるで違う戦いをしてきたので当てが外れた、ということはあるかもしれません。もちろんそんなスカウティングの仕方はしないでしょうし、そのような単純な話ではないと思いますが。
いずれにしても松江が相手の嫌がるサッカーをして上位から勝ち点3を取れたのは上出来でした。
垣根拓也の長期離脱でどうなることかと心配していましたが、そこからの3連勝は立派。
この好調の波をどこまでも継続して欲しいものです。
次節の対戦相手
次節は11月6日(日)、アウェイで奈良クラブとの対戦です。
奈良クラブは現在松江シティとは9ポイント差の勝ち点32で12位。
過去の対戦成績は松江が3勝1分けで負けがなく相性の良い対戦相手です。
奈良クラブは序盤戦、コロナ禍の影響でフリアン監督が来日できずダリオHCが代行監督として指揮を執っていました。その時に4連敗を喫するなど大きく躓きましたが、フリアン監督来日後は徐々に立て直して現在の順位まで上げてきています。
特筆すべきは引き分けの多さで、リーグ戦11引き分けは現在リーグ最多。「負けないサッカー」で勝ち点を積み上げてきたところはひと頃の松江シティとよく似ています。
面白いのは奈良クラブの総得点34・総失点34は松江シティと全く同じ数字だと言うところ。
もしかするとロースコアのお互い譲らない試合結果になる可能性もありますが、とにかく松江シティとしては相性の良い相手だからと変な余裕を持ったりせず、いつものハードワークでしっかりと戦ってもらいたいところです。
連勝が続くように祈ってます。